小林信彦の「丘の一族」

jpeg000 27小林信彦の「丘の一族」再読。小林信彦の自選作品集で、「丘の一族」、「家の旗」「八月の視野」「みずすましの街」の四篇を収録。「丘の一族」、「家の旗」「八月の視野」の三作は芥川賞候補、「みずすましの街」は直木賞候補になっています。「丘の一族」は「汚れた土地」をある意味私小説的に書き直したものです。「汚れた土地」とは違って、米兵相手に貸家業を営むイギリス人が、小林信彦の遠い親戚であったことが明らかにされています。「家の旗」は、和菓子屋「立花家」ののれんを、祖父の弟子に売り渡す話です。「八月の視野」は、戦争直後の小林家の暮らしぶりを当時中学生だった筆者の視点で描いたもの。「みずすましの街」は「ぼくたちの好きな戦争」のある意味姉妹編のような短編で、遊び人清さんの戦中・戦後の移り変わりを描きます。

ケルビーニ 荘厳ミサ曲ヘ長調「シメイにて」

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知り合いが2016年6月に合唱のコンサートで、ケルビーニのレクイエムハ短調を歌います。その予習として昨年買ったのがこのムーティーのCDなのですが、私のお気に入りは、2つのレクイエムよりも、1枚目に入っている、荘厳ミサ曲ヘ長調「シメイにて」です。この曲はケルビーニが、ベルギーの町シメイに滞在して作曲から遠ざかっていた時に、町の教会の献堂式のためにミサ曲を頼まれて作曲したものです。演奏時間72分の大曲ですが、親しみやすさと荘重さが両立した名曲だと思います。

小林信彦の「大統領の晩餐」

jpeg000 25小林信彦の「大統領の晩餐」を取り寄せて読みました。35年ぶりくらいの再読です。初期の小林信彦は、なかなか売れず、作品も方向性が定まりませんでしたが、初めて書いたジュブナイルの「オヨヨ島の冒険」がヒットし、NHKでドラマ化もされます。(ちなみにこのNHKのドラマはかすかに記憶していますが、かなりひどいものでした。)このオヨヨ大統領が登場する作品はシリーズ化されました。その中には、「冒険」と同じジュブナイルのものと、大人向けのものと二種類あります。「大統領の晩餐」は大人向けシリーズの中では最高傑作だと思っています。この作品の特長は、小林信彦のグルメぶりが遺憾なく発揮されていることで、小林信彦のグルメものとしては、「ドジリーヌ姫の優雅な冒険」とこれが双璧です。この作品の中で放送作家南洋一が知らないで蛙を食べて、戦争中を思い出して涙ぐむシーンがありますが、「冬の神話」を読んでいたので、初めて意味がわかりました。ちなみに表紙のイラストは、小林信彦の弟さんの小林泰彦によるものです。

アカハシハジロ

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2008年4月に、スイスのチューリッヒに行った時に、チューリッヒ湖で撮影したカモの仲間のアカハシハジロです。日本ではごく稀に冬に迷鳥としてやってくるだけで、ほとんど見ることはできません。

ソリハシシギ

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シギチの仲間のソリハシシギです。小型のシギチで名前の通り、嘴が上方に反っています。嘴以外ではキアシシギに良く似ています。干潟で昆虫や小型の甲殻類を食べます。日本に春と夏の2回渡ってきますが、あまり大きな群れで来ることはありません。

実践ビジネス英語5月号

実践ビジネス英語の5月号、今月号の後半のレッスンから、中国系という設定のサンディ・ウー登場。でこれがChinglishかというととんでもなくて、完璧な発音。主人公の上田翔太にしてからが、高校時代たった1年カリフォルニアに留学していただけで、これまた完璧な発音。この手の語学番組の欠点だと思います。実際は、アメリカにいるアジア系はちゃんとアジア系の英語をしゃべっていることがほとんどだと思います。色んな英語があるんだから、それでいいと思います。語学番組の会話は実際には存在しない会話です。

井山7冠王雑感

今回、井山裕太棋聖は7冠王を達成しましたけど、将棋の羽生さんの7冠王に比べると事情が違います。将棋は日本でほぼ完結していて、日本のタイトルを独占すればそれ以上のものはありません。囲碁もかつては日本が世界No.1でしたが、最近(2000年代になってから)は、国際棋戦では、中国・韓国の後塵を拝し、日本の棋士はほとんど勝つことができません。井山7冠王にしてからが、国際棋戦では勝率5割くらいの成績しか上げていません。つまりは7冠王といっても、所詮は日本でのローカルチャンピオンに過ぎません。賞金獲得額のランキングでいうと、井山7冠王は世界ランキング4位くらいぐらいになるようですが、とてもその地位にふさわしい勝ち方を国際棋戦ではしていません。井山7冠王は今後は世界を目指して欲しいと思います。
一方で、今後誰が井山棋聖の7冠を阻止するかですが、平成四天王みたいな人達より、今の10代、20代の若い棋士に期待したいです。具体的には一力遼七段とか、今回十段を取られてしまいましたが、伊田篤史八段とか。