フェザー プロフェッショナル アーティストクラブSS レザー ブラック

これは、「フェザー プロフェッショナル アーティストクラブSS レザー ブラック + プロガード PG-15 15枚入り セット」です。いわゆる現在の理髪店で使われている、通称Shavette(これは元々Dovoの商標みたいです)と呼ばれる替刃式のストレートレザーです。海外のサイトでお勧めのストレートレザーのリストを見ると、必ずこれが上位に入っているので興味が湧いて買ってみました。ちなみに刃にはいわゆる「すべらなーい」の横滑り防止がついています。なので刃を爪に当てても当たりません。
実際に使ってみた感想ですが、基本的には良く剃れて問題はないです。両刃の安全剃刀よりも良く剃れます。ただ、普通のストレートレザーは肌に対して30°くらいの角度で剃りますが、このレザーは刃が固定部から少し顔を出している構造なので、もう少し立てないと刃がうまく肌に当たらない感じです。35~40°ぐらいの感じでしょうか。また、フルハローのストレートレザーでは、剃る時の音が気持ちいいですが、このレザーはしっかり固定されているので音は出ず、その点では楽しくはなく、ベタ刃のストレートレザーの剃り味に似ています。それから、下唇の下の顎部を剃るのは、皮膚をうまく引っ張って剃らないとストレートレザーでは肌を切りやすい箇所ですが、このレザーではあんまり気にしないで剃って肌を切ることもなく綺麗に剃れました。ただ、鼻と上唇の間の部分は、このレザーでも難所であり、一応綺麗には剃れましたが、深剃りしたらちょっと血が滲んでしまいました。この点はストレートレザーと大きな差はありません。後は使い捨てなので、コストの問題さえ無ければ(このプロガードの刃は1枚70~80円ぐらいです。理髪店では衛生管理の理由で使い捨てでしょうが、同じ人が使う分には普通の安全剃刀と同じで最低でも5~6回は使えると思います。)、革砥で磨いたりクリーニングしたりする手間がないのは優れていますが、個人で使っている分にはその辺もまあ楽しみの一つなので、大きなメリットではありません。トータルの感想としては、さすがにプロが使う道具だけあって、出来としては優等生的だと思います。ただ、問題点は刃を挿入するのは比較的簡単ですが、取り出すのがどうやればいいのかちょっと分からず、結局ラジオペンチではさんで引っ張り出しました。

1,300円中華製革砥→買ってはいけない(剃刀用)


Amazonで「革砥」で検索すると、平均1,300円くらいの安い革砥が5~6種類出てきます。それらの質がどうなのか、2種類ほど試しに買ってみました。
結論:剃刀用としては、表面が粗すぎて使い物になりません。ナイフや包丁用なら使えないことはないと思いますが、そちらの用途でも幅が狭い上に短いので非常に使いにくいと思います。買うことをお勧めしません。革砥は何の革かということだけでなく、どのように表面が処理されているかが非常に重要です。剃刀を当てて滑らかに滑らないものは、革砥としては使い物になりません。

写真は上から順にコードバン-ブライドルレザー-牛革(Dovo)ー牛革(着色)(アメリカ製)-中華革砥A-中華革砥Bです。この順番に質が段々下がっていきます。
中華Aはスウェードみたいな起毛タイプ、Bは普通の皮ですが、かなり表面がゴワゴワしており、こんなので剃刀をストロッピングすれば、たちまち刃先を痛めると思います。4番目のアメリカ製は本体だけなら3,500円くらいで、安くてもこの辺りが限界と思います。

ちなみに、剃刀用革砥については、ここに写っている以外に、後カンガルー革、ラティーゴ、水牛革、そして人工皮革のものを海外サイト他で注文済みで到着待ち。

ブライドルレザーの革砥

アメリカの、Ezra Arthurという皮革商品の会社で、ブライドルレザーの革砥を買いました。一般的に牛革の革砥は2,000~4,000円くらいですが、これは10,000円ぐらいします。(送料別)原料のブライドルレザーは牛革の中の高級な革で、昔から馬具に使われます。牛革にロウを塗り込めて繊維を硬く引き締めています。コードバンと比べると、艶としては控えめですが、全体が非常にしっかりしていて、使用時にあまり強く引っ張らなくとも平面性がかなり保たれる感じです。コードバンでのストロッピングはカミソリがちょっと吸い付くような感じがありますが、ブライドルレザーでのストロッピングも、コードバンのよりもちょっと抵抗が多いような感じですが、同様に吸い付く感じがあります。後は耐久性がどうか、ですがこれは使い込んでみないと分かりません。ブライドルレザーは、コードバンが一層だけなのに比べると、表層の革と内部の革がはっきり別れています。いずれにせよ、はっきり言えるのは、コードバンだけが革砥であるなどという考えは間違いだと言うことです。叶山のコードバンの革砥は素晴らしいですが、それが唯一のものではありません。
なお、リネン製と思われる布砥が付属します。叶山の布砥よりも薄いです。

