キングレコードより出ている「社歌」というCDを聴きました。弓狩匡純さんというジャーナリストが日本の200社あまりの社歌を調べて、その中からの抜粋でCD化したものです。中には純粋な社歌ではなく「ととべんきのうた」みたいに、歌詞にTOTOが入っていても、TOTOとまったく関係無い外部で作られた曲や、マキタの電動ドリルを使ったドリル奏法というのをやっていたMr. Bigというロックミュージシャンがマキタに感謝して送った英語の曲など、色んなものが含まれています。印象に残ったものでは、鉄道ファンには有名みたいなJR九州の「浪漫鉄道」、土岐善麿と橋本國彦のコンビによるなんとワルツの社歌の「資生堂社歌」、とてもさわかな大同生命保険の「夢直行便」、いかにも古関裕而な「東宝株式会社社歌」、ほとんど戦隊シリーズの主題歌みたいな日本ブレイク工業「社歌」、いかにも正当な社歌である「ユニ・チャームグループ社歌」などです。
弓狩さんがライナーに書かれていますが、社歌がありそれを大切にしている会社は不況に強く好況の時は元気がある、というのは分るような気がします。今「エンゲージメント」ということが叫ばれ、社員の参加意識が低いことが多くの企業で問題になっていますが、社歌というのはこれ以上なく簡単に自分の企業の理念を示し、それを社員に徹底するのに最良の手段の一つだと思います。今私がいる会社にも社歌があって、朝礼の時とかに歌っていました。しかし数年前に社名を変更し、社歌には旧社名が入っているため歌われなくなりました。実は先日発見したのですが、この社歌のサビの部分と古関裕而さんの「高原列車は行く」の「高原列車はララララ行くよ」の所、非常に綺麗につながります。
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NHK杯戦囲碁 羽根直樹9段 対 横塚力7段
本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が羽根直樹9段、白番が横塚力7段の対戦です。この碁の焦点は左辺の攻防で、左辺の上方と左辺の下方のどちらを重視するかという判断が問題になりました。左辺で黒が白の大きく開いた所に打ち込んで行きましたが、白も上辺の上の方の黒とその打ち込んだ黒の間を割いていき、ねじり合いになりました。黒は下方を重視し、左下隅にかかった白3子を包囲する手を打ちましたが、白は逆に上方を重視しました。左辺上方の黒は白に完全に止められたのがいたく、活きるために2度手を入れ、なおかつ後で4の8に当てられて左辺の白の眼の足しにされたのは辛かったと思います。それに対し左辺下方は、確かに黒が包囲したといっても白は下に付けていって脱出を図り、結局白は1子と4子を犠牲にして下辺に脱出しました。この収支は明らかに白が得で形勢は白に傾きました。その後黒は右下隅に付けていってそれなりに地をもって治まりましたが、白も上を厚くして、黒が右辺に地を作るのを阻止したので、差はそれほど縮まりませんでした。この後、右辺で色々あり、黒が右下隅から白を出切って行きましたが、白はその間に中央に飛んで中央の黒地を大きく削減しました。黒は右辺の白を取ってしまおうとしましたが、結局攻め合いになって白の一手勝ちで活きたため、ここで黒の投了となりました。横塚力7段の戦い方の上手さが光りました。
古関裕而作曲の社歌や企業ソングCD
もう少しで「エール」もおしまいです。古関裕而の作曲した曲は生涯で5000曲以上と言われていますが、その内実際に聴けるのは楽譜だけのものを含めて私の知る限りではせいぜい200ちょっとです。残りの内、校歌や社歌がかなり多くあるのですが、古関裕而作曲の社歌や企業ソングを集めたCDが12月23日に発売されます!私は速攻で予約しました。山崎製パンとか山一証券とか象印マホービンとか鈴木自動車とか、期待しています。山一証券は古関の奥さんの金子さんが、ある種の株の名人のマダムとして有名で、山一証券から株を買っていた関係で古関が社歌を作曲しています。
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スタートレックのファーストシーズンの”Arena”
