本日の落語、三遊亭圓生の「派手彦」です。
圓生以外は演らない珍しい話で、確かに検索してみても圓生以外は出てきませんでした。
松浦佐用姫という伝説があって、Wikipediaによると、「537年、新羅に出征するためこの地を訪れた大伴狭手彦と佐用姫は恋仲となったが、ついに出征のため別れる日が訪れた。佐用姫は鏡山の頂上から領巾(ひれ)を振りながら舟を見送っていたが、別離に耐えられなくなり舟を追って呼子まで行き、加部島で七日七晩泣きはらした末に石になってしまった。」となります。「派手彦」はこの話をベースにして落語に仕立てたものです。もっとも男女は入れ替えられていて、「大伴狭手彦」にあたるのは、踊りの師匠の板東お彦=派手彦。「松浦佐用姫」にあたるのが、酒屋の松浦屋の左兵衛。左兵衛が派手彦に恋煩いして、めでたくこの二人は夫婦になります。二人は仲睦まじく暮らしていましたが、ある時木更津でお祭りがあって派手彦も呼ばれて踊ることになり、小網町から船に乗りますが、これを見送った左兵衛が固まって石のようになってしまいます。「女房孝行(香香=漬け物)で、重石になった」というオチです。