本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が蘇耀国9段、白番が余正麒8段の対戦でした。黒は両高目から右下隅で高ジマリという変則布石でスタートしました。左上の折衝で黒が戦線を上辺に拡大し、右上隅の白への攻めを見せたのですが、白が上手く黒の左辺と上辺を分断し、厳しく攻め、石塔シボリで黒のダメを詰め、黒が捨てるにせよ逃げるにせよ苦しくなりました。黒は中央を犠牲にしながら左方に逃げ出しましたが、まだ活きている訳ではなくもがいている感じでした。その後黒は右上隅で劫を仕掛け白4子を劫に勝って取りましたが、代償に白は黒の右下隅の高ジマリの構えを突き抜いて、白の優勢は変わりませんでした。最後は白が黒の下辺に打ち込んでからの折衝がありましたが、黒が勝負手で左辺に打ち込んだのが、白の上手い返し技があって不発で、ここで黒の投了となりました。
別冊FM fanの1982年春号(長岡鉄男のカートリッジテスト)入手
ヤフオクで、別冊FM fanの1982年春号を入手。同誌上での長岡鉄男のカートリッジのフルテストは、これまで1976年春号、1978年春号、1980年春号と持っていましたが、もう1回あったのを見落としていたもの。この4号で全部で122種類のカートリッジがテストされており、それぞれに2ページの解説が付いており、カートリッジに関してこれ以上の資料は無いと思います。またこの1976年~1982年というのが、アナログの最後の全盛時代であり、カートリッジの基本的な技術はほぼこの時期に出尽くしていると思います。今の馬鹿高いMCカートリッジは、技術的にはこの時代のものを真似しているだけで、新しい技術というのはほとんど無いと思います。例えばオーディオテクニカは最上位機種でカンチレバーにコイルを直付けしていますが、これはサテン、ナガオカ、ビクターがこの時期既にやっていたことのバリエーションに過ぎません。また針先で結構上位機種でシバタ針を使っていますが、これは1970年代初頭に開発されたものです。長岡鉄男について、色々悪く言う人もいますが、これだけ徹底してテストした人というのもあまりいなかったと思います。なお、この1982年頃からCDプレーヤーが普及していってレコードを聴く人は激減していたので、おそらくこれ以降にカートリッジのまとまったテストは無いと思います。
オーディオテクニカのAT-33ML/OCC
先日カートリッジの棚卸しをした時に出て来たオーディオテクニカのAT-33ML/OCC。まだ持っていたことも忘れていたんですが、シェルを買って付けて聴いてみたら、15年くらいまったく使っていなかったにもかかわらずいい音でした。1993年の発売ですが、おそらく商品が企画されたのはバブル期。それで金ピカボディ、金蒸着ベリリウムのカンチレバー、そして全ての配線がPCOCC、また針先はマイクロリニアと全ての面でお金がかかっていて、それでいて定価は38,000円でした。今同じ仕様にしたらおそらく定価120,000円くらいになります。この後継機?というか同一価格帯の次の機種は間にアニバーサリー機AT33ENVをはさんでAT33EVなりますが、これは楕円針、ジュラルミンカンチレバーで最初見た時は「なんでスペックダウンしているの?」と思いました。しかしAT33EVは非常に充実した中低域という別の魅力があって、これは結局3回針交換しています。でも今またAT-33ML/OCCを聴くと、やっぱりいいな、と思います。この頃はまだCDに対抗してアナログを極めようという路線だったように思います。それに対しAT33EVはハイファイ路線ではなく、CDと差別化したアナログらしい音を狙ったように思います。
ウルトラマンAの「山椒魚の呪い」
