白井喬二の「外伝西遊記」の連載第25回を読了。「大法輪」の昭和52年1月号です。昭和52年というと私が高校に入学した年で、改めて白井喬二の創作活動の長さに感心します。
この連載もかなり終わりに近づいていて、三蔵法師一行はかなり天竺の近くに来ていますが、まだまだ苦難が待ち受けています。この回ではすべてが逆の鏡国をやっとの思いで抜けてきたら、今度は僧侶を取って食うという化け物の国である滅法食肋三昧国に迷い込みます。ここで悟空は一行6人(通常の西遊記の一行に、この物語では吾呂という少年が加わっています)を蝶に変えて、呑亀大王の館に乗り込もうとします。この「外伝西遊記」がオリジナルと違う点は、吾呂という少年が語り部のように加わっているという点以外に、悟空が使う仙術について白井喬二がかなり創作しているということが言えます。このことは「忍術己雷也」以来の白井の得意技です。この回の蝶に化ける術も白井の創作だと思います。
白井喬二の「外伝西遊記」(2)
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