新田たつおの「静かなるドン」全108巻を約一ヵ月かかって読了しました。この漫画の存在はかなり前から知っていましたが、ヤクザものということもあって今まで未読でした。何かのサイトで1巻だけ無料で読めるというのがあって読み出したら止まらなくなって、とうとう最後まで行きました。新田たつおという漫画家は「怪人アッカーマン」で大学生の頃から知っていて、ギャグの奇才、というイメージでした。しかしこの作品は何というか日本の大衆小説のエスプリを漫画という形で受け継いだ傑作でした。まず主人公が一方では組員1万人のヤクザ組織のトップで、もう一方で女性下着メーカーの冴えないデザイナーという二重性が秀逸です。これによって日本人が好きな水戸黄門的展開というか一種の貴種流離譚みたいな面白さが生れていました。途中、チャイニーズマフィアから始まって、アメリカやロシア、シチリア島のマフィアまで、すこし大風呂敷を広すぎてダレる所もありますが、鬼州組七代目の白藤龍馬が出てきてからまた面白くなりました。まあ映画やドラマにもなっている作品ですので、私がいまさら褒めなくてもいいと思いますが、一つだけ小林旭そっくりのキャラクターが出てきてコミカル役なんですが、本物から良くクレームが来なかったなと思います。
スター・トレックの第3シーズンの”Wink of an Eye”
スター・トレックの第3シーズンの”Wink of an Eye”を観ました。なんかアダルト向けの内容でした。エンタープライズ号が惑星スキャロスから救助信号を受け、カーク他が転送でそこに降り立ちましたが、文明の後は残っているものの誰もいません。しかし救助の動画がまだ続いていました。その星の水を飲んだコンプトンは突然消えてしまいます。キャプテン達は一旦エンタープライズ号に戻りますが、カークは虫の羽音のようなものを聞き、何物かがエンタープライズ号に侵入したのを察知します。生命維持装置の部屋に行って見ると、何か特殊な装置が換気装置に取り付けられていて、それを外そうとしても衝撃波が出て出来ません。一度管制室に戻ってコーヒーを飲んだカークは、クルー達の目の前で消えてしまいます。一方カークにはセクシーな格好をしたディーラというエイリアンの女性が現われ、いきなりカークにキスします。ディーラの話では彼女たちの星は火山の爆発や放射線によって生きられなくなり、少数の人間だけが生き残りますが、それらの人は普通の人間の何千倍のスピードで動くように加速してしまいました。そして男たちは生殖能力を失ってしまいました。それで救助信号を流してはやってくる宇宙船を捕まえて、そこの男性クールの子種をもらって彼らは生きていました。カークはコンピューターのテープを使ってスポックにメッセージを送り、生命維持装置の部屋の機械を壊すように言います。ディーラはカークが気に入り、カークと多分関係を持ちます。そしてカークはディーラと一緒にスキャロスに行く振りをし、転送装置の一部をいじって動かなくします。その内に、マッコイとスポックはスキャロスの水による加速を元に戻す薬を作り、スポックがスキャロスの水を飲んでカークの救助に向かいます。二人で何とか生命維持装置の部屋の機械を壊すことに成功します。ディーラ達はスキャロスに戻り、カークは薬を飲んで加速しない元の世界に戻ります。スポックは加速のまま壊されたエンタープライズ号の色んな設備を加速モードのまま超スピードで修理してから元に戻ってきました、という話です。加速というとサイボーグ009を思い出しますが、それと自分の星の男が生殖能力が無くなって異星人の男性を漁る女性というのは無理矢理くっつけたようなストーリーでイマイチでした。
キャプテン・スカーレットの”White As Snow”
キャプテン・スカーレットの”White As Snow”を観ました。
放送局の音楽衛星がミステロンズに破壊された後再生され、地球のあらゆる所に大音量の音楽を流します。そして、いつものミステロンズの声が聞こえてきて、今回のターゲットは何とスペクトラムのホワイト大佐です。まずはその音楽衛星がクラウドベースに突っ込んできます。ホワイト大佐はすぐにエンジェルスに衛星の爆破を命じます。衛星は首尾良く爆破されますが、民間の衛星を破壊すべきでは無かったとキャプテン・スカーレットが抗議します。ホワイト大佐はこのままだとクラウドベースが狙われるので、自分は姿をしばらく隠すと言い、指揮をキャプテン・ブルーに委ね、基地から消えます。大佐が向かったのはアメリカの潜水艦で、ホワイト大佐はMr. R. Snowという偽名で潜水艦に乗り込みます。