NHK杯戦囲碁 瀬戸大樹8段 対 山下敬吾9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が瀬戸大樹8段、白番が山下敬吾9段の対戦です。瀬戸8段はこれまで6戦して山下9段に勝っておらず、苦手のようです。先期山下9段は初手天元、5の5など意欲的な布石でベスト4まで行きましたが、今回はタスキの星から天元と、また面白い布石でした。この布石のポイントですが、天元の石がどのくらい働くかですが、結果的に攻めと守りの両方に十分働き、成功でした。この碁の最初のポイントは左下隅から左辺にかけての折衝で、黒が上手く左下隅に入りこんで、なおかつ左辺の黒地も値切ることに成功したので、ここで白のリードとなりました。しかし勝負を決定付けたポイントは右上隅でのお互いに眼の無い石の競い合いでした。しかし白は天元の石の働きもあって右上隅からの白の眼の無い一団が黒2子を取って治まり、逆に黒の右上隅からの一団が眼が無く追い立てられ、右辺と右下隅に白地を作りながら攻められたのが黒の敗因でした。結果として盤面で持碁の白の6目半勝ちでした。山下9段の意欲的な布石が成功した一局でした。対して瀬戸8段はちょっと打ち方が固すぎて効率として白に遅れたという感じでした。

インチキ真空管アンプに騙されないように

Just MyShopというジャストシステムの通販サイトから「真空管アンプ」のメールが来ました。しかしここで紹介されているアンプはYAHAアンプ(Yet Another Hybrid Amplifier=なんちゃってハイブリッドアンプ)というもので、プリの1段目に確かに真空管を使っていますが、12Vと言う低電圧で、真空管のもっとも特性の良くない箇所(増幅特性が直線ではなくかつ増幅率も悪い箇所)を使うもので(要するにどれだけ低電圧で真空管を駆動出来るかのお遊びであり、高音質のためではまったくない)、またメインの増幅はデジタルアンプなので、真空管らしい倍音の多い音などまったく期待出来ない安物です。
またブランドは「サンスイ」となっていますが、これはドウシシャという会社が山水電気が破産した時に、ブランドを買い取ったもので、かつての山水の製品とはまったく関係ありません。
それから「倍音を追加する」とか適当なことが書いてありますが、真空管が倍音をエコーのように追加するのではなく、真空管の歪が奇数倍の高調波歪みが少なく、偶数倍の歪が多いので、(真空管が半導体に比べて歪み率が悪くても)比較的気にならないというだけの話です。
まあ要するに一種の詐欺商品です。こういうもので真空管アンプを試してみようと思わない方がいいです。Just MyShopからはこの前も「真空管アンプ」が来ていて、こちらはちゃんと真空管アンプでしたが、それも何故か五極管シングルで五極管接続という、一般的にはあまり音の良くないとされているものを、「A級アンプだから音がいい」と書いてありました。真空管アンプの場合シングルアンプは全てA級アンプです。また音を良くしたいなら一般的は三極管を使うか、あるいは五極管接続でも三極管接続かUL接続を使います。
ちゃんとした真空管アンプの音を聴きたいなら、エレキットのキットをお勧めします。自分で組立てるのが面倒だったら、アムトランスとかサガミオーディオで組立て済み+部品交換のものを売っています。