砥石と革砥の棚卸し

現時点(2019年5月13日)の手持ちの砥石と革砥の棚卸し。腕はともかく砥石の取り揃えだけは専門の研ぎ屋並み。名倉系と面直しを除いて57種67本。

荒砥(18)
朝日虎 金剛砥石 荒砥 C No.100 角1丁掛 #120
シャプトン セラミック砥石 M5 (台付)#120 荒砥
スエヒロ GCK-3 #180
青エビ印GC角三丁掛けHK-1360細目#220
包丁どっとこむ砥石 荒砥石「あらと君」(小型、#220)
GC角朝日虎印 荒砥石 No.16(#240)中研ぎ用 ATI-63 2個
シャプトン 刃の黒幕 ブルーブラック 荒砥 #320
エビ印 本職超セラミックス砥石 台付 #400 SS-400
超セラミックス砥石 台付(修正用砥石付) #600 荒砥(ブルー)
ほんまもん セラミック 砥石 ハイス#600 最上級 京東山 荒砥石 粉末ハイス包丁用
今西製砥 BESTER(ベスター) 超高級セラミック中砥 ♯700
(天然砥)ナニワ エビ印 研ぎ器 ニュー大村砥 高級鎌砥石 荒砥ぎ用 IR-1000 3個
(天然砥)ナニワ エビ印 研ぎ器 ニュー大村砥 高級刃物用砥石 荒砥ぎ用 IR-1100 3個

中砥(26)
ナニワ 剛研デラックス砥石 #800 QA-0310
キングトイシ ネオ ST-1 ステンレス刃物専用 中仕上用 粒度#800
キングデラックス 研ぎ器 高級刃物用砥石 標準型 #1000 中仕上用 No.1000
KING キングハイパー砥石 #1000(中仕上用) 硬度(標準)x 2
KING キングハイパー砥石 #1000(中仕上用) 硬度(軟質)
ナニワ エビ 超セラミック砥石 台付 #1000
田中砥石 ニューケント #1000 軟口 中砥
田中砥石 ニューケント #1000 硬口 中砥
ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-7510#1000
今西製砥 BESTER(ベスター) 超高級セラミック中砥 ♯1000
包丁どっとこむ砥石 中砥石(台付き) 「こだわりの中砥石」#1000
ナニワ 剛研デラックス砥石 #1200 QA-0312
シャプトン セラミック砥石 M5 (台付)#1500 中砥 ブルー アルミナ 水酸化アルミニウム
末広 NEW CERAX CR-1503-W 砥石 #1500(WA) SUEHIRO セラックス
包丁どっとこむ 中砥石「赤門前」#2000
シャプトン 刃の黒幕 グリーン 中砥 #2000
キングハイパー2000 粒度2000
330mateさゞれ銘砥 WA #2000 天然繋ぎレジノイド砥石
ホワイト細名倉(刀剣用)
(天然砥)亀印 天然砥石 雲仙砥 15切 (中砥)
(天然砥)天草砥石 包丁用 10型
(天然砥)天然砥石 備水砥石 大型 12切 2個
(天然砥)中名倉
(天然砥)改正名倉砥