スタートレックのファーストシーズンの”Arena”を観ました。これは以前YouTubeで観た記憶があります。何故かというとこのエピソードはフレドリック・ブラウンの「闘技場」という短篇を使っているからです。(英語版Wikipediaの説明だと、偶然似た話になったため、後からブラウンの了解をもらってクレジットを出したとなっています。)ブラウンの「闘技場」は、長期間戦争を続けている2つの種族が、ある超越的な力を持つ第3の種族によって、それぞれの代表者一名を選び出して、ドーム状の「闘技場」の中で戦わせ、勝った方がその戦争の勝利者になるという話でした。このスタートレックのエピソードでもまさにその通りに、ゴーンという恐竜型のエイリアンとエンタープライズ号の戦いに、メトロンという第3のエイリアンが干渉し、カークと敵のキャプテンはある彗星の上の「闘技場」で戦うことになります。しかし力と頑強さでは明らかに人類よりゴーンの方が上であり、カークに残された勝つチャンスは、その彗星の上にあるもので何かの武器を組み立てるだけでした。まあご都合主義的に硝石、硫黄、石炭が手に入り、また巨大なダイヤモンドの粒もころがっていて、カークはダイヤモンドの粒を弾にした原始的な大砲を作り、ゴーンを倒します。しかしカークはゴーンにトドメを刺すことせず、相手から見れば地球の基地が相手の領域を侵害していたということに気がつきます。カークの慈悲の心はメトロンに評価され、カークは無事にエンタープライズ号に戻ります。
「巨人の惑星」の”Sabotage”
「巨人の惑星」の”Sabotage”を観ました。この回で何と言っても嬉しかったのは、タイムトンネルのダグ役のロバート・コルバートがゲスト俳優で出て来たことです。そのコルバートがやっているのが、きわめて怪しげな警官で、地球人を捕まえてその科学力を得るために、地球人が鉄道の橋を爆破するというでっち上げの破壊工作を起こし(まるで昔の関東軍みたいです(^_^;))、それを使って地球人達が破壊活動を行っている証拠とし、国民を焚きつけて地球人達を捕まえさせようとします。そしてその悪徳警官の陰謀に対抗するために、キャプテン達は、巨人用の電話のダイヤルを回して上院議員に電話をかけ、その陰謀を暴こうとします。しかし、悪徳警官はそれを逆用して上院議員が鉄道の橋爆破を事前に知っていたとして脅迫します。最後は結局、非常にご都合主義でその悪徳警官の事務所の机の中にテープレコーダーがあり、キャプテンが実際に橋の爆破を行った人間を挑発して本当のことをしゃべらせ、それを録音して上院議員に渡して悪が暴かれるというオチです。ロバート・コルバートはタイムトンネルでもナチスの将官になったりしていましたが、悪役をやらせた方が上手いです。
スタートレックのファーストシーズンの”The Squire of Gothos”
スタートレックのファーストシーズンの”The Squire of Gothos”を観ました。エンタープライズ号が宇宙の砂漠ともいうべき何もない星系を航行していた時、突然惑星が姿を現します。その時、エンタープライズ号を操縦していたスールーが突然消え、それを確かめようと近付いたカークも消えてしまいます。スポック達は、生物の生存にはまったく適していないその星をスキャンして、一箇所だけ生物が生存出来そうなエリアを発見し、そこにドクターマッコイを含む4人を転送して、カークとスールーを探させます。一行が転送されたのは欧州のナポレオン時代の屋敷の中でした。カークとスールーはそこに連れ込まれていました。そこにいたのはナポレオン時代の騎士の格好をしたトレレーンと名乗る正体不明の男でした。スポックが一行の居場所を突き止め、一度は全員をエンタープライズ号にも転送して戻します。しかしトレレーンがエンタープライズ号の中に現れ、クルー一行を元の惑星の屋敷の中に連れて行きます。カーク達は、その男が操る不思議な力が何かの機械によって行われると思い、その男をわざと怒らせて決闘に持ち込みます。カークは渡されたピストルで男ではなく、鏡を撃ちそれを破壊します。そうすると屋敷が消え、カーク達は無事転送でエンタープライズ号に戻ることが出来ました。しかし、エンタープライズ号が全速でその惑星から離れようとすると、何とその惑星自体がエンタープライズ号を追ってきます。結局カークが単身でまたトレレーンの屋敷に戻りましたが、そこは法廷でカークは死刑を宣告され絞首刑にされそうになります。しかし、カークは別のゲームをもちかけ、トレレーンが森の中を逃げるカークを追うといことになります。カークは何とかトレレーンの刀を折りますが、簡単にそれは再生されてしまいます。あわやという所で空から2つの声が聞え、それはトレレーンの両親でした。その星は彼らがある意味トレレーンのおもちゃとして与えたものでしたが、あまりに悪戯が過ぎるということで、トレレーンは連れ戻され、カークは無事エンタープライズ号に戻って出発します。うーん、ちょっと説明不足でイマイチのお話でした。