一方その潜水艦のクルーの一人が事故で溺死したのを、ミステロンズがロボットに作り替え、この男が大佐を狙います。あてがわれていた部屋で休んでいた大佐はこの男との銃撃戦になり、結局最後は撃たれて死にます。潜水艦の艦長らが駆けつけると、死んでいる大佐以外に、クローゼットの中から人のうめき声がします。死んだのは大佐に入れ替わったキャプテン・スカーレットで、大佐はスカーレットに猿ぐつわを嚙まされてクローゼットに入れられていました。基地に戻った大佐はスカーレットの命令違反をなじり、「死刑」を宣告します。しかしスカーレットに死刑は無意味と知っていてのジョークですぐ「免罪」を宣告します。この前の話よりはかなりマシでした。
NHK杯戦囲碁 藤井秀哉8段 対 小池芳弘6段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が藤井秀哉8段、白番が小池芳弘6段の対戦です。序盤は黒がやや実利指向でしたが淡々と進み、局面が動いたのは白が右辺に打ち込み黒が上から詰め、白が右下隅の黒の二間ジマリの間に付けていってからです。ここの折衝で白は下辺の方の2子を捨て、右辺に展開しました。ただ白の右辺の一団はまだ完全に治まっていませんでした。黒は右下隅の厚みを生かして下辺を目一杯広げました。しかし白も右下隅で取られている白2子の利きを頼りに下辺に打ち込みました。ここで黒が左下隅で白が星から両方に小ゲイマで開いている所へ星下に付けていったのがタイミングの良い様子見でした。この黒は部分的には活きていませんでしたが、下辺に黒が来ると渡りを見てサガリが先手になれば活きることが出来ました。下辺で起きた競い合いは、黒が右辺の白と下辺の白を割いて行くことにより、カラミ気味の攻めになり、分断された黒も下辺で活きたので、ここでの収支は黒のリードとなりました。ただ中央で分断された黒と上辺の黒1子を連絡させずに上手くカラミ攻めに持ち込み、上辺を大きくまとめれば白にもチャンスがありました。しかし黒は左上隅で取られかけていた黒2子を活用し、上辺を破ることに成功しました。そうなると白の最後の望みは左辺を大きくまとめることでしたが、これも黒が中央と左上隅から無理せずに寄せて、白にチャンスを与えませんでした。最後右辺の白に1線に置いていって眼を取る手がありましたが黒は決行せずにヨセて左下隅も活き、結局白が投了しました。
スター・トレックの第3シーズンの”Plato’s Stepchildren”
スター・トレックの第3シーズンの”Plato’s Stepchildren”を観ました。エンタープライズ号がSOS信号を受けてある惑星に着きます。そこはまるで古代ギリシアのような星で、そこの住民はかつて自分達の星の太陽が超新星となったため地球に脱出し、古代ギリシアでプラトン達と暮したといい、その後プラトン的なユートピアを築くためこの星に来て、そして不老の技術を発見して享楽的に生きていました。さらに彼らはアレクサンダーという小人を除いて全員念動力が使えます。その力で彼らは傲慢になっていました。彼らは医師であるマッコイが必要なので置いていくように命令します。断ると念力の力でカークとスポックを操って踊らせたり、またスポックにカークを殺させようとします。アレクサンダーがしゃべってくれたことにより、その念動力はこの星の食べ物に含まれているキロナイドのせいだということが分かり、マッコイはカークとスポックに2倍の力を持つ量を注射します。しかしその効き目が出るのに時間がかかり、この星の住民達はカークとスポック以外に、ウフーラとナースのチャペルを呼び寄せ、それぞれにラブシーンを演じさせようとします。(ウフーラとカークがキスしかけますが、これがアメリカで白人とアフリカ系アメリカ人とのキスシーンの最初の例の一つみたいです。)ようやく効いてきたキロナイドの力でカークはナイフを持って襲って来たアレクサンダーを逆にパルマンという首領を襲うようにさせます。しかしカークはパルマンを殺すことはせず、もう彼らの力は通用しないことを宣言し、アレクサンダーを特別ゲストとしてエンタープライズ号に迎えます。なおこのエピソードはサド的だということでイギリスでは放送されなかったということです。しかし、プラトンはあまり関係ないように思いました。以前もギリシア神話の神が出てきましたが、ライター陣にギリシア好きがいるんでしょうね。
ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳(2)を公開しました。
ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の第2回目の日本語訳原稿をアップしました。
橋本努先生の御著作2冊
ドイツ語の tralaticisch の意味
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳を開始していますが、序論の中に„„Tralaticische” Quellencitate habe ich thunlichst beschränkt verwendet.” という文章が出てきます。この„tralaticisch”という形容詞が、紙の辞書、オンラインの辞書とも出てきません。(グリム辞書、Dudenも全部ダメでした。)しかしググるといくつかの昔のドイツ語文献で使用されているのが確認出来ました。おそらくこの形容詞は英語での相当語は”tralatitious”ではないかと思います。もしそうならOEDによれば、語源はラテン語のtrālātīciusです。その場合の意味は、「伝統的な、代々伝えられてきた、慣習となっている、通常の」と言ったものです。ここでは「伝承的な文献引用については、私は出来る限りそれに準拠しないように努めた。」という訳になるかと思います。ローマ法というのは、十二表法という原本が失われており、その後に出た法学書に引用されている条文から元の法文を再現することが行われています。また、ユスティニアヌス帝によるローマ法の再現である学説彙纂について、ヴェーバーの時代に編纂者が表面的に辻褄が合わない所を恣意的に変えた可能性がある、ということで見直しが行われていました。そういう背景から理解すべき文であると思います。また、ヴェ-バーの特に初期の文献にはこういうラテン語をそのままドイツ語にしたようなのが時々出てきます。
国会図書館からの受領書
先日、国会図書館に「中世合名・合資会社成立史」のペーパーバック版を2冊納本しました。そして今日受領書が届きました。これで私が死んでも最低限この翻訳は残ることになります。(Amazonでの印刷がどの程度保つのかは分かりませんが。)
折原先生他に紹介してもらって、ちゃんとした出版社から出すという選択肢もありましたが、そうするとおそらくこの分量だと価格が5,000円を超すでしょう。私はお金の無い学生さんとかにも読んでもらいたいと思います。昨今は図書館も予算が削られてなかなか新刊本を買えない状況のようです。
また電子版ベースの出版のメリットとして、訂正・修正・追加がいつでも自由に出来ることが挙げられます。実際今回ペーパーバック版を最初に作成してから、細かい改訂を10回ぐらいやっています。Amazonは注文を受けてから印刷・製本しているようなので、変更がすぐ反映されます。
キャプテン・スカーレットの”Renegade Rocket”
キャプテン・スカーレットの”Renegade Rocket”を観ました。何というかこれまでの最悪の脚本を更新しました。ミステロンズがリーヴスというミサイルの専門家を殺してロボットにし、ある基地にあるミサイルをどこかに向けて発射させます。そのロケットをターゲットで爆発する前に破壊するには、アルファベット4桁のパスワードをコントロール装置に入力する必要があります。で、ミサイルは結局垂直上昇してレーダーの追跡を振り切り、今度は垂直降下します。結局ターゲットは元の基地そのものでした。ジェット機に乗って逃げたリーヴスを3機のエンジェルスが追いますが、1機は撃墜され、残りの2機はリーヴスをはさんで戻るようにいいますが、リーヴスは高度を下げ海面に突っ込み爆発して死にます。同時にミサイルのコントロール装置も海底に沈みます。基地ではキャプテン・ブルーとキャプテン・スカーレットが10,000種類あるパスワードを一つ一つ入力するという原始的な方法でミサイル爆破命令を出そうとしますが、パスワードはZEROで、ミサイルの命中直前になっても二人はまだAから始まるパスワードを試していました。キャプテン・ホワイトが二人に待避するよういいますが、二人は命令を無視します。”AMEN”(アーメン)を試した時、偶然海底にあったコントロール装置の破壊ボタンが何かに押されて、基地に命中する直前にミサイルは爆発して目出度し、というオチです。キャプテン・スカーレットが不死身であるという特長もこのエピドードではまったく活かされておらず、また二人が命令を無視する理由も不明で、さらにオチもひどく、駄作としか言いようがありません。