清水俊史の「ブッダという男 ――初期仏典を読みとく」を読了。この本はまず後書きが面白かったです。この著者がある本を出そうとし、その中である有名な仏教学者の説を批判していたところ、その学者とその指導教官から呼び出しを受け、本を出せば大学教官の職に就けないようにする、と脅かされたそうです。折原浩先生が、日本の学者が論争をしないことを長年批判しておられますが、論争しないどころか、裏でそんなことしていたのかと、暗澹たる気持ちになりました。これこそアカハラですね。
確かにこの本でも著者は、先人の研究者の説をすごくばっさりと「間違い」「誤解」とか切りまくるので、ちょっと言い過ぎではという印象を受けたのは正直な所です。
この本を読んだのは、手塚治虫の「ブッダ」を今まで最初の数巻にしか読んでいなかったのを、長い通勤時間の時間つぶしに電子本で完読してブッダという「人間」に興味を持ったからです。また、これも折原浩先生の置き土産?で、ヴェーバーの「宗教社会学」の日本語訳私家版というのを預かっていて、取り敢えず現状私のブログで公開していますが、これが注釈部がまったくの未完成で、今やっている「ローマ土地制度史」の日本語訳が終わったらそちらに着手しようとしています。その関係で最近宗教関係を多数読んでいて、旧約聖書を初めて完読しましたし、またクルアーンもずっと読んでいてもう少しで終わります。さらには神道の本とかも読んでいて、その一環がこの本です。元々私は仏教、特に日本の葬式仏教が好きじゃなかったので、仏教は後回しにしていたのですが、インドの思想には興味があって「バガヴァッド・ギーター」も1年くらい前に読んでいて、そろそろブッダも、という感じです。この本で特に興味深かったのが、「歴史的存在としてのブッダ」という研究が盛んになったのが、「歴史的存在としてのイエス」の研究と平行的に起きているということです。大学時代に、聖書学者の荒井献先生の授業を取って、半年だけですが、そういう「史的イエス」の勉強をしていたので、そういう意味でも「史的ブッダ」は興味深かったです。
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ウルトラマンタロウの「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」
ウルトラマンタロウの「牙の十字架は怪獣の墓場だ!」を観ました。セイウチの怪獣でその名も「デッパラス」であまり強そうではありませんが、一旦ZATに倒された後自力でより強力に再生します。一方東はボクサーとして新人王戦を戦おうとしていますが、減量でフラフラです。試合は何とか勝ちましたが、空腹で倒れていたのをさおりの作ったサンドイッチ他で復活して、怪獣を倒すという話です。しかし新マンの時は郷秀樹にウルトラマンの能力が移って格闘技では無敵(キックの鬼の沢村忠とスパーリングして、ウルトラキックを使わなかったので負けたというのはありましたが)でしたが、東光太郎は人間状態ではタロウの能力はまったく受け継いでいないようです。この辺りはごく普通のウルトラシリーズで可も無く不可も無い、という感じです。
相模原市の山奥に冬到来
スタートレック・TNGの”The High Ground”
スタートレック・TNGの”The High Ground”を観ました。エンタープライズ号がルチアIVという星での、アンサタという西側の部分の独立を目指したテロリズムに巻き込まれる話です。アンサタ側は次元ワープという方法で移動していて、エンタープライズ号でさえそれを検知出来ません。アンサタ側は医師のクラッシャーを誘拐しますが、それは次元ワープは人体のDNAに有害であり、その者達の治療をさせるためでした。クラッシャーはアンサタのリーダーであるキリルと話合いますが、キリルは絵を描く芸術家肌の男で必ずしも冷血一方の人間ではありませんでした。テロを止めるように言うクラッシャーに、キリルは自分はアメリカの独立戦争でのワシントンと同じだと言い、勝てば将軍と呼ばれ、負ければテロリストと呼ばれると言います。結局ウェスレーが次元ワープを追跡する方法を見出し、アンサタの基地である洞窟が特定され、ウォーフ達がクラッシャーと同じく拉致されたピカード救出に向かいます。キリルはルチア側の捜査官に射殺されましたが、その敵を討とうとした少年をクラッシャーは止めるように説得し、少年は銃を下ろし、クラッシャーはそこに平和的解決の希望を見出します。
