手塚治虫の「ネオ・ファウスト」を読了。これも手塚の遺作の一つで、第二部に入った所で中断したままになっています。
手塚治虫はその生涯でゲーテのファウストを3度漫画化しています。最初が世界名作劇場の漫画版的なもので、子供向けのごく普通のもの、2回目は何と舞台を江戸時代の日本にしてしまったもの。そして3回目がこれです。3回目の特徴は、
(1)掲載誌が朝日ジャーナル、ということもあって時代が1969-1970年の学生紛争の頃に設定されています。全共闘世代が読者に多かったんでしょう。
(2)メフィストフェレスが女性です。なのでファウストこと一ノ関博士が若返った坂出が恋するマリ(グレートヒェン)に嫉妬したりします。
(3)一ノ関博士の専攻が生命工学で、若返った坂出はバイオテクノロジーで生物を自由自在に作り出そうという野望を持ちます。これも掲載当時の時代を感じさせます。
手塚の娘である手塚るみ子は、一ノ関博士の「若返ってもう一度人生をやり直したい」というのは死を目前にした手塚自身の願望であったとしていますが、それはそうだと思います。
ファウストのニ部は単なるキリスト教的道徳の話を超えて、古代ギリシアや東洋も含めた壮大な話になります。手塚にはそっちの方が本領を発揮出来たんじゃないかと思い、中断未完となってしまったのは残念です。

アウター・リミッツの”A Feasibility Study”を観ました。ある太陽系のルミナスという星は、太陽に近く高温であるため、生物はいないと思われていましたが、実際はヒューマノイドが生息していました。しかし彼らは加齢と共に身体が岩のようになって動けなく業病に冒されており、彼らのために働いてくれる奴隷を欲していました。そのフィージビリティ・スタディとして、アメリカのある6街区がその星に転送されます。住民達は奇妙な霧や、電話が通じなくなったことなどで異変に気が付き、何人かがルミナス人と遭遇します。その内の一人はルミナス人の業病に感染します。ある医者がルミナス人の所に連れて行かれ、彼らの意図を説明されます。その医者はその街区の人々を教会に集め、彼らの恐ろしい運命を説明します。しかし残った地球の全ての人々が同じように奴隷にされるのを防止するため、彼らは既に感染している医者の妻に触れ、病気を共有しようとします。彼らの英雄的な行為で、フィージビリティ・スタディは失敗に終り、地球人奴隷化計画は失敗します。何というか、ルミナス人の業病がもしかするとかつてのらい病(レプラ)をイメージしているのではないかと感じました。らい病は空気感染しませんが、かつてはそう思われていた時代もあります。
アウター・リミッツの”The Special One”を観ました。ある人間に化けたエイリアンが、地球の子供達を洗脳して特殊な知識を与えて地球の気象をコントロールするマシンを操作出来るようにさせ、それを使って地球を侵略しようとしています。ロイ・ベンジャミンの息子のケニーもそのターゲットにされた少年で、ゼーノという私的教師が度々ケニーの所にやってきて、ケニーは壁をすり抜ける特殊な超能力を身に付け、ゼーノの期待を上回る進歩ぶりを見せていました、ロイは教育省に出かけて、教育省のプログラムで私的な講師を家庭に派遣することはないことを確認し、ある夜ゼーノとケニーがいる部屋に押し入ります。しかしロイはゼーノの超能力で窓から飛び降りて自殺するように強いられます。すんでの所で、ケニーが気象コントロールマシンを操作し、ゼーノが必要な大気中の成分を取り去ります。実はケニーは最初からエイリアンの企みに気が付いていて、洗脳された振りをして逆襲を狙っていました。エイリアンは結局侵略を諦めて帰っていくという、ケニーの英才ぶりが光るお話でした。