ウルトラマンAの「山椒魚の呪い」を観ました。今回の超獣は山椒魚=ハンザキの変身したもので、その名もハンザギランです。かつて山椒魚を保護しようとして村の人と対立し、お金をそれに使って家を借金のカタに取られて鍾乳洞に白いハンザキと暮す老人と少女が登場します。実はこの白いハンザキが日光を浴びると超獣に変身するということで、村の人に恨みがある老人がこの超獣をけしかけて村を破壊します。エースが登場して戦いますが、ハンザキの名の通り半分に割いても生きているほど生命力の強い超獣に手を焼き、結局太陽光をしゃ断して超獣を元のハンザキに戻します。エースがそのハンザキを殺すシーンは無かったのですが、少女はたった一人の身内であった祖父もハンザキも無くしてしまったと泣きますが、竜隊長はハンザキは地下に潜って一生出て来ないと言います。それで終わりだとあまりにひどいのですが、竜隊長の姉がその少女を引き取ったという説明が付きます。しかし超獣の姿はハンザキとはまったく似ていないのに、最初に村人がハンザキの超獣と決めつけるのが違和感がありました。
トワイライト・ゾーンの”You Drive”
トワイライト・ゾーンの”You Drive”を観ました。オリバー・ポープはある会社のマネージャーでしたが、仕事が上手く行ってなくて車を運転中に不注意で自転車に乗った新聞配達の少年を跳ねてしまいます。一旦は車を降りて少年を助けようとしたオリバーですが、誰も辺りにいないことを確かめるとそのまま轢き逃げします。しかし通りがかりの女性が目撃していました。オリバーの車にはその夜から奇妙な現象が起き始めます。ライトを点滅させたり、ホーンを鳴らしたりです。次の日にオリバーの奥さんが車を修理屋に持っていこうとしましたが、車は交差点でハンドルが動かなくなり、またエンジンも止まります。結局レッカー車で修理屋に運ばれましたが、いつか勝手にオリバーの自宅に戻ってきました。その夜、夜中に音楽が大音量で鳴り響き、それは車のラジオでした。オリバーがそれを止めに行くとニュースが流れ、オリバーの同僚が犯人と間違われて逮捕され、また少年が死んだことが告げられます。次の朝、車を置いてバスで会社に行こうとしたオリバーに、車は勝手に動き出し、彼を追いかけます。オリバーは逃げますが、車が追いかけ、結局オリバーの側で止まり、ドアが開きます。仕方なく乗り込んだオリバーを車は警察に連れて行く、という話です。
これは当時としては、いかにもトワイライト・ゾーン的ストーリーですが、AIによる自動運転付きの車であって、運転車が轢き逃げをやったら車自身が警察に通報する、なんていうのは十分ありそうと思いました。またAIを搭載した車同士で狭い道で正面衝突しそうになって、下は崖、という状況で乗っている人の少ない方が勝手に崖下に落ちるのを選択する、という話も思い出しました。
塩野七生の「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」
塩野七生の「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」を読了。ローマ史の中で何と言っても面白いのが、ユリウス・カエサルを除くと、第二次ポエニ戦役のハンニバルとローマの戦いです。でも、以前読んだ時に比べ大部印象が違っていました。まずは「成功は人を頑固にする」という表現が心に残って記憶していたのですが、これは何とあのクイントゥス・ファビウス・マキシムスに対して言われていた表現でした。この本でのファビウスは、若き才能あるスキピオに対し、何かとブレーキをかける頭の固い老人として描かれています。後はハンニバルですが、戦術家として見ればおそらくカエサルをも凌ぐのかもしれません。しかし戦いに自信を持つあまり、ローマに攻め込めば後は何とかなる、と楽観していて、ローマが持つ同盟市との強固な絆というものを過小評価していて、戦略家としては失敗しているとしか言いようがありません。後にローマ軍がロジスティクスで勝つ、と言われるようになったのに比べると、その面もまったく見劣りします。ファビウスの戦術が成功したのはそこを突かれたからです。しかし塩野七生の記述には色々と疑問もあって、例の「第三次ポエニ戦役でカルタゴが滅亡した後、ローマ軍がそこに塩を撒いて不毛の地にした」というのを何の注釈も無く事実であったかのように書いています。俗受け狙いというか、面白ければいいってもんでもないと思います。
久しぶりにバックロードホーン
