映画「アポロ11号」を観ました。今年はアポロ11号のプロジェクトから丁度50年の記念の年です。その時の日程は、1969年7月16日打ち上げ-7月20日月に着陸-7月24日地球に帰還、となります。この映画は最初予想していたのと違って、ほとんど映画というよりドキュメンタリーであり、NASAが持っていた多くの未公開映像に、若干のCGを付け加えたものであり、1969年の当時に公開されてもまったくおかしくない内容でした。途中でその当時の米国大統領のメッセージが入りますが、それがリチャード・ニクソンで、ケネディ大統領が打ち出した計画の最終的な実現に立ち会ったのがニクソンとは、ちょっと歴史の皮肉みたいなものを感じました。アポロ11号の旅はほとんど順調だったように見えましたが、一番緊迫感があったのが、ルナモジュール(LM)が月に着陸する時で、システムがアラーム1201、1202というのを何回か発しました。それは搭載されたコンピューターの計算量が多くて、現代風に言えば「CPU100%」状態になった、というだけみたいですが、他にも予定の着陸地点にクレーターがあって場所を変更したりと、細かい危険はたくさんあったようです。私はこの時8歳で小学校2年生でしたが、アームストロング飛行士の「ピョンピョン歩き」を次の日に皆が真似していたのを覚えています。ともかくこのアポロ11号で一番感激するのは、1961年5月25日(丁度私の生まれる1ヵ月前)にケネディ大統領が「1960年代の内に人を月に送り込み、無事に帰還させる」と打ちだし、NASAのエンジニアですら半分もそれが出来るとは思っていなかったのを、見事に期限内で実現させたことです。
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原子力潜水艦シービュー号の”Attack”
原子力潜水艦シービュー号の”Attack”を観ました。これを入れて後4話になりました。またもWelch脚本です。しかし、今回は多分Welch脚本の中では一番まともで見応えがありました。それにどう考えても理屈が合わないことが今回は少なかったです。内容はこれまで登場したエイリアンの中では、一番好戦的で地球征服をたくらんでおり、海底の中に基地を作っています。そこにずらっと並んだUFO(写真)はなかなか見物でした。この時代はまだユーフォーじゃなくユーエフオーとかFlying saucerとか言っています。欠点としては予算カットの影響でエイリアンの服装がチープで、エイリアンというより聖戦士ダンバインに出てくる中世風ファッションといった感じです。冒頭でアメリカ(?)の艦隊がUFOからの光線だけで吹っ飛んでしまいますが、そこで出てきた爆発の映像は前に水爆の爆発シーンとして使われていたものの使い回しです。まあ理屈に合わないと言えば、何故か敵側に平和主義者のロベックというのがいて、わざわざシービュー号に乗り込んで来てエイリアン基地の弱点を教えてくれます。しかし彼はエイリアンに操られたコワルスキーに銃で撃たれます。どうでもいいですが、コワルスキーについてはこういう敵に操られるストーリーが非常に多いです。また、パターソンもこの間撃たれて死んだ筈ですが、その次の話からちゃんと復活しています。最後は、いつものパターンで、ネルソン提督が敵の攻撃用コンピューターのプログラムを書き換え(どんな天才的なプログラマーでも、初めての機械を1回見ただけでプログラミングを目的に沿って書き換えるなんて不可能です)、エイリアンが攻撃を開始しようとすると、UFOが全部爆発してしまいます。残りの3話の内2話がまだWelch脚本ですが、彼の脚本の中では今回がベストと思います。
原子力潜水艦シービュー号の”Flaming Ice”
原子力潜水艦シービュー号の”Flaming Ice”を観ました。またも北極海のシーンで、かなりの部分が映画のシーンの使い回しです。映画の時から変だったのですが、何故か氷の塊が海の中を降下してきてシービュー号に衝突するシーンがあります。普通に考えたら氷は一瞬水に潜ったとしても、水より軽い訳ですから、沈んでくるということはあり得ません。
