NHK杯戦囲碁 本木克弥七段 対 清成哲也九段

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本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が本木克弥七段、白番は清成哲也九段の対戦です。本木七段は初出場ですが、NHK杯戦では3年間記録係の経験があります。清成九段は出場回数30回以上のベテランです。対局で黒本木七段が上辺右の白に上から覗いて仕掛けていき、白が反発したことから、白石は2つに分断されて白が苦しくなりました。しかしながら清成九段は両方ともしのぎ、黒に決定的なリードは与えません。白は下辺を確定地にしながら、左上隅の黒の大ゲイマジマリに手をつけていき、左辺を白の勢力圏にしました。この結果、白優勢でのヨセ勝負かと思われましたが、ここで黒が白の左下隅に切り込みを入れたのが鋭い手で、部分的に地は損ですが、外から締め付けることが出来ました。これを利用して上辺の白と左辺の白を分断しました。白は両方をしのぐことはできず、白の投了になりました。本木七段の一瞬の隙をついた攻めが成功しました。

TOEIC新形式の問題集にトライ

jpeg000 98TOEICの新形式のテストを6月26日に受けます。その準備で、新形式の問題集を取り寄せやってみました。リスニングが475点、リーディングが465点の合計940点でした。
新形式になったから難しくなったとは感じませんでしたが、より実践的な英語力を問うようになった気がします。リスニングは、単に聴くだけではなく、図表を見ながらリスニングするのが追加されています。リーディングパートは、Eメールは従来からありますが、オンラインでの商品レビューみたいなものも出題され、普段見ている英語に近づいたように思います。従来からリーディングパートは時間ぎりぎりでしたが、新形式ではさらに英語を読む量が増えて厳しくなりました。今回は何とか時間内に終わらせることができましたが。

桂文楽の「富久、景清、酢豆腐」

jpeg000 89落語、今日は桂文楽の「富久、景清、酢豆腐」です。
どれも文楽はとてもうまいのですが、私にはあまり笑えるポイントがありません。
富久は富くじにあたったのに、お札を火事で焼いてしまったと思っていたら、最後に出てきたというお噺。景清は眼の不自由な人が、観音様に100日お参りしても御利益がなく、観音様に毒づいて帰る途中で雷に打たれ、目が明くお噺。酢豆腐は知ったかぶりをする若旦那の噺。

小林信彦の「オヨヨ城の秘密」

jpeg000 81小林信彦の「オヨヨ城の秘密」を再読了。オヨヨ大統領シリーズのジュブナイルのものは、「オヨヨ島の冒険」「怪人オヨヨ大統領」に続いて、この「オヨヨ城の秘密」が3作目ですが、2作目と3作目の間に、大人向けシリーズが4作書かれていて、「オヨヨ城の秘密」が出版されたのは1974年3月です。中二時代に連載されたものです。
ジュブナイルとはいえ、第1作、2作が軽く読めてしまうのに比べると、この3作目はより読み応えがあります。旦那刑事、刑事コロンボを思わせるコランボ刑事、ジョイス・ポーターのドーヴァー主任警部を思わせるブキャナン主任警部が登場します。大沢家の方も、おなじみのメンバーに加え、二歳の赤ん坊の大沢リサが登場し、この子がパパとルミのヨーロッパ行きの荷物に潜り込んで、アムステルダムのオヨヨ大統領の基地を吹っ飛ばしたりする活躍をします。
かぐや姫の「神田川」の替え歌が出てきたりするのが時代を感じさせます。

桂文楽の「素人鰻、よかちょろ、かんしゃく、夢の酒」

jpeg000 88落語、今度は志ん生と並んで昭和の名人と讃えられた桂文楽を聴いてみました。「素人鰻、よかちょろ、かんしゃく、夢の酒」です。桂文楽と志ん生は野球でいうなら文楽が王、志ん生が長嶋、文楽がアポロンなら志ん生がディオニュソスです。4つのネタはいずれも大ネタではなく小ネタですが、文楽らしさがよく現れていると思います。とくに「かんしゃく」は、文楽自身が大変なかんしゃく持ちだったそうで、どなる親父が昭和の親父という感じで絶品です。

フレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」

jpeg000 78フレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」を読了。先日読んだ「火星人ゴーホーム」が、「唯我論」(自分がいなくなったら世界は存在しなくなる)を扱った作品だったのに対し、それとは対照的な多元宇宙をテーマにした作品です。SF雑誌の編集人であった主人公が、月ロケットの事故によって多元宇宙の別世界に飛ばされます。この世界が自分の知っている世界とは共通点はあるものの、どこかずれていて、まるでスペースオペラの世界ですが、その理由は最後まで読むとわかるようになっています。SFしながら一方でスペースオペラのパロディにもなっています。また、別世界へ飛ばされた主人公が、異星人のスパイと間違われ、追われる展開もなかなかスリルいっぱいで読ませます。最後のオチも予想はできましたが、なかなか面白いものです。解説は筒井康隆が書いていますが、筒井康隆にもかなりの影響を与えた作品です。(「火星人ゴーホーム」は星新一に影響を与えています。)