久し振りに音を聴きたくなって、居間のオーディオのスピーカーをバックロードホーンに変えました。B&Wのスピーカーだと普通のオーディオファンっていう感じですが、バックロードホーンにすると一気にオーディオマニア的な雰囲気に変わります。但し、このハセヒロのキットを使ったバックロードホーンは、ホーン長が短すぎて低音不足になるため、同時にフォステクスのサブウーファーも足しています。(ハセヒロのこのバックロードホーンのキットは、ブックシェルフサイズで、バックロードホーンでブックシェルフサイズというのは本来はあり得ないと思います。明らかにホーン長が足りません。ただハセヒロとしては、巨大なエンクロージャーだけだとあまり売れないので、ブックシェルフタイプも出しているのだと思います。)(注:バックロードホーンは日本での通称で、正確にはバックローデッドホーン Back-loaded horn と言います。)
NHK杯戦囲碁 平田智也8段 対 志田達哉8段(2024年8月18日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が平田智也8段、白番が志田達哉8段の対戦です。まず白の初手が星だったのは志田8段としては珍しいと思ったら、最近星を打ち出してそれ以来20連勝したということで、棋風に多少の変化が出て来ているようです。お互いにヨセが得意な棋風で、双方があちらこちらに弱い石を抱えながらも大きな戦いにはならず互角の形勢が続いていました。しかし白のチャンスとして、黒が右下隅から下辺の白1子を当てた時に、下辺と右辺の黒を分断する手を打っていれば、AIによれば白が優勢になっていました。しかし白はそれを打たずに黒をつながらせてしまい、微細ながら黒良しの形勢でヨセに入りました。ヨセでもお互いに大きなミスはなく淡々と進み、終ってみれば黒の1目半勝ちという結果でした。平田8段としては初の3回戦進出です。
レコードプレーヤーの回転数のチェック(2)
パイオニアのPL-50Lの回転速度を、スマホアプリのRPM Speed and Wowというアプリで測定したら、33 1/3回転が33.2、45回転が44.9と若干遅いという結果に。あれ?と思って、改めてストロボスコープ法でやってみたら、45回転は確かにごくわずか流れますが、33 1/3回転はピタリと黒白パターンが静止し、まったく問題ありませんでした。おそらくこのスマホアプリは、スマホの加速度センサー(スマホの縦位置画面と横位置画面の自動切り替えとかで利用)を使っているんだと思いますが、用途的に考えてそんなに高い精度が出ているとは思えないので、参考程度に使った方がいいかと思います。写真は今時貴重な1秒間に50回ないし60回ちらついているLED電球で、ストロボシートのチェックに使えます。ちなみにちらつくLED電球はPSEが取れなくて日本国内で使えない筈ですが、何故か2019年頃Amazonで売っていました。昔はインバーターになる前の蛍光灯がちらついていたのでそれがそのまま使えて何も特別なものは必要なかったのですが、今は蛍光灯も白熱灯もちらついているものはまずありません。専用の光源が売っていますが1万円近くもします。
パイオニアのPL-50L落札
DP-300Fでレコード聴いていると、大きな不満はないけど、やはり価格なりの音というオーディオマニアならではの病気が出て来て、結局ヤフオクで学生時代に使っていたパイオニアのPL-50Lを落札。送料入れて35,000円くらい。本日到着。動作は全機能まったく問題ありませんでしたし、各部も綺麗で美品でした。フルオートではありませんが、オートリフトアップ・オートストップが付いていますので十分です。DP-300Fは価格から考えて悪いレコードプレーヤーでは決してありませんが、それでもPL-50Lとは歴然とした差があります。音楽の安定感がまるで違います。早速オーディオテクニカのAT33EV他を付けて聴いています。
学生時代に使っていたレコードプレーヤーを設置し、マックス・ヴェーバーの翻訳をやっていると、本当に学生時代に戻ったようです。