今回出てくるエイリアンは、地球の氷よりはるかに温度が低い氷で体が出来ている、という設定そのものは面白いです。しかし、途中でそのエイリアンが人間の体温に触れるだけで溶けてしまうというのが2回も出てきたのに、シービュー号を凍らせた後、その原子力エンジンのパワーを彼らの氷漬けになった宇宙船を動かすために利用しようとするのですが、人間の体温でも溶けてしまうのが、原子力エンジンが出す大量の熱にどうして平気なのかがまったく理解出来ません。またコワルスキーの役柄もこの回では変で、最初の方でフロストマンを目撃した後、ある意味撃たれた訳でもないのに、デッキから転げ落ちて気絶します。それでシックベイで寝ている内に突然フロストマンに捕まって冷凍状態にされているネルソン提督とシャーキーを助けに行く、というのがまったく意味不明です。最後は原子力エンジンのパワーでようやく動いた宇宙船(UFO)で自分達の故郷に帰ろうとするエイリアンを、ネルソン提督が無情にもレーザーで撃ち落として皆殺しにします。全体的に観ると以上のようにかなり問題があるストーリーなのですが、第4シーズンの他の話があまりにひどいので、この程度だとまともに思えます。
TV囲碁アジア選手権決勝戦 丁浩6段 対 シンジンソ9段
本日のNHK杯戦囲碁は、TV囲碁アジア選手権のためお休み。そのTV囲碁アジア選手権決勝戦です。残念ながら日本の井山裕太四冠王と一力遼8段は一回戦でそれぞれ敗退しました。決勝戦は中国の丁浩6段と韓国のシンジンソ9段の対戦になりました。
ともかくねじりあいに次ぐねじりあいの難解な碁で、正直な所私の棋力ではついていくのが大変でした。右辺の戦いで黒が中央を厚くし、それによって白の中央の7子を取り込んだ時は黒が優勢かと思いました。しかし、白は中央への利きを利用して下辺から左下隅を目一杯囲いました。黒は白模様に突入し、そこでまた攻め合い含みの難解な戦いになりましたが、結局双方が活き活きの形で収束しました。その形は白の利益の方が優りました。そこからヨセに入りましたが、盤面ギリギリくらいの形勢で差は縮まらず、最後は黒の投了となりました。国際棋戦でのトップクラスの碁はこのような本当に激しい戦いの碁が多いように思います。日本だと井山四冠王が形勢がいい時でも目一杯の手を打つので有名ですが、国際棋戦だとそちらの方がむしろ普通です。
カンガルー革の革砥、ようやく到着
アメリカから送ってきて、日本で通関するのに1ヵ月近くかかったカンガルー革の革砥、ようやく到着。ちなみにこの製品は「赤カンガルー」(学名:Macropus Rufus)の革です。輸出する時には、この学名をインボイスに書かないと、私のようにワシントン条約にひっかかるかどうかの確認で止まってしまうことになります。製造業者によると、業者はちゃんとインボイスに記載したらしいのですが、発送を受け持ったeBayがその情報を落としてしまい、なおかつFedexからの問い合わせに対しても回答無しでした。もし、私と同じようにeBayその他でカンガルー革の製品を買われる方はお気をつけください。
届いた時に、固定用金具に近い方に数ヶ所黒い油しみのようなものがありました。アルコールティッシュで拭いたけど取れませんでした。この辺り、日本と違って適当です。
革砥としてはこれまで買った(人工皮革ではない)革砥の中で一番薄く、それでいて引っ張っても切れたりせず十分な強度があります。なるほど、サッカーシューズなどに使われるというのは良く分かります。表面は何らかの加工はしてあって、スムースさは十分ですが、コードバンに比べると若干ですが細かい皺みたいなものがある感じです。コードバンを角砥石の#10000としたら、# 7000くらいの感じでしょうか。ただ、革砥として剃刀を滑らせて特に問題となるような粗さでは決してありませんし、フルハローの剃刀でストロッピングした場合には、吸い付くような感じもあります。傷がつきやすい、という情報もありますが、どのみち間違えて剃刀の刃を革砥に立ててしまったらどんな革でも傷が付きますのでそれは大きな欠点ではないように思います。
