私の鳥見は、おそらくカルガモに始まって、カルガモに終わるんじゃないかと思います。そのくらい、よく遭遇するのがカルガモです。多摩川、二ヶ領用水、生田緑地、東京港野鳥公園、谷津干潟、葛西臨海公園などなど、私が鳥見に行く先々にカルガモはいます。
昔は、丸の内で皇居のお堀に春先に引っ越すのが、よくマスコミに取り上げられていましたが、この頃は増えすぎたせいかそうでもないようです。
人間の近くで暮らすのは、人間が保護してくれて、外敵から身を守りやすいからではないかと言われているようです。また純粋なカルガモは少なく、マガモやアイガモなどと交雑しているようです。
この写真は2007年6月2日に谷津干潟の淡水池にてです。子カルガモは、こう見えても泳ぐのがとても素早く、うまく写真に撮るのはなかなか大変でした。
カルガモの見分け方は、クチバシの先端と脚指が黄色いことです。雄も雌も差がほとんどありません。
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白ビール
ビールの本家ドイツには色々なビールがありますが、その中で私が好きなのが、この白ビール(Weissbier、またはWeizenbier=小麦ビール)です。
別名にあるように、通常のビールが大麦の麦芽で作られるのが、この白ビールは半分以上小麦の麦芽を混ぜて作ります。上面発酵のエールの一種です。色は薄めの黄金色ですが、酵母とタンパク質のせいで少し濁っています。味はスーパードライ系の味の対極で、まろやかでフルーティーな香りがします。
日本でも、キリンの「まろやか酵母」(現在はもう発売されていません)や銀河高原ビールが白ビールだと思います。
白ビールで乾杯する時は、繊細な泡を壊さないようにするため、ジョッキの底と底を「コチン」とぶつけるのだそうです。
小林信彦の「汚れた土地ー我がぴかれすく」
中原弓彦(小林信彦)の「汚れた土地-我がぴかれすく」を読了。小林信彦として、「虚栄の市」に続く第二作で、同じ年に「冬の神話」も出版されています。電子書籍や文庫本化されていなくて、古書で入手するしかなく、1万円近くしました。この小説は横浜にある、イギリス人が経営する米兵相手の貸家会社が舞台になっています。小林信彦は大学を出た後、叔父が経営する塗料会社のセールスマンとしてまず就職し、その後、日英混血のやはり親類が米兵相手に営んでいた貸家会社・有限会社レオポルド&サンに勤務していますが、その会社がモデルになっています。「我がぴかれすく」とあるように、半自伝的小説で、主人公が悪漢(ピカロ)になろうとしてなりきれない様子を描きます。この主人公の「悪漢ぶり」が卑小で、ある意味とても「痛い」ものです。主人公は元やくざの会社役員や、イギリス人と日本人の混血の社長や他の役員がそれぞれ会社を食い物にするのに翻弄されます。この不動産会社は、実際の会社もこの小説に出てくる会社も、米兵の日本駐留が減ってしまった煽りを受けて、不渡りを出して倒産します。この過程で、実際の小林信彦も社長に暴力を受けたりしたらしいのですが、その経験もこの小説に取り入れられています。全体的には三作目になり、小林信彦らしさ、というのは随所に出てきて面白く一気に読むことができました。これで小林信彦の初期の三作品を全部読むことができて満足です。
世界一まずい飴、サルミアッキ
バン
梨の花
一峰大二のキングZ
(以下の記事は、2007年8月22日に、旧ブログで掲載したものの再掲です。)
一峰大二の幻のプロレス漫画がついに単行本化されました。復刊ではなく、初の単行本化です。掲載誌は小学館の「小学四年生」と「小学五年生」で1970年4月号から、1972年3月号までの連載です。
そもそも一般の漫画誌ではないので、読んでいた人が限定されます。それでも、当時の「小学○年生」での漫画連載は、1年完結が原則だったのを、この漫画だけは小学四年生から小学五年生にわたって2年間連載され、どれだけ人気があったかがわかるかと思います。
(ちなみに私は、自分の学年より1年上の「○年生」を買っていたので、本来の対象の学年ではありません。)
中身は、タイガーマスクの影響がかなり強く、地下組織からやってきた様々な悪役レスラーと主人公が戦う話です。その悪役の多彩さは、タイガーマスクの「覆面チャンピオンリーグ戦」の悪役にもまったくひけをとりません。結末はちょっと「巨人の星」的です。これ以上書くとネタバレになるのでやめておきます。
傑作というほどではなくても、今読んでも十分面白く、小学三年生~四年生だった自分がはまったのは不思議ではありません。
ちなみに主人公の名前はなんと本郷猛!おそらくこちらの方が先だと思いますが、仮面をした主人公ということで仮面ライダーとも共通点があります。
この作品について、1991年頃Niftyの漫画フォーラムで誰か覚えていませんか?と聞いたところ、当時シスオペをされていた漫画家のすがやみつるさんが、わざわざ一峰大二さんに問い合わせて、その存在を確認してくれたことがあります。
ともかく、連載終了から35年も経っていて、再び読むことが出来たのは感激でした。
旧ブログのテキストの発掘
以前やっていた「知鳥楽」のブログは、Nucleusという仕組みを用いて運営していました。
今はそのブログは見ることはできませんが、写真データは、元のサーバー上にそのまま残っています。この度、ハードディスクの片隅に眠っていた、バックアップファイルを調べて、テキスト情報を復元することができました。旧ブログのコンテンツ、追々紹介していきます。
小林信彦の「日本橋バビロン」
(以下は2007年11月6日に書いたものの再掲です。)
小林信彦氏の最新刊です。私にとって新刊が出ると買いたくなる、今ではほぼ唯一の作家です。
内容は、和菓子屋であった小林家の、小林信彦氏の祖父の代からの盛衰と、その和菓子屋があった日本橋という土地の明治から大震災、戦争を経て戦後へ、という街自体の盛衰をからめて描いた作品です。
小林氏の自伝的作品には、他にも「和菓子屋の息子―ある自伝的試み」や「東京少年」などがありますし、自伝ではありませんが、太平洋戦争の時代を描いた「僕たちの好きな戦争」もありますが、そうした作品との重複は最小限に抑えられています。特に、腕のいい和菓子職人で同時に商売の「やり手」だった小林氏の祖父についての詳しい話は、今回が初めてで、その祖父-小林氏の父-小林氏の三代の歴史を、どろどろとした部分を匂わせつつも深入りせずに、ある意味淡々と描写していきます。小林氏自身が、実はその祖父に似たところが多く、生まれた時にまさにその祖父から「和菓子屋の相をしている」と言われたエピソードはちょっと笑えます。確かに小林氏の映画や小説、喜劇人の評論の「職人気質」な部分は、そのおじいさん譲りなのでしょう。
小林氏は、実は私の実父と同じ年の生まれです。ですが、実の父のことより、今では小林氏の経歴についての方がずっと詳しいのは何だか不思議な気持ちです。ですが、小林氏の作品を通じて、父の生きた時代を追体験してきた、とも言えます。
もう一つのテーマの、日本橋という土地の盛衰については、地方生まれの人間としては、東京に何年いてももっともなじみの薄い土地が日本橋周辺です。1990年代初頭に、ある韓国の財閥企業が日本支社を秋葉原から日本橋浜町に移しましたが、その関係で何度か通ったことがあるくらいです。小林氏も書いているように、その浜町あたりは、戦後緑地確保のため「浜町公園」が大きな面積を占めており、昔の面影を偲ぶことは困難です。