トワイライト・ゾーンの”The Mind and the Matter”を観ました。アーチボルト・ビーチクラフト氏は20世紀の住人ですが、どこに行っても溢れている人にうんざりしていました。満員電車、エレベーター、そして彼のオフィス。ある日彼は彼にコーヒーをこぼした給仕の少年からその少年の友人が書いたという本、「心と物質」という本を贈られます。それには精神を集中させれば何でも思い通りになる、とあり、ビーチクラフトはすぐにそれを最後まで読み、それを部屋代の催促にやってきた大家を消すことで試してみて成功します。次の日、駅で全ての人間がいなくなるように願い、彼は一人だけになり、彼以外空っぽの電車で会社に行きます。会社に着いた彼はしばらくは一人を楽しんでいましたが、すぐに退屈しだします。それで地震を起してみたり雷雨を起してみたりしましたが、それは面白くありませんでした。次の日彼は、全ての人間が彼のような人間だったらいいと願って世界をそう変えます。しかしそれは彼のような非社交的な人間がぶつぶつグチを言いながら暮しているので、まったくいいものではありませんでした。結局彼は世界を元のように戻します。
手塚治虫の「陽だまりの樹」を読了。これも学生時代にリアルタイムで読んでいました。作中に出てきてタイトルにもなっている「陽だまりの樹」(日当たりも良く、風もあまり吹かない庭にあった大木が、いつの間にか中が虫に食われてボロボロになり、ある時の地震で真っ二つに倒れたもの、作中での徳川幕府の象徴)のシーンが妙に記憶に残っています。それが今勤めている会社の姿ともちょっと重なっている所があります。
ウルトラQの「ガラモンの逆襲」を(続けて)観ました。このエピソードでは平田昭彦が電波研究所長として初登場します。平田昭彦は東大法学部卒でこの手の「博士」が得意で、初代ゴジラの芹沢博士(ゴジラを倒した化学物質を発明)、ウルトラマンの岩本博士などを演じています。またレインボーマンでミスターKを演じたのも忘れられません。ちなみにウルトラマンの岩本博士は、ウルトラマンでさえ倒されたゼットンを一撃で倒す兵器を開発しています。このエピソードでは前回の電子頭脳がエイリアンによって盗み出され、それと前後してガラダマが多数降ってきてガラモンが一匹(一台)ではなく多数登場して東京を破壊します。またガラモンを作ったエイリアンがセミ人間として最後に正体を現わします。ちょっと造形がバルタン星人に似ています。このエピソードでも、ガラモンの電子頭脳が何故一個しかないのか、量産して地球に送り込めばいいじゃない、また宇宙船で来ているならその中に電子頭脳を置いておけば、と突っ込みたくなります。
ウルトラQの「ガラダマ」を観ました。続篇の「ガラモンの逆襲」を合わせ、ウルトラQの中では少ない本格的地球侵略もの。但し、色々と矛盾は多く、何故電子頭脳とガラモンを分けて送り込まないといけないのかとか、電子頭脳から電波が遮断されたらガラモンは動かなくなるだけの筈なのに死んでしまうのは何故か、と色々突っ込めます。但し造形としては円谷プロの怪獣(今回はロボットですが)の中では出色の出来で、人気が出たのは良く理解出来ます。ちなみにウルトラマンでは同形ではるかに小さいのがピグモンで復活しますが、こちらはロボットでは無く普通の怪獣でややこしいです。またガラモンは白黒(まあ白黒放送だったからですが)、ピグモンはカラー(全体にオレンジっぽい)と違います。

アウター・リミッツの”Fun and Games”を見ました。これまたフレドリック・ブラウンの「闘技場」の亜流みたいな話(スター・トレックにもありました)でした。ただ闘技場と違うのは、闘技場では2つの星の代表者が1名ずつ選ばれて戦うのに対し、このエピソードでは男女のペアがチームになって戦うということです。その戦いはアンデラというエイリアンが自分達の楽しみのためにやっているものでした。負けた方の星は5年以内に滅ぼされます。地球側のチームは、元ボクサーのベンソンと、離婚歴のあるローラという女性です。敵側はカルコ星人で地球人より原始的で、ブーメランを武器としています。カルコ側は限定された食料を2倍にするために、男の方が女性の方を殺してしまいます。ローラはベンソンに同じようにするよう言いますが、ベンソンはそれを了承せず、ローラは結局半分の食料を持って逃げ出します。ベンソンとカルコ星人の男の方は、溶岩の川にかかる丸木橋の上で争いになりますが、結局ローラが放置されていたブーメランを投げてカルコ星人の男を倒します。