オーディオ関係の装置の整理

ここの所、AVが置いてある列が実に4列になっていて、寝るスペースさえ圧迫されて、レコードプレーヤーのラックには台車を着けて寝る時は移動させるということをやっていました。さすがに毎日面倒になってきたので、意を決して現時点でほとんど使っていない16cmバックロードホーンと、録音用機材(マイクプリ、コンプレッサー、イコライザー、リバーブ、電源ユニット)を片付けました。かなりの重労働でしたが、なんとか3時間くらいで終りました。この結果、サブウーファーも以前使っていたFostexのCW250A x 2台という体制を復活させました。部屋が広くなって圧迫感が減ったし、寝る時のラック移動作業もこれで無くなります。

小林信彦の「決定版 日本の喜劇人」

小林信彦の「決定版 日本の喜劇人」を読了。これを読んでなかなか複雑な気分になりました。まずは、小林信彦の「生前」の出版としては、週刊文春のコラムをまとめたものを除けば、実質的にはこれが最後のものとなるのではないかということ。(偶然ですが、これを読んでいる最中に週刊文春のコラムは最終回となりました。)そしてこれが最終的な補筆や校正を経た「決定版」として再版されて良かったという気持ち。また、結局の所小林信彦の代表作は小説よりもこういう評論になってしまうのではないかということ。つまりObituaryが出た時、真っ先に出て来る書名はこの「日本の喜劇人」ではないかと。小林信彦の小説をそれなりに評価している私にとってはちょっと残念さもあります。そういえば、このブログで小林信彦の作品を多数紹介しながらこの「日本の喜劇人」が何故か落ちていました。
この本の価値というのは、小林信彦以前にはコメディアンをきちんと評論する人はおらず、インテリ層から見ればコメディアンは「くだらない」の一言で終ってしまうものを、早大卒のインテリの小林信彦が評論したという、ある意味1970年代後半からのサブカルチャーの隆盛とそれを論じるおたく達の先駆けをなしたということだと思います。
森繁久弥が一流のコメディアンであったことを知ったのはほとんどこの本によってです。また多くのコメディアンが「森繁病」になり、自分のコメディアンとしての持ち味を卑下して性格俳優を目指した(そして失敗した)こともこの本で知りました。私が知っている森繁久弥は台所太平記で谷崎潤一郎役を演じていたもので、その頃既にコメディアンの面影はあまり無かったように思います。
欠点を挙げれば、志村けんを従来ほとんど取上げず、この「決定版」でようやくとってつけたような評論が追加されています。また植木等や渥美清みたいな直接付き合いのあった人のは詳しいけど、そうでない人のははしょられているということです。ただ、これは筆者も言っているように他の人が書けばいいだけのことですが、なかなか小林信彦のレベルでの評論は結局ほとんど登場しなかったように思います。
小林信彦にはこれまで書籍を通じ色んなことを教えていただいて有り難う、と申し上げたいです。

オーディオテクニカのAT-OC9XSH

オーディオテクニカのMCカートリッジ、AT-OC9XSHをゲット。会社から定年退職の餞別でいただいたギフトカードで買いました。こういう普通の家電量販店では売っていないレアな商品をギフト券で買う方法ですが、ヨドバシカメラのネットで買って、受け取りを「店頭受け取り」にするという手を使いました。店頭で受け取るときの支払い手段は現金、カード、ギフト券等々色々OKです。私はヨドバシカメラの川崎店で受け取りました。昨日ネットで買って、本日の12時以降は受け取りOKでした。(受け取りOKになるとメールが来ます。)ちなみにヨドバシカメラ川崎店の地下の高級オーディオ売り場も覗いてみましたが、このカートリッジは置いてありませんでした。
このカートリッジはMC型で、ボロンカンチレバー+シバタ針です。シバタ針というのは1970年代の初めに4チャンネルのレコード(CD-4方式)を再生するために高周波特性を改善して作られた一種のラインコンタクト針です。今LPによる4ch再生は廃れたのでその意味はありませんが、点ではなく線で接触するため、寿命が長く、また高域の特性が優れています。このカートリッジはAT33EVからの切り換えで同じオーディオテクニカですし、このクラスのカートリッジになると、変えたからといって劇的に音が変わったりはしません。ただEVはテーパー付きのジュラルミンカンチレバーで中低域重視の音作りでしたが、OS9XSHは聴感上のレンジが広く、高域の立ち上がりは速く、鋭く切れ込みます。だからといってきつい音ではなく、一歩手前でバランス良く踏みとどまっている感じです。低域も引き締まって制動の効いたもので、超低域(25Hzくらい)も危なげなく安定して聞こえます。33EVに比べて優れていると思われるのは、音場が広く音像が引き締まっていることで、上下左右だけではなく前後の位置関係も的確に再現します。情報量も33EVより多いです。
最初若干のビリ付きを感じるLPもありましたが、それは針圧が1.8gになっていたせいで、2.1gに設定しなおしたら解決しました。(VPIのClassicの針圧設定は高級機にも関わらず最低で、六角レンチでウェイトのネジを緩めて前後に動かすだけというアバウトなものです。そして針圧計を使わないとどのくらい針圧がかかっているかも分かりません。それで一応シュアーの針圧計が付属していますが、機械式というかシーソーの原理で針圧を測定するものでこちらも使いにくいです。結局電子式の針圧計を別に買って使っています。)