しかし、エピソードの中でルチアのスクールバスがアンサタの攻撃を受け60人の子供が死んだなど、いやでも現在のイスラエルとガザの戦争を思い起こさせる内容でした。エピソード中でデータが、同様の独立戦争の例として北アイルランド紛争を挙げ、「2024年に北アイルランドがイギリスに併合された」と言ったため、イギリスや北アイルランドではこのエピソードは放送されなかったみたいです。
仁藤敦史の「加耶/任那 ――古代朝鮮に倭の拠点はあったか」
仁藤敦史の「加耶/任那 ――古代朝鮮に倭の拠点はあったか」を読了。任那日本府は、昔の歴史の教科書には載っていた、百済と新羅に挟まれた地域(現代の釜山近辺)にあった小国連合の中に大和朝廷の出先機関があって、いわゆる植民地支配を行っていたという説で、出元は日本書記です。この本の著者によれば、そういう恒常的な統治機構を認めることは出来ず、おそらくは加耶の小国連合の中に一定数いた倭人系の人の集団で、百済より新羅と親交を結ぼうとしていた一団を百済側から見てそう呼んだのではないかということです。まあその説の真偽は私には判定しかねますが、ただ戦前の皇国史観が間違いだったということで、戦後はその全てが否定されている感じですが、当時の朝鮮半島に倭の勢力が及んでいなかったというのも完全な間違いであり、神功皇后の三韓征伐の「伝説」にも反映されていて、また広開土王碑にも記されているように倭の進出は否定するのはほぼ不可能です。それから、私達は後の時代の類推から昔を考えるという傾向を持ちがちですが、私は4~5世紀頃の日本で大和朝廷がそこまで中央集権的な力を持っていたとは思えず、せいぜい大和朝廷は諸勢力の中の「同輩中の首席」レベルの群雄割拠状態ではなかったのかと思います。特に九州は熊襲がかなり後の時代になっても登場するように、反大和朝廷勢力が存在し、そういう国々が朝鮮半島の国々と組んで、あるいは敵対して、という状況はごく自然だと思います。いわゆる「筑紫国造磐井の乱」が大和朝廷から見たら「乱」ということになるのですが、九州勢力から見たら半島勢力と組んでの大和朝廷への反攻だったのではないかとも思います。また日本には百済などから多くの渡来人が来ていますが、この反対に当時の倭からも朝鮮半島に多くの人が渡っていたのだと思います。この本では神功皇后の三韓征伐は邪馬台国の卑弥呼や壹與の時代を使って後に起きたことを3世紀にあったことにした、と論じていますが、本当かな、と思います。大体邪馬台国と大和朝廷が同一のものであったという証拠はどこにもありません。
NHK杯戦囲碁 田中康湧5段 対 佐田篤史7段(2024年11月17日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が田中康湧5段、白番が佐田篤史7段の対戦です。この両者は2022年8月にも同じNHK杯戦での対局があり、その時は逆転で佐田7段が勝っています。という訳で田中5段にとっては雪辱戦でした。序盤は黒の石が上辺に集中し、手堅く地を取って、白がそれに対して模様で対抗、という碁形になりました。ずっとほぼ互角の形勢が続いていましたが、局面が動いたのが上辺で黒が1線に下がって白にてを入れさせようとしたのに白が反発して劫になった場面です。この劫で右辺の黒の劫立てを巡っての白の対応がまずく、この劫では黒がポイントを上げ、黒のリードになりました。その後黒が上辺上方の白を切離して攻めようとしたのですが、白は上手く中央を左辺に連絡させた後、上辺右側で策動し、巧みに上辺左の白が目を持つための手入れを先手にさせ、これが大きく形勢はわずかですが白のリードに変わりました。その後ヨセではお互いに悪手はなく、結局白の2目半勝ちに終わり、田中5段はまたも惜しい碁を落しました。
