読売新聞社の「第二十一期 棋聖決定七番勝負 激闘譜 棋聖趙治勲 九段小林覚」を読了。二人の三年越しの棋聖戦での対決の最後の年。1年目は小林覚が勝利して棋聖位をもぎ取り、2年目にすかさず趙治勲がタイトルを奪い返し、決着の3年目。この棋聖戦が始まる直前までの二人の対戦成績は小林覚から見て18勝19敗とほぼ互角でした。しかしながら、第1、2局と趙が連勝し、小林が第3局で一矢報いたものの、第4、5局とまた趙が連勝し、ある意味あっけなく趙の防衛が決まりました。最終局は小林にとっては惜しい一戦で、ヨセに入るまで白の小林がリードを保っていましたが、左下隅へのハネツギにかけついだのが一路違っていたためにその後黒からの先手のヨセを喰い、折角の好局を逆転されてしまいました。趙治勲名誉名人はこの前年、二度目の大三冠を達成しており絶好調でした。小林覚は敗れたとはいえ、全盛期の趙治勲名誉名人に互角に近い所まで戦ったということで、十分評価される内容だと思います。小林覚九段は、2007年の第31期棋聖戦でも挑戦者として登場しますが、この時も棋聖位は奪取ならず、今の所棋聖位は1期だけに終わっています。
読売新聞社の「第二十一期 棋聖決定七番勝負 激闘譜 棋聖趙治勲 九段小林覚」
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