NHK杯戦囲碁 志田達哉8段 対 呉柏毅5段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が志田達哉8段、白番が呉柏毅5段の対戦です。布石は黒が各所で地を稼ぎ、白が左辺から中央にかけて大模様を築くという展開になりました。黒は白の大模様を浅く消そうとしましたが、白はボウシし、黒が二間に踏み込んでということになり、この黒のシノギが問題になりました。黒は途中で自らの眼形を確保する守りだけの手を打たず、上方の白の包囲網を切って行きました。この積極策が成功し、打ち込んだ一団は上手く左上隅と連絡しました。白は中央で孤立した黒の4子を攻めようと、上辺を利かしてからコスミツケました。これに手を抜いて中央の4子を捨てたのが好判断で黒が優勢になりました。白はそこで必死に右下隅の黒に迫りました。ここでの折衝で黒に誤算があり、右半分の黒が取られてしまい、白の逆転中押し勝ちとなりました。

シュトックハウゼンのSirius

シュトックハウゼンのSiriusを探し始めて実に40年ぶりでようやくゲットしました。このLPは、現代音楽ファンよりも長岡鉄男信者の間で有名で、A面の冒頭に電子音での超低音25Hzくらいが中域と同レベルで入っており、肉眼でレコードの表面を見ても溝がうねっているのが分かります。長岡鉄男曰く、ボリュームを上げて再生すると「スピーカーか部屋か人間かのどれかが壊れる」と評しています。2枚組で全部聴くと96分にもなります。内容はSiriusからやって来たエイリアンと地球人4人の対話劇みたいなものです。現代音楽でジョンケージみたいなのはハッタリ100%という感じですが、シュトックハウゼンはワケワカながらそれなりの芸術性は感じます。シュトックハウゼンはもう一種タイトルは忘れましたがCDも持っています。ちなみにゲットしたのはeBayで$50くらいで落札出来ました。

スタートレックの第2シーズンの”The Gamesters of Triskelion”

スタートレックの第2シーズンの”The Gamesters of Triskelion”を観ました。ガンマIIという惑星にある施設の定期チェックをしようとしていたカークとチェコフ、ウーフラの3人が転送装置での転送ではなく、突然ある星に飛ばされます。そこで彼らは首にカラーを付けられて奴隷にされます。プロバイダーという上級知能がこの星の全てをコントロールしていて、奴隷達をトレーニングして互いに戦わせて、それに賭けるがプロバイダーの娯楽となっています。カークは自分の世話と訓練をしてくれる女性(シャナ)を手懐けながらプロバイダーに関する情報を聞き出します。それは人間の形をしておらず、コンピューターのようなものでした。カークは牢の中でシャナにキスしながら彼女を気絶させ、鍵を奪って逃げます。しかしそれはすぐにプロバイダー側に見つかります。カークはプロバイダーに対して正体を見せろと要求し受け入れられます。それは人間が進化した3つの脳でした。カークは他の2人の部下と他の奴隷と戦って勝ったら解放、負けたらエンタープライズ号の全ての部下が奴隷になるという賭けを提案します。それは結局カーク対3人の奴隷という形で認められます。カークは2人の奴隷を倒し、最後の相手がシャナでしたが、彼女を殺さず降参させます。カークはプロバイダーに残った奴隷達を解放し教育することを誓わせエンタープライズ号に戻ります。シャナは色々と学んでいつの日か宇宙に出てカークにまた会うことを誓う、という話です。ちょっとフレデリック・ブラウンの短篇と同じプロットのエピソードのアリーナと似ている話でした。

