宇宙家族ロビンソンの”The Deadly Games of Gamma Six”を観ました。何というかこの第2シーズンは手抜きというか、毎回地球人と同じ格好で英語をしゃべるエイリアンばかりです。そして今回はいきなりロビンソン博士に殴りかかります。実はロビンソン博士は大学でフットボールをやっていて強くエイリアンをノックアウトします。それを見ていた別のエイリアンが、博士を銀河チャンピオンを決める試合にスカウトします。しかし博士は自分が科学者だからと断ります。そこに例によってドクター・スミスがしゃしゃり出ます。といってもドクター・スミスが強い訳はないのですが、エイリアンにだまされ、相手を選べると聞いて、子供のような選手を指名します。しかしその選手は姿を消すことが出来て、最強の選手でした。当然のことながらドクター・スミスはすぐノックアウトされてしまいます。実はエイリアンの目的は地球の代表が敗れたら、地球を侵略する権利を得るということでした。ロビンソン博士が駆けつけて、姿を消す選手をうまく倒し、しかしもう手遅れだというエイリアンに、ロシアンルーレットみたいな機械で対決を挑みます。結局向こうがびびってロビンソン博士の勝ちになり、地球侵攻は取りやめになったという話です。しかし何というかSFである必要はないような荒唐無稽な話が本当に多くなっています。
ドイツ語の語彙について
今ドイツ語の翻訳やっていて不思議なのは、ドイツ語の方が英語に比べ圧倒的に分からない単語が少ないこと。勉強した時間で言えば英語はドイツ語のおそらく5倍以上だと思いますが、それでもまだまだ分からない単語が沢山あります。
これに対してドイツ語は、もちろん分からない単語が出て来ない訳ではありませんが、かなりの単語が意味の推測がつきやすいです。つまり動詞の名詞化とか、またさらにそれに前綴りを付けただけとか、あるいは知っている単語同士がくっついただけの複合名詞とか、そんなのが多いからです。英語みたいにゲルマン語系語彙とラテン系語彙が混じり合うなんてことは、ほとんどありません。常々思っているんですが、日本人にとって最初に学ぶ外国語が英語っていいのということです。私の持論ですが、最初にドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語などをまず学んでそれがある程度のレベルに達してから英語を学んだ方がはるかに上達が早いのではないかと思います。英語は確かに格変化とかほとんどないのでとっつきやすいのは事実ですが、上に行けば行くほど山のようにある例外と取り組まないといけないですし、覚えなければならない単語の数もはるかにそれらの他の欧州語よりも多いですし、第一発音が不規則過ぎです。
大松監督の合理性
大松博文監督の「おれについてこい!」の感想の補遺。
ともかく、ものすごい量の練習、それもほとんどイジメに近い練習に圧倒されるのですが、それでも私は大松監督の「合理性」を感じざるを得ないことがいくつかありました。列挙してみます。
(1)基礎体力の強化と試合用の練習を同時にやっていること
コージィ城倉という漫画家がちばあきおの「プレイボール」と「キャプテン」の続篇を今連載しています。
その「キャプテン」の方に、墨谷二中の野球部キャプテンである近藤に対し、墨高出身で早稲田に入った元墨高のサッカー部のキャプテンだった人が、近藤達の練習を見て、「野球はサッカーと違って走る量は限られているからランニングは不要では」「守備と打撃と走塁を同時にやって、とにかくボールに触れる時間を多くする」というアドバイスをしています。おそらくこれは最近の高校や中学の進んだ野球部が採り入れている方法なのだと思いますが、大松監督は1960年代の初め既に試合に即した応用練習をやりながら基礎体力も鍛えるということをやっています。
(2)勝つための最善の方法を採っていること
