トワイライト・ゾーンの”A Game of Pool”

トワイライト・ゾーンの”A Game of Pool”を観ました。ジェシー・カーディフはビリヤードの名人でしたが、ただ一つ、「あんたは上手いが、伝説の名人ファッツ・ブラウンには及ばない」と言われるのをいつも癪に思っていました。そして何とか一度でも、ファッツ・ブラウンと対戦して打ち負かしたいと思っていました。そんなある日、彼の願いが叶って死の世界からファッツ・ブラウンが呼び戻され、彼の前に現れます。ブラウンは対戦を承知しますが、その代わりにジェシーに命を賭けるように言います。ゲームはジェシーの大幅リードで始りましたが、途中からファッツが追い上げ、最後は4点差になりました。そして3つボールを続けてポケットに入れた後、最後の球をファッツがミスします。そしてついにジェシーが勝ちます。その瞬間ファッツは消えてしまいます。しかし喜びも束の間、ジェシーは死の世界に連れて行かれ、そして今日もどこかで挑戦者が現れるとそこへ行って勝負するということで、ファッツの代わりの役を果たすことになりました、という話です。バブルの頃、日本でもプールバーが流行りましたが、最近はどうなんでしょう。私は一度も経験がありません。

ウルトラQの「変身」

ウルトラQの「変身」を観ました。南米にしかいない筈のモルフォ蝶の鱗粉を浴びた男が、喉の渇きに耐えかねてある沼の水を飲んだら巨大化して、雪男と間違えられ…という話です。
特撮のプロの円谷には魅力的な話でしょう。石坂浩二のナレーションが「アンバランス」を連発していますので、比較的最初の方で撮影されたものだと思います。同じように巨人が登場するものとして、石川球太の「巨人獣」というのを子供の時読みましたが、おそらくウルトラQの方が先でしょうね。(今調べたら、「巨人獣」は1971年なのでやはりウルトラQのが先です。)例によって一ノ谷博士が熱原子X線という怪しげな武器で巨人を攻撃し、そのせいで巨人は元のサイズに戻ります。巨人になる人間が元々研究畑で知的だったのが野獣のようになるというジキル博士とハイド氏みたいな対象が見物でしょうか

アウター・リミッツの”Behold, Eck!”

アウター・リミッツの”Behold, Eck!”を観ました。ある風変わりな研究一筋の光学の技術者の事務所がある日襲われます。同様に4人の家が襲われましたが、その共通点はその技術者が隕石ガラスで作った眼鏡を使っていたということです。実はその眼鏡をかけると2次元世界からこの世界に紛れ込んできたエックという生き物を見ることが出来ました。エックは最初自分が襲われると思って、眼鏡を持った人を襲っていました。しかしエックは光学技術者に殺意が無いことを悟り、彼がやって来るときに眼に障害を受けて見えなくなり、彼がやって来た次元の裂け目を見つけることが出来ないと言います。もしその裂け目を放置すると、飛行機や鳥がその中に落ちこみ、それが大爆発して世界の終わりとなります。エックだけが元の世界に戻る時にその裂け目を閉じることが出来ます。光学技術者はエックに特殊な眼鏡を作ることを約束します。しかし時間は夜明けまでの8時間しかありません。それなのに光学技術者の兄や警察がやって来て、火でエックを始末しようとします。エックはしかし上手く誤魔化し、技術者は作ったレンズを渡します。それによってエックが無事に元の世界に戻った、という、ちょっと不思議な異世界の生き物と、浮世離れした工学技術者の間の友情のようなお話でした。その技術者の形容が、”absent-minded”で映画の「フラヴァー」(原題:Absent-minded Professor)を思い出しました。

トワイライト・ゾーンの”The Passersby”

トワイライト・ゾーンの”The Passersby”を観ました。時は1865年で丁度南北戦争が終ったばかりの時です。ある田舎の一本の舗装されていない道を、多くの傷ついた兵士が歩いて行きます。ある松葉杖を突いて歩いていた軍曹が、たまたま道ばたに古い家と婦人を見かけ、水を乞います。その婦人ラヴィニアは、ジャッドという夫が戦争から戻るのを待ち続けていました。軍曹はしばらくその婦人と一緒に暮します。ある時、ジャッドの友人だった兵士が通りますが、その友人は頭に銃弾を受けて死んだ筈で、その証拠にその兵士の帽子は血だらけでした。ある日、今度は北軍の軍医が通りかかりますが、その人は戦場で傷ついた軍曹を救ってくれた人でした。しかし婦人は夫の敵としてショットガンで撃ちますが、その軍医も軍曹を治療した後、爆弾の破片を頭部に受けて死んだ筈で、その証拠に顔は傷だらけで眼は見えなくなっていました。そしてついに夫のジャッドがある日通りかかります。しかししばしラヴィニアと再会を祝した後、ジャッドは行こうとし、更にラヴィニアももう死んでいるのだ、と説明します。最後に一人の紳士が道を歩いて来ますが、それはエイブラハム・リンカーンその人でした。戦争終了後、暗殺されたリンカーンが、その道を行く最後の一人でした。ラヴィニアはリンカーンに促され、ジャッドを追って死の道を駆けて行きます…
というとても何と言うか暗い話で、南北戦争が今でもアメリカ人にとって一種のトラウマなんだなというのが分りました。

