日本ラジオ博物館再訪

結局今日は松本に行って日本ラジオ博物館を再度訪ね、岡部館長に濃い話を2時間以上も伺い有益でした。(ちなみに前回の時とは場所が変わっています。)そして今回は岡部さんがアキュフェーズにお勤めとのことでそちらの話も色々とお聞きしました。アキュフェーズは真空管アンプをやらないんですか、と聞いたら、創業社長の春日二郎氏(元トリオ社長)がとにかく新しいことが好きで過去のことを振り返るのが嫌いだったということです。それで日本で最初のトランジスターのオーディオアンプをトリオが出したのですが、その時にこれからは半導体で行くということで、社内にあった真空管の在庫を全て処分させたそうです。逆にD級アンプ(デジタルアンプ)はやらないんですか、と聞いたら、既にAVアンプで実績があるそうです。しかしD級アンプで本当にいい音を出そうとすると非常に大がかりになるので今はやっていないとのことでした。

P.S.トリオが最初のトランジスターだけによるアンプTW-30を発売したのは1962年です。この時点で真空管を捨てて全て半導体で行く決断をしたというのはすごいと思います。

奥飛騨平湯温泉

奥飛騨温泉の平湯に来ています。本当は昨年のゴールデンウィークに来る筈がパンデミックで中止になり、やっと実現したもの。ちなみに昨日が2回目のワクチン接種から2週間目でした。予想通り高速は空いていましたが、宿はほどほど混んでいます。しかし宿の露天風呂は最高でした。この時期にこれだけの宿が予約出来るのはパンデミックのおかげでもあります。ちなみに行きも帰りも車を一人で運転しますので、感染の危険性は非常に低いです。

アン・バンクロフトの映画「卒業」

アン・バンクロフトの映画「卒業」を今さらながらに初めて観ました。観た理由ですが、サイモン&ガーファンクルの名曲「ミセス・ロビンソン」がどうもずっと思っていた歌詞の内容とは違うんではないかということを確かめたかったためです。まずミセス・ロビンソンは、この映画の主人公ベン(ダスティン・ホフマン)を誘惑し不倫を重ねる身持ちの悪い女性です。歌詞の内容はミセス・ロビンソンを褒め称えるようで、実は皮肉っているのが真相のようです。ただ、映画版の同曲はシングルカットされたのとアレンジが違い、歌い方にも皮肉る調子があり、また歌詞も少し違うようです。どうもシングルカットされる時に一般に受ける内容に変えたのではないかと思います。それから「サウンド・オブ・サイレンス」については「え、ここで使うの?」という感じで違和感がありました。逆に「スカボローフェア」については実にピッタリのシーンで登場します。何故かというと「スカボローフェア」は元々イギリスのバラードで、妖精の男性に結婚を迫る若い女性に対し、妖精が絶対に不可能なことを出来たら結婚すると言い、若い女性が負けず「じゃあこれをまずそちらが出来たら私もそれをやる」と不可能なことを要求し返す、という内容に基づいているからです。(「スカボローフェア」では、「針と糸を使わず縫い目が無いシャツを作ってくれ」「潮の満ち引きする間の砂地に家を建ててくれ」といったことが要求されます。)
また面白いのは、音楽でサイモン&ガーファンクル以外にデイブ・グルーシンが参加していることです。私はデイヴ・グルーシンは中本マリの「アフロディーテの祈り」で知りました。
映画の内容は非常に有名なのでコメントは省略します。

シャルランのLP

中野英男さんの「音楽 オーディオ 人々」という本の中に、トリオが日本で販売していたシャルランレーベルの話が出てきます。それを読んで「あれ、シャルランって持ってなかったっけ」と思いました。しかしその時は確かめていませんでした。今回、5月から3ヵ月かけて例のクリーニングマシンで手持ちのLPレコード約1,000枚を洗いました。それで棚卸しも出来て、シャルランのLP3枚を確かに所有していたことが確認出来ました。ORTF四重奏団のフォーレの室内楽です。現在このLP3枚はCD2枚組で復刻されています。今何十年かぶりに聴いていますが、うーん、高音質という感じはあまりしないですね。非常に自然な録音ということは確かですが、テープのヒスノイズが若干目立ちますし、また強音では音が少し歪んでいるように思います。私としては仏ハルモニアムンディやエラートの方が好みです。

NHK杯戦囲碁 一力遼碁聖・天元 対 佐田篤史7段


本日の(深夜2:15より放送)NHK杯戦囲碁は、黒番が一力遼碁聖・天元、白番が佐田篤史7段の対戦でした。この碁での最初の焦点は左下隅で、白の星に黒が三々に入ってからの大変化でした。黒が2本這って白がケイマしたのに黒が付けて白が押さえて、という変化で隅の黒と白の両方に眼が無く、結局黒の先手セキという別れになりました。これは既に定石化された手順とのことで二人とも時間を使わないで打ち進めました。しかし、あらかじめ調べていないでこれをすらすら打てる人はアマチュアにはまずいないと思います。いきなりの三々入りが元々昔はなかったので、この定石(?)も当然ありません。昔はプロはこのような大型定石は盤面のかなりの部分が形が決まってしまうので嫌って避ける人が多かったのですが、まあ時代の変化ですね。この別れは既にAIで互角とされているものであるため、当然AIによる形勢判定も五分でした。ちなみに一力碁聖・天元は最初の頃はダイレクト三々は打ちませんでした。しかしその後かなり研究したようで今はダイレクト三々の本まで出しています。
次の局面で焦点になったのは、黒が右下隅から下辺にかけて潜航艇のように低く打ち込んでからで、黒はただ中央に逃げていくだけの手を打たず、ここで治まるような打ち方をしました。この部分が一段落して次に黒は上辺の白の間が開いている中に打ち込んでいきました。白が当然包囲してきたのに黒は最強の手を打ち続け、最終的に活き形を得ました。しかし黒は後手で活きに行かず、右側の白を切って行きました。この積極策が劫を奏し、白は分断された左側を活きに行かなければならなくなり、結局上辺で黒が覗いたのに白は継ぐと全体を攻められてもたないため、妥協した手を打ち、黒は後手で活きるのではなく、白の種石を取ってつながる、という大きな戦果を挙げました。ここでAIの判定も黒の勝率が80%以上になり、白は打ち続けたものの、地合の差が大きく、黒の中押し勝ちになりました。