「ローマ土地制度史 公法と私法における意味付けについて」の日本語訳第40回
「ローマ土地制度史 公法と私法における意味付けについて」の日本語訳第40回を公開しました。ここは大変でした。細かい字でぎっしり書かれた土地改革法の引用文(しかも飛び飛びの抜粋)が出て来たからです。生成AIをかなり使いましたが、しかし生成AIも結構間違えるので修正が大変でした。
ウルトラマンタロウの「東京の崩れる日」
ウルトラマンタロウの「東京の崩れる日」を観ました。蟻が新建材から出るガスで巨大化してビルを食い荒らして、ビルが次々に倒壊していく…という話ですが、それはシロアリで、シロアリと蟻はまったく違う分類の生物です。(シロアリはゴキブリの仲間)それで蟻酸を使ってビルから追い出して焼き殺そうとしたら、全部一体化して巨大な怪獣になる、というご都合主義的展開です。光太郎は新マンの郷秀樹のように、ビルの屋上から墜落する途中でタロウに変身してから、何故かいきなり決め技のストリウム光線を使いますが、これもお約束で通じません。蟻酸とか炎で苦しめられますが、最後は自身が炎と化して倒します。という訳で平凡なエピソードでした。ただ東光太郎を演じている篠田三郎は、本当に爽やかな好青年というタイプで、歴代の主人公の中でも傑出していると思います。
認知症予防の日々?
今日のオンライン英会話で、認知症の予防というテキストを読みました。
私はおそらくだけど、認知症にはならないと思います。理由は、
(1) 今でも複数の外国語の勉強を続けています。英語、ドイツ語(翻訳)、ラテン語(翻訳)、古典ギリシア語、イタリア語。この内英語は毎日90分最低限リスニングはしています。
(2) これも今でも仕事でサーバーのセッティングしたり、Webサイトを作ったりしています。
(3) 月に少なくとも3万~5万字くらいはPCでインプットしています。(ATOKのレポートで分ります。)
(4) 認知症の予防に良いという囲碁をやっており、対局はしていませんが、毎日簡単な詰碁を解くのと日曜日のNHK杯戦の囲碁を観ています。
(5) 月に5冊以上のペースで本を読んでいます。
(6) 毎日エアロバイクで45分程度運動しています。
ということで、認知症になる前に別の病気で死ぬと思います。
Gamilアドレスへのメール送信制限
会社HP用の新サーバーから、「お問い合わせ」と「3DCADファイルダウンロード」の時に、それぞれのエントリーユーザーに受付確認のメールを送っています。
ところが、私がテストした範囲で、会社のメールアドレス、私個人のメールアドレス(自宅サーバー)、So-netのアドレスなどには問題無く受付完了メールが送れたのですが、何故かGmailのアドレスにだけ送れていませんでした。
それで色々ログを調べたら、Gmailは送信者のメールアドレスのドメインが正しいかどうかというチェックをしていてSPFかDKIMという電子メール認証が通るメールでないと受け付けないことが分かりました。
それでSPFをどう設定するかですが、そのドメインのDNSサーバーにレコードとして設定する必要があります。実際に今回設定したのは以下のような内容です。
ホスト名 タイプ TTL VALUE
xxxxxx.jp TXT 3600 v=spf1 ip4:181.33.44.16 -all
mail.xxxxxx.jp TXT 3600 v=spf1 ip4:181.33.44.16 -all
(上記のIPアドレスは適当に作ったものです。)
最初上の方だけを設定し、それで「お問い合わせ」の方はOKになったのですが、CADファイルダウンロードの方が駄目(「お問い合わせ」とCADの方で送信の仕方が違います)で、調べたらsales@mail.xxxxxx.jpのアドレスで送られていることが分かったので下の方も追加し、これでようやく両方でGmailアドレスに送れるようになりました。