ウルトラQの「宇宙指令M774」

ウルトラQの「宇宙指令M774」を観ました。エイそのものの怪獣ボスタングがキール星人の侵略用として地球に送り込まれます。
それをルパート星人のゼミという女性が地球人に警告するけど、地球人がなかなかそれを信じないという話です。それだけものものしく警告された割りには、今となっては時代遅れのF86セイバーのミサイルであっさりとやられます。
最後にゼミが、昔から地球を気に入って住み着いている宇宙人が沢山います、としゃべってちょっとした不気味感を出しています。
なお、海上保安庁(?)の巡視船の船長役で藤田進(戦争中の戦争映画に数多く出ている人、また黒澤明の「姿三四郎」で三四郎を演じた人)が出ています。藤田はウルトラセブンでも地球防衛軍の長官として登場し、軍人役が得意です。

アウター・リミッツの”Cold Hands, Warm Heart”

アウター・リミッツの”Cold Hands, Warm Heart”を観ました。主演がスター・トレックのカーク船長役で有名なウィリアム・シャトナーです。そのシャトナーが演じる宇宙飛行士のジェフ・バートンは、金星の軌道周回飛行を見事に成功させて、地球に戻り英雄になります。しかし奥さんのアンは、ジェフが突然気を失ったり、熱湯に近い熱さのコーヒーを一気飲みして平気だったり、夏なのに締め切って暖房を強にしたりという異変を見るようになります。またジェフは金星周回中に8分間地球と通信が途絶えていますが、その時に金星の大気中に植物が進化したような奇怪なエイリアンを見ており、それが夢に現れてジェフを苦しめます。ジェフの熱さに対する渇望はどんどん強くなり、ついには150℃のサウナの中に長時間いて平気だったり、または暖炉の側で火を強く焚いて、自分の腕に火が燃え移っても平気だったりします。そしてジェフの手は水掻きが出来、表面が変異し始めます。医者が血液を調べたら、それはもう人間のものでも地球上のどの生物のものでもないものになりつつありました。ジェフはヴァルカン計画という火星探査の計画の発案者で、議会から予算への承認をもらおうとしていました。宇宙ステーションの医者達は、ジェフを宇宙飛行士訓練用の高温に維持可能なカプセルに入れ、鎮静剤を多量に打って、何とかジェフの変異を止めようとします。中で悪夢をまた見て苦しむジェフをアンが必死に励まし、ついに朝が来てジェフは回復します。それで議会への説明会に無事出席出来、予算も取れてハッピーエンド、という話でした。ジェフの変異はおそらく金星のエイリアンの遺伝子がジェフの身体に入ったとかなんでしょうが、今一つ説明不足で分りにくいエピソードでした。でもウィリアム・シャトナーがたっぷり観られたので良かったです。

トワイライト・ゾーンの”The Shelter”

トワイライト・ゾーンの”The Shelter”を観ました。ニューヨークの近くの町で医者をやっているビルが近所の人達に誕生日を祝ってもらっています。しかし集まった人達は、ビルが医者として皆の健康を守ってくれていることを褒め称えながら、ビルが夜中にこつこつシェルターを作っていることを嘲笑します。しかし突然ラジオの臨時ニュースが入り、大統領からニューヨーク近郊に正体不明の飛行物体(UFO)が飛来中で、核ミサイルの可能性もあるので、近郊の人は地下室またはシェルターに入るように、という命令が出ます。ビルは今こそシェルターが役に立つと、奥さんと子供の3人をシェルターに入れ、2週間分の水と食料や本を持ってきて、鍵をかけて立て籠もります。そこに次々に先ほどのバースデー・パーティーに出席していた人が家族を連れてやって来て、自分の家には地下室もシェルターも無いので、ビルのシェルターに入れてくれるよう懇願します。しかしビルのシェルターは定員3人であり、それ以上の人間が入ると酸素も不足しますし、スペースも無い、とビルは全ての懇願を拒絶します。するとパニックを起している複数の家族達は、どこからか鉄の太い棒を持ってきて、ビルのシェルターのドアをその鉄棒で破ろうとします。ついにドアがこじ開けられた時、また臨時ニュースが入り、先ほどのUFO飛来は人工衛星であり、危険は去った、と言います。人々は我に返って命が無事だったのを喜びますが、ビルに対して壊した分は弁償する、と言います。しかしビルは「本物の爆弾が爆発する前に人々の心が爆発した」と言ってそれを拒絶します…
まあ核戦争の危機が叫ばれていた1960年代半ばならではの話です。またビルのシェルターはノアの箱舟のイメージも重ねられているようです。