仕上げ砥(23)
#3000 ビトリファイド一般仕上げ砥石
ナニワ 化学砥石 #4000
ナニワ研磨 日本製 堺伝 和砥石 20mm厚 粒度:4000(仕上げ研ぎ用)
ナニワ(NANIWA) 本職用砥石 剛研 輝(かがやき) #5000
大谷砥石 仕上砥石「嵐山」 #6000
キング 研ぎ器 刃物超仕上用砥石 台付 #6000 最終超仕上用 S-1
キングゴールド 研ぎ器 刃物超仕上用砥石 台付 #8000 最終超仕上用 G-1
エビ印 スーパー砥石 台付 S10000 20mm
ナニワ(NANIWA) 本職用砥石 剛研 輝(かがやき) #12000
(天然砥)天然 青砥石 包丁砥ぎ 家庭用砥石 研ぎ器 (#4000) Pipig
(天然砥)土佐壺屋 天然青砥石
(天然砥)[北斗切] 北斗 天然砥石 仕上砥 若狭 戸前 水浅葱
(天然砥)[北斗切] 北斗 天然砥石 仕上砥 奥殿 戸前 淡梨
(天然砥)サイコム 大平巣板れんげ コッパ
(天然砥)砥取家 卵色巣板巣なし
(天然砥)北斗切  仕上砥 大平 内曇 からす系
(天然砥)鳴滝コッパ
(天然砥)内曇砥
(天然砥)内曇砥
(天然砥)水木原合砥 内曇 厚板
(天然砥)【本鳴瀧】極上一本撰 六型
(天然砥)若狭田村山大上
(天然砥)純三河 白名倉 刀剣用 コマ
(天然砥)亀印 天然合砥石(正本山合砥) 100型

名倉(4)
スエヒロ 名倉砥石#5000(砥汁出し・研磨用)
KING キング 名倉砥石 名倉修正砥石
(天然砥)天然砥石 純三河白名倉砥石 目白
(天然砥)包丁どっとこむ砥石「対馬砥石」

面直し用(11)
黒海老 面直し砥石 粒度#24 砥材C KT111 包丁 研ぎ
ナニワ 面直し用砥石(溝入) QA-0160
末広 中/仕上げ砥石用 修正砥石 WA280 802-W
ツボ万 アトマエコノミー本体 極細目 ATM75-12E
ツボ万 アトマエコノミー本体 中目 ATM75-4E 3個
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 細目:ATM75-6C(12669) 2枚
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 中目:ATM75-4C(12666)
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 荒目:ATM75-1.4C

叶山の#30000の革砥

クラシックシェービングも病膏肓で、ついに革砥で叶山革砥製作所の#30000のものを入手。これまで使っていたのは同じ叶山の#5600です。でこの番手が増えれば砥石みたいに仕上げ用という意味ではなく、革の厚さが大きければ番号が増え価格が上がります。厚みが大きいということは、それだけ長持ちするということです。ちなみに製造元の情報では、番号が上がるとむしろ革のコラーゲン繊維の緻密さは落ちていくとのことです。なので番号が多い=価格が高い=高級、という意味ではないです。
また、#5600ではコードバン革砥と布砥(帆布)のセットでしたが、#30000では更に牛革の革砥がもう1枚追加になっています。布砥-牛革砥ーコードバン砥で、荒砥-中砥-仕上げ砥という感じらしいですが、革砥には元々砥石と同じレベルでの研磨力はありません。
なので3つも必要ないのですが、お客である理容師から砥石からの連想で3種類要望されたので作ったみたいです。「革砥と言えばコードバンだ」みたいなことを主張する人がいますが、実際にはコードバンの革砥で一番有名な叶山革砥製作所ですら、牛革の革砥も作っている訳です。(昔は牛革ではなく馬の背中の革を使っていたみたいです。コードバンは農耕馬のお尻の革です。最近農耕馬は減少の一途であり、良質のコードバンの入手は非常に難しくなっているようです。)

Wikipedia編集情報

Wikipediaの砥石の項の「分類」の所を丸々追加しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%A5%E7%9F%B3#%E5%88%86%E9%A1%9E

また、「革砥」の項、ほんの数行しかありませんでしたが、全面的に書き直しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A9%E7%A0%A5
こちらは各国語のページの中で、一番情報量が多いです。

現時点の剃刀コレクション

今年の1月5日に岩崎の日本剃刀を購入してから、にわかシェービングマニアと化し、今日届いたThiers-issardのHalf Hollowで西洋剃刀が10本丁度になりました。一応これで打ち止めにしたいと思います。毎日とっかえひっかえしてもまあこれからの一生楽しめると思います。まあ剃刀の研ぎ方、ストロッピングのコツも少しずつ分かってきたように思います。
ちなみに、Full Hollowが3本(Dovo、Thiers-issard、Böker)、Half Hollowが4本(Dovo、Thiers-issard、GBS、Giesen&Forsthoff)、1/4 Hollowが1本(Salamander)、ほぼWedge(ベタ)がJ.A. HellbergとNTCです。