総じて、牛革の普通の革砥より若干高級感があるかな、という感じです。まあ供給量も少なくて価格も9,155円(送料含まず)でかなり高いので、よっぽど興味があるとかでない限りはわざわざカンガルー革にこだわる理由はないように思います。なお、キャンバス地の布砥付き。
テレビジョンエイジ 1975年8月号
「原子力潜水艦シービュー号」の資料としてヤフオクで落とした1975年の雑誌。そっちの情報は大したことなかったですが、1960年代のアメリカではSFドラマだけではなく、妖怪・怪物・魔女ドラマも全盛だったことを知りました。もちろん「奥様は魔女」は知っていましたがが。(ちなみに「魔法使いサリー」は「奥様は魔女」の影響で生まれています。)
例えば、
マンスターズ
https://youtu.be/vgmiBjJFOSA
アダムスのお化け一家
https://www.nicovideo.jp/watch/sm32593891
水木しげるの作品はオリジナルでしょうが、日本の他の怪物ものは海外の影響が強いのだと思います。
スタージョンの「原子力潜水艦シービュー号」
ここ2週間くらいで、Wikipediaの「原子力潜水艦シービュー号」の項を大幅に書き直した関係で、以前買ったスタージョンのこのノベライズ版も一応読んどかないと無責任かな、と思って読みました。結果、何というか非常につまらなかったです。スタージョンも何でこんな仕事を受けたのかは不明ですが、ほぼやっつけ仕事と言われても仕方がない出来でした。これは映画版のノベライズ版で、あの映画は色々ごちゃごちゃと詰め込みすぎで出来は良くありませんが、この小説に比べればまだマシと言わざるを得ません。ちょっとだけ面白いのが、テレビ版では副長のチップ・モートンは沈着冷静な副官で良くネルソン提督とクレーン艦長をサポートしていますが、この小説ではクレーン艦長と兵学校で同期だったけど、クレーンがいつも1番でモートンが2番目だったという設定になっています。それでモートンはいつも一言多い、頭の回転があまり速くない人物としてして描かれています。ヴァン・アレン帯の火災(?)を核ミサイルで吹っ飛ばすのに、色んな邪魔が入る展開も、このノベライズ版は何か淡々と描写されていてあまり緊迫感がありません。★★。
カンガルー革の革砥、近日中に入手予定
ebayで5月14日にカンガルー革の革砥を注文。これが5月24日頃日本について、Fedexから電話があり、「これがワシントン条約で規制されているものかどうか」という質問がありました。そんなの分からないから発送主に聞け、と回答したら結局昨日まで何の音沙汰もなし。昨日電話したら、送り主に問い合わせているけど回答が来ないのでそのまま待っているとのこと。すぐにebayのシステムで売主に問い合わせ、その業者がカンガルー革を買った時のインボイス(正式な学名入り)を入手。すぐにそれをFedexに転送して、通関はOKになりました。その売主によると、発送はeBayがやっており、良くこのようなトラブルがあるそうです。FedexもFedexで2週間以上回答が無ければこちらに連絡すべきだと思うんですけど。
ちなみにカンガルー革は日本ではあまり知られていませんが、軽くて丈夫な高級な革で、サッカーシューズなどに多く使われています。ちなみに使われているカンガルーは赤カンガルーでもっともポピュラーな種類で、絶滅危惧どころかオーストラリアでは増えすぎて、食用にしたりすることが推奨されています。
原子力潜水艦シービュー号の”Savage Jungle”
