読売新聞社の「第十九期棋聖決定七番勝負 激闘譜」を読了。趙治勲棋聖に、小林覚が挑戦したもの。実はこの19期、20期、30期はこの2人の3年連続の対決になります。囲碁の7大タイトルでの3年連続同一カードは、以前紹介した本因坊戦での趙治勲対小林光一、そしてこの棋聖戦での趙治勲対小林覚、天元戦での河野臨対山下敬吾、そして再び棋聖戦でつい最近の井山裕太対山下敬吾というのがあります。
小林覚はこの時棋聖初挑戦で、4勝2敗で見事に趙治勲から棋聖を奪取します。趙治勲名誉名人がそれまで戦ってきた同じ木谷一門の棋士は、大竹英雄、加藤正夫、武宮正樹、小林光一などすべて年上でした。しかしながらこの時初めて、同じ木谷一門の棋士で3歳年下の挑戦者を迎えます。これでやりにくかったのか、趙治勲名誉名人らしい粘りがなく、1日目で投了せざるを得ない見損じをしたり、またシチョウを見落としたりして、特に秒読みになった時の正確さが無くなったと言われました。大して小林覚は読みがさえ、2勝2敗の後、あっさり連勝して、大タイトルを手にします。
読売新聞社の「第十九期棋聖決定七番勝負 激闘譜 趙治勲棋聖 小林覚9段」
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