「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観てきました。原作の「攻殻機動隊」はコミックもアニメも一切観ていません。映画としては、ストーリーはありがちな展開で結末が簡単に予測できる感じであまり感心しませんでした。ただ映像は楽しめて、特に香港のちょっと未来という感じが非常に良く出来ていて、怪しげな3Dホログラム広告が実に香港ぽかったです。またミラ少佐が芸者ロボットの中にダイブする場面が、子供の時良く見ていた夢の感覚に似ていて懐かしい感じがしました。後は「映画は女優で観る」(by 小林信彦)で、やはりスカーレット・ヨハンソンがとても良かったです。ビートたけしは、久しぶりに観て、かなり老けたという感じでした。
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デミアン・チャゼルの「ラ・ラ・ランド」
「ラ・ラ・ランド」観てきました。映画としては心に残るものがないし、ミュージカルとしても記憶に残る名曲が無かったですね。
そういう訳でどうでもいい「気付き」のコメント。
ヒロインのミアが乗っている車がプリウス。昔はハリウッドのセレブが競ってハイブリッドカーに乗るという時代がありましたが、この映画では明らかに、売れていない女優の卵が乗るのに丁度いい安い車という感じで使われていました。
主人公のセブはオーディオマニアでもないのに、今時レコードプレーヤーを使っていましたが、使われていたカートリッジがオーディオテクニカでした。さすがカートリッジの世界シェアNo.1です。
またセブがバンドに参加して、それが売れて雑誌が取材に来るんですが、そのカメラマンが使っているカメラがSONY製。日本だとあり得ないですね。
ギャレス・エドワーズの「ローグ・ワン」
「ローグ・ワン」を観て来ました。
前半はかなりかったるい展開でしたが、後半は楽しめました。エピソードIVでレイアはどうやってデス・スターの設計図を手に入れたのか、デス・スターがああもあっさり反乱軍の攻撃で破壊されるのは何故かという誰もが考える疑問についてきちんとつながりの良い答を出していて、その点は好感を持ちました。
ちょっと疑問だったのは、「フォースの覚醒」に続いてまたもpolitically correctなスター・ウォーズだったことで、別に女性が主人公である必然性は無かったと思います。ちなみに「フォースの覚醒」はググってみたら、やはりpolitically correctnessを批判している人は多くいました。また、変なカンフー坊主が、”May the force be with us”をお経のように唱え続けて、フォースが宗教化していたのも変でした。後、現在スイッチメーカーに勤めている身としては、マンマシン・インターフェースがあまりにも進歩していなくて原始的なのが引っかかりました。今の現実のインターフェースの方がずっと進んでいるのでは。
ビリギャル
マーティン・スコセッシの「沈黙」
マーティン・スコセッシの「沈黙」を観ました。映画にするのに非常に難しい内容だと思いますが、スコセッシはロドリゴ神父の内面の葛藤をうまく映像化していたと思います。スコセッシの解釈はロドリゴはキリスト教を捨てたのではなく、むしろ試練を経て本当の信仰を発見したということだと思いますが、これは原作の解釈と隔たってはいないと思います。スコセッシはその解釈をよりはっきりさせるために、映画の最後でちょっとした仕掛けを入れています。キリスト教の歴史を考えると、地理的な範囲が広がる度に、常に新しい解釈が生まれ、たとえばキリスト教がギリシア哲学と出会ってグノーシス主義が生まれ、それは後に異端とされる訳ですが、プロテスタントの発生もある意味似たようなことだと思います。そういう意味でロドリゴがたどり着いた新たな信仰は、一種のプロテスタント的な新しい信仰と考えてもいいのではないかと思います。
J・J・エイブラムスの「スター・ウォーズ フォースの覚醒」
ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ エピソード III/シスの復讐」
「スター・ウォーズ エピソード III/シスの復讐」を視聴。これで当初計画されていたエピソード6本はすべて視聴しました。エピソードIIでよく分からなかった話が、IIIを見て大体は理解できましたが、それでも映画を観ただけでは十分わからない部分が残りました。(例えば、サイフォ=ディアスってそもそも誰?)それよりイマイチだと思ったのが、アナキンがダークサイドに堕ちる上で、葛藤があまりなくて説得力がないことです。パメラが実際に死にそうになっているのならともかく、予知夢を見ただけであっさりダークサイドになびくのは納得できません。しかも、一回ダークサイドに堕ちると、それですぐに完全な悪の権化になって、子供たちまで虐殺してしまいます。普通はもっと善と悪との間での行きつ戻りつがあるんじゃないかと。パメラが「彼には善の心が残っている」と言っても、まったく真実味がないですし、エピソードVIで、ダース・ベイダーがルークを助けるというのの伏線としても不十分です。それで結局むしろアナキン自身のせいでパミラが死んでしまい、ダース・ベイダーとしてもショックを受ける訳ですが、その辺の葛藤はIIIとIVの間で何も描写されていません。
全体に、特撮の画面や音響は素晴らしいものがありましたが、ストーリーとしてはかなりちゃちでした。観る前はアシモフの「銀河帝国の興亡」みたいなドラマを期待していたんですが、まったく違いました。
ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃」
ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ エピソード I/ファントム・メナス」
「スター・ウォーズ エピソード I/ファントム・メナス」を視聴。このエピソードは割と楽しめました。ビームサーベルじゃなかった、ライトセーバーのチャンバラの「殺陣」が、エピソードIV、V、VIに比べるとかなり改善されたように思います。若干、カンフーぽくなってきた気もしますが…(「燃えよドラゴン」の”Don’t think, feel!”も使われていましたし…)しかし、相変わらず変な日本趣味は満載で、ダース・モールの顔はほとんど歌舞伎の隈取りだし、アミダラ女王の髪型はこれまた変な日本髪だったし…ポッド・レースは、「ベン・ハー」か「マッハGoGoGo」のパクリのように思いました。(「マッハGoGoGo」はアメリカでも”Speed Racer”の名前でテレビ放映されていて、結構人気がありました。)アナキン坊やはとても可愛かったですね。あれで将来ダークサイドに落ちるとはとても思えませんが。
リチャード・マーカンドの「スター・ウォーズ エピソードVI ジェダイの帰還」
「スター・ウォーズ エピソードVI ジェダイの帰還」を視聴。IV、V、VIと三本観てようやくどういうお話なのかが理解できました。結末はあまりにも予想通りでしたが、大衆小説的結末でまあいいかなと。どうでもいいけど帝国軍弱すぎ。精鋭を集めて待ち構えていた所でああもあっさりとやられるとは。また、初代のデススターも二代目も結局同じような攻撃で破壊されて、帝国軍に学習能力はないのかと。また、森の月のテディベアみたいな原住民の描写が何というか今時(といってもかなり前ですが)あまりにもステレオタイプな「未開民族」描写で笑ってしまいました。まあお話はわかりましたけど、良くわからないのは、アナキン・スカイウォーカーが何でフォースの暗黒面に落ちたかということで、それでI、II、IIIが作られたんだな、と理解しました。