原子力潜水艦シービュー号の”Savage Jungle”を観ました。Welch脚本じゃないのが幸いして(?)、ろくでもない話ばかりの第4シーズンの中ではかなりまともで楽しめました。高温多湿の星に住むエイリアンが、イタリア南部をジャングルに変えます。その調査に乗り込んできたシービュー号にはキーラーという新しいクルーがいますが、そいつがエイリアンでした。(新入り=悪者、というこのシリーズで使い古されたパターン)そのキーラーがシービュー号の空気コントロール室に侵入し、酸素濃度を下げ二酸化炭素濃度を上げて、クルー全員を殺そうとしますが、潜水艦なので各部屋に非常用酸素が備え付けてあり、この作戦はあっさり失敗します。キーラーは今度はエアダクトに「ジャングルの元」みたいなのを投げ込んで、それはたちまち繁殖し、シービュー号の中がジャングル化します。この風景がちょっと面白いです。後、キーラーはウルトラセブンのカプセル怪獣みたいに、ミニチュア化した兵士を3人小箱の中に持っていて、その3人を使ってシービュー号を乗っ取ろうとします。キーラーはミサイルでジャングルの元を世界各地にばらまこうとしますが、間一髪でクレーン艦長がミサイルをバックファイアさせて止めます。(ミサイルがシービュー号の艦内で爆発して、シービュー号が無事なのがとても変ですが。)最後はいつものパターンでネルソン提督が急遽作り上げたガンマ線発射装置でジャングルの植物を爆破して、めでたし、という話でした。
シオドア・スタージョンの「深海の宇宙怪獣」(原子力潜水艦シービュー号のもう一つのノベライズ版)
「原子力潜水艦シービュー号」のもう一つのノベライゼーションである「深海の宇宙怪獣」を読了しました。作者はシオドア・スタージョンで、日本語訳が福島正実です。偕成社から出ていたSF名作シリーズ全28巻の13番目です。このシリーズはバローズが3作、ウェルズが2作、そして宇宙家族ロビンソンのノベライズ版もあり、比較的分かりやすいSFを集めているように思います。子供の時家にこのシリーズの「超能力作戦」がありました。
読んでみるとこのノベライズ版はTV版の第2シーズンの第4エピソードと第3シーズンの第1エピソードの話ほぼそのままです。(宇宙からやってきた巨大な脳が科学者やクレーン艦長を操ってシービュー号の乗っ取りを企む話と、あるマッドサイエンティストがネルソン提督にそっくりなサイボーグを作ってシービュー号に送り込み、世界を自分のものにしようとする話)確かにこの2つの話はシリーズ全体の中では良く出来た方の話なのでこれを選んだのはまあいいとして、スタージョンほどの作家が書いているにもかかわらず、ストーリーはほぼTV版のままです。にも関わらずどこにも元の脚本家の著作権表示がありません。本の中にはK. Yanoという人が著作権の交渉をしたようなことが書いてありますが、これは翻訳家兼著作権エージェントであった、故矢野浩三郎氏のことだと思います。
実はこのノベライズ版はご本家のスタージョンのビブリオグラフィーを見ると、日本語版だけしか出版されていないようでかなり奇妙です。もしかするとスタージョンの名前だけ借りて、実際は福島正実氏が書いたのではないかと勘ぐりたくなります。(この福島氏の翻訳?もちょっと変で、チーフ・シャーキーが「ようがす」といった太鼓持ちみたいなセリフを吐いています。)しかし、チップ・モートンのキャラクターは、スタージョンの映画版ノベライズのそれに近く(TVではモートンは沈着冷静な副官ですが、スタージョンの小説では一言多い、頭の回転が悪い人間に書かれています)、そういう意味ではやはりスタージョンが書いたのかなとも思います。ただ、映画のノベライズではかなりスタージョンの独自色が出ていましたが、こちらはほとんど脚本のままで、違うのは2つのエピソードをつなぐため、ネルソン提督がノーベル生物学賞を受賞するという話が出てくる所だけです。やはり福島氏の代作ではないかというのが私の仮説。あの人ならやりかねません。
ちなみに第2シーズンと第3シーズンの話であるのに、表紙のシービュー号は観測窓が上下に分かれている第1シーズンバージョンです。(もっともこの頃日本で売られていたシービュー号のプラモデルはすべてこの第1シーズンバージョンでした。)