本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が高尾紳路9段、白番が鈴木伸二8段の対戦です。全体として淡々と進んだ本局ですが、白が黒の右下隅に仕掛け、2子を犠牲にして右辺で1子を抜いて、それにより右辺の白が活きた展開は白が打ちやすい感じでした。そうなると今度は右上隅から伸びる黒が狙われることになりますが、黒は劫を仕掛けて勝ち、黒もここははっきりと活きました。こうなると形勢は不明でヨセ勝負となりました。しかしそのヨセの中で、黒がツケこして白を切断に行った時に、白が上方のハネで応え、結果的に黒1子を取り込んで上辺の白地を増やしたのは、はっきりと白が得をしたように思います。その後黒は中央で白を切断して頑張りましたが、黒が覗いたのに白が横へ延びて受けたのが好手で、ここでは黒は戦果を挙げられず、結局そのまま白リードでヨセが進み、終ってみれば白の1目半勝ちでした。鈴木8段は最近各棋戦で活躍していますが、本局も隙の無い打ち回しでした。
NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 鈴木伸二8段(2023年9月10日放送分)
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