古今亭志ん朝の「愛宕山、宿屋の富」

jpeg000 83古今亭志ん朝の「愛宕山、宿屋の富」を取り寄せて聴きました。「愛宕山」は、太鼓持ちの一八が旦那と一緒に愛宕山に登ります。一八は山登りなんて朝飯前と強がりますが、いざ登ってみると息も絶え絶えになります。この一八の情けない様子の描写が噺家の見せ所です。また旦那が山頂からのかわらけ投げでかわらけの代わりに小判を投げたのを、一八がもったいながって、斜面を傘をパラシュートのように使って下って取りに行きます。そこで首尾良く小判を拾い集めたのですが、今度はどうやって元の所に戻るかが問題になります。一八は自分の着物を破いてひもを作り、それを竹に結びつけて竹の弾力でまた上に戻ってきます。このように非常に大きな所作が要求される話です。これはCDじゃなくてDVDで観たかったです。志ん朝の太鼓持ちは調子の良さが最高です。
「宿屋の富」は旅館で金持ちを装っていた旅人が、富くじに大当たりする話です。

小林信彦の「怪人オヨヨ大統領」

jpeg000 80小林信彦の「怪人オヨヨ大統領」を再読。「オヨヨ島の冒険」に続く、ジュブナイルシリーズの第2作です。マルクス兄弟のグルーチョ、ハーポ、チコがそのままの名前で探偵役で登場。(グルーチョのみグルニヨン、これは映画「ラヴ・ハッピー」での役名。)ギャグもマルクス兄弟の映画のそのままで、発表当時権利関係への意識が弱かったのが伺えます。まあこの頃は、マルクス兄弟なんて少なくとも読者である子供はほとんど知らなかったのでしょうが。解説には「パロディ」とありましたが、パロディにするなら、少なくとも名前くらいは変えるべきだと思います。(小林信彦自身が、あるミステリー作家が自分の作品に、東西の有名探偵を名前をそのままで登場させたことを批判しています。)マルクス兄弟キャラの3人が活躍するのに比べると、オヨヨ大統領はいまひとつキャラが立っていないように思います。

古今亭志ん朝の「三枚起請、お若伊之助」

jpeg000 76落語、今度は古今亭志ん朝の「三枚起請、お若伊之助」を聴きました。
三枚起請は異なる三人の男に起請(将来一緒になるという誓約の手紙)を渡しそれぞれを手玉に取るしたたかな花魁のお話で、三人の男と花魁の演じ分けが見事です。
「お若伊之助」は根岸の御行の松のほとりにあった因果塚の由来のお噺で、ちょっと怪談じみていますが、根岸と両国を行ったり来たりする勝五郎の大変ぶりが面白いです。

小林信彦の「ビートルズの優しい夜」

jpeg000 74小林信彦の「ビートルズの優しい夜」を再読了。「ビートルズの優しい夜」、「金魚鉢の囚人」、「踊る男」、「ラスト・ワルツ」の4篇を収録。
このうち、「ビートルズの優しい夜」と「金魚鉢の囚人」は「決壊」にも収録されていてそっちで読み直したので、今回は「踊る男」と「ラスト・ワルツ」を再読。特に「踊る男」が面白く読めました。別の名前にしてありますが、明らかに萩本欽一がモデルで、コント55号としてデビューして一世を風靡し、その後売れなくて充電の期間を過ごし、その後またTVで大成功するまでが描かれています。個人的に、この萩本欽一が売れていない充電の時代に、ニッポン放送のラジオで「欽ちゃんのドンといってみよう!!」というラジオ番組をやっていて、それをよく聴いていたので懐かしいです。この番組に合わせて萩本欽一は「パジャマ党」というブレーン集団を結成しています。この「欽ちゃんのドンといってみよう!!」をTVに持って行ったのが「欽ちゃんのドンとやってみよう!!」でこれが萩本欽一のTV復活のきっかけとなって大成功します。「踊る男」ではこのあたりまでが描写されていますがラジオのことは書かれていません。
「ラスト・ワルツ」はTVの脚本家がある映画監督にだまされて映画の脚本のネタをぱくられそうになるお話です。このころから権力を持ち始めた広告代理店がある意味不気味に描写されています。最後に、主人公がザ・バンドの「ラスト・ワルツ」を観るところで終わっていて、懐かしかったです。