「巨人の惑星」の”Terror-Go-Round”
「巨人の惑星」の”Terror-Go-Round”を観ました。今回もまた、メンバーの誰かが巨人に捕まって、それを残ったものが助けるというパターンのお話です。ただ、今回はキャプテン以外の全員が捕まってしまうというのと、捕まったのがサーカスの一団だという所がちょっと違います。それでサーカスの少年が、最初に地球人2人を捕まえたのはこの少年ですが、途中から気が変わって、地球人に味方しようとします。それで最終的にサーカスのトラックの荷台から逃げ出す手段が変っていて、サーカスの備品としてあった風船に都合良く置いてあったヘリウムガスを詰め、即席の気球を作って逃げ出すというのが今回の目玉です。ただ、ストーリーとしてはきわめて陳腐と言わざるを得ないものです。
NHK杯戦囲碁 張栩9段 対 安斎伸彰7段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が張栩9段、白番が安斎伸彰7段の対戦でした。本局は張栩9段の早碁の名局と言って良く、終始戦いながらも少しずつポイントを上げ、優勢を保ったまま勝ちきりました。しかも考慮時間を安斎7段が8回使ったのに対して、張9段は何と一度も使わずに勝ちきりました。この碁の焦点は左上隅で張9段が劫を仕掛けた時で、白が劫立てに左辺で黒の腹中にあった白1子を動き出し、結局振り替わりになり、黒が左上隅を地にし、白は左辺で活きました。しばらく後に黒が左上隅から左辺に対して打った手が機敏で地としても大きく、更に劫にして左辺で取られた黒を連れ戻す手が残りました。黒はしかし中央の石が孤立して眼が無く、攻められましたが、上手く白の包囲網の弱点を突き、また先ほどの左辺の劫狙いも活用し、白の寄り付きを最小限にしました。白は中央の黒への攻めとからめて右上隅に潜り込みましたが、黒も右辺を大きく地模様にし、差は縮まりませんでした。白は右辺に打ち込み、そのからみで右下隅に入りましたが、このタイミングで黒が左辺で劫を仕掛けました。白は結局左辺で謝らせられた格好になり、黒は右下隅の白を活かして、その代わり中央の黒と右辺の黒を地を持ちながら連絡し、これでほぼ逆転の可能性は無くなりました。結局黒の4目半勝ちでした。
倉田喜弘の「日本レコード文化史」
倉田喜弘の「日本レコード文化史」を読了。元は1979年に出た本のようです。なので丁度コンパクトディスクが登場する所で終っています。日本にフォノグラムが入って来たのが1879年とのことなので、それから丁度100年目に書かれた本です。その100年の歴史で結構色んな資料をあたっていて、情報源として貴重です。1979年から41年経っている訳ですが、その141年の間に、フォノグラム(蝋管式)→円盤形蓄音機(SPレコード)→電気録音によるSP→LP(Long Play)→LPのステレオ→(LPの4チャンネル)→コンパクトディスク→ダウンロード音源、と目まぐるしく変って来ています。私が生まれた1960年代初期は既にLPの時代で、SPというものを所有したことは一度もありません。(神田の中古屋で見たことはあります。)
円盤形蓄音機とSPレコードの歴史で興味深いのは、音楽だけでなく、結構政治家が自分の演説などを広めるのに使っていたということです。そういえば、大平洋戦争のいわゆる天皇による終戦の詔勅も、直接放送用マイクに喋ったのではなく、レコードにしたと聞きました。
後は戦前のレコード業界の事情が良く分るのが貴重で、最初は5000枚も売れると大ヒットだったのが、古関裕而がコロンビアに専属の作曲家で入った時は5万枚はいかないとヒットとは言えない、というのもこの本で裏付けが取れました。
しかし、日本人ほどこのレコードやCDというものを愛した国民はいないのではないでしょうか。世界の主流は既にダウンロード音源や定額聴き放題サービスに移行している中、日本だけがまだCDがそれなりに売れています。最近さらにブルーレイオーディオとかも出ていますが、個人的にはこれ以上円盤ものの音源を増やしたいとは思わなくなっています。