Thiers-issardのLe Dandy(Half Hollow)

ebayで2月24日に購入した、2本目のThiers-issardが今日(3月14日)やっと到着。これもhollowについて書いてなかったんで当然Full hollowだと思ってみたら、またも1/2 hollowでした。これは”Le Dandy”という多分Thiers-issardでも主力商品の筈で、とすると、Full hollowが各メーカーの主力というのは、たまたま最初に買ったDovoとThiers-issardのがそうだっただけで、実は1/2の方が多いんでしょうか。
それで1/2 hollowは中途半端で剃りにくいと書いてきましたが、このThiers-issardのは1/2でもジョリジョリ音がそれなりに快く響きますし、また刃の硬さもあるように思います。なのでまず剃ってみたら剃り残しがなく綺麗に剃れましたが、若干いつもよりも深めに皮膚を切ってしまいました。Hollowによる刃の厚みに合わせて、剃る力も加減しなければならないんだと思いますが、まだまだその辺りが未熟です。

両刃剃刀を試してみる

シェービングマニアと化した一つの帰結として、これも買ってみました。ドイツのメルクーア製です。私の親父はずっとこのタイプを使っていたので、私も多少は使ったことがあります。調べてみたら、2枚刃が出たのが1971年、それからずっと2枚刃の時代が続きますが、特許が切れて互換カートリッジメーカーが出てきて価格が低下した結果、1998年に3枚刃が登場します。その後はご存知の通りの泥試合で、今は韓国メーカーので6枚刃・7枚刃まであります。
このT字型を今さら買ってみたのは、はたして本当に多枚刃が必要なのかを再確認したかったからです。おそらく2枚刃は1枚刃よりも良く剃れるのでしょう。しかしそれ以上の刃のカミソリは、デメリットも出てきます。つまり高さが出てきて鼻の下の髭が剃りにくくなりますし、狭い間隔で刃を並べるので剃った髭が詰まる可能性があります。それになにより、皆様良くご存知の通り、多枚刃は高い!フェザーの両刃の替え刃は一枚40円くらいですが、5枚刃は300円以上します。おそらく、両刃と5枚刃の間にそれほどの剃り味の差は無いと思っています。それを確かめてみます。
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早速お風呂で使ってみました。ストレートレザーだと1回で剃れる所が、刃渡りが短いのと刃の飛び出しも少ないせいで、何回も剃らないといけません。しかも完全に綺麗に剃れないで所々剃り残しが出る感じです。鼻と上唇の間については、ストレートレザーよりは簡単に剃れました。しかし最後に少しだけ残った所を何とかツルツルにしようとしましたが駄目でした。結局ストレートレザーで剃り直すことになりました。多枚刃と比べたら、多枚刃でも剃り残しは出るんで、まあその辺は同じかなと。結論としては、使い続ける気にはなりませんでした。

Giesen & ForsthoffのHalf Hollowの西洋剃刀

9本目の西洋剃刀である、Giesen & Forsthoffのが日本のAmazonより到着。Hollowについて何も書いてなかったので、当然Full Hollowだと思っていたら、実際にはHalf Hollowでした。(どうも日本で西洋剃刀を売っている店は、西洋剃刀についての専門知識を持っていない店が散見されます。ヤフオクも同じです。)ただDovoのHalf Hollowと比べると、一番厚みのある部分の厚みが若干薄いです。柄はプラスチックで安っぽいです。しかし値段はDovoより高いです。パッケージ見る限りでは、シェービングマニア向けというよりは理髪店向けなのかな、という感じです。しかし理髪店向けなら、使用後紫外線殺菌とかをかけるんじゃないかと思いますが、その際にプラスチックの柄だとすぐ駄目になるんじゃないかと思います。
剃り味はDovoのHalf Hollowと同じで、Full Hollowの軽快さもなく、Wedgeの重厚さもなく、どっちつかずの中途半端さが感じされます。剃り残しはなくきれいに剃れましたが、使っていてあんまり楽しさがないです。ちなみにDovoと同じゾーリンゲンのメーカーで、1920年にGiesenさんとForsthoffさんにより作られた老舗みたいです。ちなみにペラの解説書みたいなのがついていて、4カ国語でストロッピングの仕方について書いてあります。今時ストレートレザーを買う人がそういうの知らないとは思えないんですけど。