ウルトラQの「海底原人ラゴン」

ウルトラQの「海底原人ラゴン」を観ました。このラゴンも中々の造形で、似ている芸能人とか力士とかいそうです。とりあえず私は何故か囲碁棋士の林漢傑さんを連想しました。「原子力潜水艦シービュー号」にも半魚人が出てきますが、こちらの方がいいですね。
ラゴンもいいですが、日本が沈没する、と主張してキチガイ扱いされる博士が出てきて、小松左京の日本沈没の先駆けです。お話としては、卵を漁師に持って行かれてしまった母親ラゴンが子供を取り戻しにくるというある意味ほのぼのものです。なお、このラゴンはウルトラマンでも、原爆の放射能で巨大化したものが出てきて、ウルトラマンをかなり苦しめます。

アウター・リミッツの”Soldier”

アウター・リミッツの”Soldier”を観ました。今日からシーズン2です。シーズン2はブルーレイが入手出来ずDVDですが、画質は問題無いものの音が悪く、また字幕にギザギザがあって汚いです。
まあそれは置いておいて、プロデューサーが変わったせいか、なかなか見応えのある秀作でした。1800年後の地球では、2つの勢力に分れて戦争が続いていました。そこで戦っているのは親も知らず培養器から産まれ、ただ戦うために訓練された「兵士」です。2人の兵士がお互いを殺そうと戦っている時に、レーザーのような光に打たれた2人は、タイムトンネルの時空を彷徨う感じでどこかへ飛ばされます。その一方のクアロは1964年にアメリカに移動し、敵の方は時空の狭間にはまって動けなくなります。クアロはその武器で一人の新聞売りを殺したため、パトカーがやって来ますが、クアロの銃はパトカーを簡単に消滅させてしまいます。しかし結局クアロは銃で撃たれてヘルメットを飛ばされると、その時代のノイズに耐えきれず気絶し捕らえられます。クアロは言語学者のトムによって調べられ、その言葉が分析されます。それは驚くべきことに英語でした。トムは何とかクアロと親しくなろうとし、敵ではないことを教えます。そしてついにトムはクアロをしばらく自分の家で暮させることにします。クアロはトムの家族に心を開きかけたかと思いましたが、ある日銃砲店に押し入ってライフルを強奪します。しかしトムは諦めずに説得し、クアロを再び彼の家に連れて行き、ライフルを手放させます。その時トムの奥さんが電話を細工して政府の人間に連絡していたことをクアロは悟り激高しますが、まさにその瞬間、クアロの本来の敵が時の狭間から解放されて、クアロを殺そうとやって来て、もみ合いになります。クアロはただ兵士の本能からか、あるいはもしかしたらトムの家族を守ろうとしてか、相撃ちになり二人とも消滅してしまいます…
という感じでなかなか緊迫感のある飽きない55分間でした。シーズン2はちょっと期待します。

トワイライト・ゾーンの”The Arrival”

トワイライト・ゾーンの”The Arrival”を観ました。バッファローからある空港に到着したばかりの107便、機体はDC-3です。(注:このエピソードの放映当時、既にかなり古い機種でロカール線の一部で使われていただけというのが伏線になっています。DC-3が活躍したのは1940-50年代です。)機体は誘導に従い、所定の停止位置にピタリと止まります。係員がドアを開けるように叩いても何の返事もなく、また貨物室には荷物はまったくありませんでした。しかも機内に入ってみると、そこには乗客の姿もパイロットの姿もありませんでした。パイロット無しで、この機体が停止位置にピタリと止まる、ということはあり得ません。ある者が乗客はパラシュートで脱出したのでは、という仮説を出しますが、パイロットの説明がつきません。連邦航空局から、グラント・シェックリーという男が調査にやって来ます。グラントは20年の経験があるベテランで、これまで全ての航空事故の原因を究明して来たことを誇りに思っていました。グラントが機体を調査していると、ある者はシートの色が青だと言い、別のものは赤や茶だったと言います。更に尾翼の機体番号もそれを見る人によって違うことが判明します。グラントはそこから、この機体は幻想であり、実在しない、という仮説を立てます。それを実証するため、機体は地下格納庫に運び込まれ、そこでエンジンがかけられます。プロペラは回り出し、しかしグラントは幻想説を実証するため、自分の手を回っているプロペラに突っ込もうとし、その瞬間パイロットごと機体が消えます。それだけでなく、グラントの回りにいた空港の責任者と関係者も消えてしまいます。空港の事務所に戻ったグラントはそこに消えた人達を発見しますが、彼らは人が乗っていない107便など知らないと言い、107便が無事に到着した証拠としてその便で来た女優が空港に降り立つシーンの写真を載せた新聞を見せます。その内空港の責任者が、17~18年前に飛行中に消えて行方不明になり、そのままどこへ行ったか分らなかった107便があったことを思い出します。実はその事故の調査を担当したのがグラントであり、彼はその記憶を自分の唯一の失敗として脳からある意味無意識の内消していました。それで幻想を見た、というのがオチですが、「さまよえるオランダ人」の飛行機版でもあります。
この自分は確かに何かを見たのに、他の誰もそれを見ておらず、狂人扱いされる、というのがトワイライト・ゾーンにも何話かありますが、ある意味典型的悪夢のパターンですね。