本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が広瀬優一5段、白番が呉柏毅5段の対戦でした。この碁の最初の焦点は左上隅で、黒の小ゲイマガカリに白が一間に挟んだのに、黒はなんと三間トビで、初めて見ました。白はそれに対し隅から上辺に二間に固く開いたのに、黒がその右に付けて行きました。白が跳ねた後、黒は覗いて行き、白がへこんで受けました。その後白は黒の背後に打って黒の切断を狙いました。黒はつながりには行かず、左側を左上隅に働きかけて独立で活きに行きました。その後更につながらず、右下隅を掛けて打ちました。これは白が切断に来た時のシチョウアタリでした。結局その後白は右下隅を連打し、黒が左辺でつながって安定するというワカレになりました。この収支は若干黒が良かったようです。その後左下隅から左辺にかけて黒が白を攻める展開になりましたが、ここで白はほぼ取られかけていた左辺の白一子を動き出しました。この狙いは左上隅の黒を取ってしまうことで、攻め取りながらそれは成功しましたが、その反動として左上隅方面の白がほとんど死んでしまい、AIによる形勢判断も黒の勝率が90%以上になりました。その後下辺での折衝が始まり、ポイントは白が取られている石を上手く活用して損を減らすことが出来る、あるいは振り変われるかという所でしたが、白の策動は成功せず、かろうじて左下隅の黒をなんとか取れましたが、それは劫に勝ってやっと取ったので、手をかけた割りには見合わないものであり、ここで黒の勝勢になりました。その後上辺や右辺、中央での折衝がありましたが、黒が中央にも追加で20目以上の地を付けて、白は地合で追いつけず白の投了となりました。
NHK杯戦囲碁 広瀬優一5段 対 呉柏毅5段
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