上白石萌音の「あの歌1」

上白石萌音の「あの歌1」をポチりました。完全なジャケ買い。内容はカバー集で、1は70年代のヒット曲集で私には耳タコのものばかり。この人、すごい美人という感じではありませんが、何というか不思議な雰囲気を持っています。歌い方も決して絶叫するような感情的な歌い方ではなく、淡々としていますが、耳には快い、そういう歌です。「あの歌2」も同時に出ていますが、そちらは80年代でそれほど懐かしい感じはしないので買いませんでした。上白石萌音ってまったく知りませんでしたが、「君の名は。」のヒロインの声はこの人だったんですね。

はっぴいえんどの「風街ろまん」

はっぴいえんどのこのアルバム(「風街ろまん)もビニール(LP)で購入。A面が「風」でB面が「街」なんですね。これはレコードじゃないと分かりません。このアルバムの曲は素晴らしいですが、このジャケットだけはどうも…何というかとても鬱陶しい…まあこの当時は皆こんな髪形していましたが。考えて見れば今は当時よりずっとLGBTなどに対しての理解が進んでいるのに、今こういう髪形している男性はまず見かけません。

立花隆氏は知の巨人か?

立花隆氏が亡くなられたそうですがお悔やみを申し上げます。私は氏をジャーナリストとしては優れた業績を挙げたと評価しますが、「知の巨人」などとはまるで思いません。「知の巨人」という呼び方に値するような、どんな学問的業績を氏は残されたのでしょうか。氏の著作リストを見る限り、どこにもそんなものはありそうにありません。要するに出版社が本を売るためのキャッチコピーに過ぎないと思います。
以下は、私が2004年に氏の本に対してAmazonでレビューしたものですが、この本などは本当にひどい内容でした。かなりネガティブなレビューにも関わらず、64人も「役に立った」としています。私と同様立花隆氏の「学問的」業績には眉唾な人が多いのだと思います。

「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」
5つ星のうち2.0
ファーストフードとしての読書
2004年4月28日に日本でレビュー済み
立花隆氏が、なぜあのような内容のない見当外れの書評やエッセイをばらまくのか、その秘密がわかる本である。要は氏は書籍をファーストフードとしてひたすら大量に「消費」し続けているだけである。その結果、栄養は偏ってどうでもよい些末な知識のゴミだけがグロテスクに肥大化し、本質を見通すべき眼力は磨かれることなく、むしろ日々失われていく、といった惨憺たる状況に陥っている。であるのに本人には自覚症状がなく、却ってそれを声高に自賛するという倒錯に陥っている、そういう本です。私は途中で読むのをやめてゴミ箱に捨てました。
64人のお客様がこれが役に立ったと考えています

「巨人の惑星」の”Panic”

「巨人の惑星」の”Panic”を観ました。ベティとフィッチューがある科学者が仕掛けた電子式の麻痺装置により意識を失い、巨人の警備員に捕まり、その科学者の元へ連れて行かれます。しかし取り調べの途中で、二人は急にどこかへ飛ばされます。それはある別の科学者が物質転送装置を完成していて、その力で二人を救ったものでした。フィッチューはその装置は人間を無限大の距離まで転送出来ると聞き、地球に戻れると狂喜します。しかし別の科学者はその発明を悪用しようとしており、博士を捕まえて牢に入れます。ダンとベティ-は博士を救出しようとしますが、捕まってしまい、一分間に1°温度が下がっていく冷凍ボックスに入れられます。悪い方の博士は、良い博士に対し転送装置の秘密を話せば二人を助けるといいます。キャプテン達は転送装置のある部品を博士の家まで取りに行き、博士の無線での指示で転送装置を動かし始めます。フィッチューは何とかそのマシンで地球に帰ろうとしますが、キャプテン達はまず皆を転送して救出し、次に良い博士を救い、最後に良い博士から教わった、そのマシンの破壊モードをセットします。悪い博士はそのマシンの爆発に巻き込まれて死亡、というものです。しかし、「巨人の惑星」は地球より20年くらい科学が遅れているという設定だった筈ですが、この話ではむしろ地球よりはるかに進んでいて矛盾しています。