7月16日の(相模原の新居のひかりTVのチューナーが故障して交換待ちのため録画で視聴)NHK杯戦の囲碁は、黒番が平田智也8段、白番が河野光樹8段の対戦です。河野8段は49歳にしてNHK杯戦初出場です。一方平田8段も意外に今回が2回目の出場です。
この碁の最初の焦点は右上隅で、黒が中央に一間飛びしたのに白が割り継いで、黒が切りがある所を守らなかったのに対し、白はすぐ切って行きました。黒の右上隅は問題無く活きましたが、白に切られて中央の黒は浮いて攻めの対象になりました。しかしその石の逃げを途中で保留し、黒は上辺左の白の薄みを追及しに行きました。そこからの戦いで白は何と二子を捨てて隅を取らせ、その代わりに上辺を取るという振り替わりを目指しましたが、黒は二子取っただけでは満足せず当てて行き、更に劫に行きました。劫立ては黒からは12の4の覗きが利き、白は左辺中央を押しただけで黒は劫に勝ち、大きく地を稼ぎました。その代わり中央が薄くなり、右辺に打ち込んだ石と右上隅で切り離された一団とどうしのぐかと思っていたら、黒は何と9の7に付けて行き、白模様の中で居直って活きに行きました。ここでの攻めとしのぎは、白が右辺上方の石の4線に断点があるのが響いたりして、結局黒の居直りが成功し、白一子を取って中央と右辺が連絡して、黒が大きな戦果を上げました。ヨセでは左辺にどちらが先に回るかが焦点になりましたが、結局黒が先に打ちました。その後白が中央の黒数子を取り込んだりしましたが、その代わりに黒も左辺を大きな地にし、地合の差は縮まりませんでした。結局黒の中押し勝ちで平田8段がNHK杯戦初勝利を上げました。