当時の日本女子バレーの最大の目標で強敵は言うまでもなくソ連でした。そのソ連と比べ平均身長が171cmで10cm以上低い日本女子がどう対抗するか。まずスパイクとブロックでは、日本女子の身長ではソ連のスパイクを完全に止めるのは不可能です。だとしたら、ともかくスパイクを打たれても拾いまくるしか勝ち目はありません。そこで開発されたのが回転レシーブです。また同じ理由でスパイクだけに得点を頼ってもおそらく4:6以下で負けます。そこで身長が低くてもあまり関係がない、サーブを強化します。日紡貝塚のチームの得点の1/3はサーブポイントだったそうです。練習も多くの時間をサーブに割き、無回転で揺れながら進み突然落ちる「木の葉落とし」サーブを始め、多くの変化球サーブを編み出します。
(3)医者と常に連絡を取りながら練習をしている
日紡貝塚のチームは猛練習で傷だらけだったり、脚気や腎臓病を患っていた選手もいたようですが、不思議なことに大怪我や大病でリタイアした選手がいません。これは大松監督が常にチームの担当医と良く連絡を取って、選手の状態を常に把握して、ギリギリの線を越えなかったからこそ成し遂げられたのだと思います。
要するに、単に猛練習を強いるだけの精神主義一点張りの人ではなかったということです。
宇宙家族ロビンソンの”The Android Machine”
宇宙家族ロビンソンの”The Android Machine”を観ました。ドクター・スミスがエイリアンが残していった目的不明の機械をいじっていると、中から女性のアンドロイドが出てきました。彼女は注文したのがドクター・スミスだから彼の言うことを聞くと言います。このアンドロイドは優秀で、ロボット(フライデー)が子供たちに地球の歴史を教えていたのを、その役目を奪って宇宙の歴史を教えたりします。その内に、この機械は宇宙の商人の自動注文機だったことが分かります。ドクター・スミスは衣服を注文して着てみたらそれが脱げなくなり、クレームのボタンを押すと、空からクレーム受け付け係がやって来ます。その係員は料金が払えないのであればアンドロイド(名前はヴェルダ)を連れて帰ると言います。ドクター・スミスは彼女は不良品であると言います。しかし、結局彼女は子供たちと触れあう内に人間の感情を身につけ、より高機能のアンドロイドに進化していました。それで結局代金を払うことは不要になり、ヴェルダは自分で元の店に帰ることを選択します。
どうでもいいけど、途中で出てきた洞窟のモンスター(写真)がとてもチャチ。
中世合名会社史の日本語訳の5回目を公開
ヴェーバーの中世合名会社史の日本語訳の第5回目を公開しました。これまで書いた分だけで1万字を超えました。原稿用紙で30枚以上。
今回のはLabandというドイツの法学者への反駁があってなかなか難しかったです。
山上正太郎の「第一次世界大戦 忘れられた戦争」
山上正太郎の「第一次世界大戦 忘れられた戦争」を読了。最近ずっとアメリカの動向を追いかけていて、トランプがモンロー主義の昔に戻ろうとする意向を強く感じ、またアメリカと中国の経済的対立、中国の急激な軍事力強化、ときな臭さ一杯の状況に憂慮してこの本と、A・J・P・テイラーの「第二次世界大戦の起源」を買ってみたもの。山上氏は第1次世界大戦の終わった翌年に生まれています。まず第2次世界大戦の本を書いた後、第2次世界大戦を理解するためには1次も理解しなければ、ということでこの本を書かれたようです。副題に「忘れられた戦争」とありますが、まさにその通りで、実は11月11日は第1次世界大戦の終わった日なのですが、「独身の日」というオンラインストアのセールスの話ばかりで、第1次世界大戦について触れたニュースはほぼ皆無だったと思います。日本はこの戦争には限定的に参加し、色んな意味で得をし、経済的にも欧州の産業が戦争で止まっている間に大儲けし、工業力を強めることが出来ました。中国についても欧州列強がそれどころではない隙間を狙って「対華21ヶ条の要求」などで進出を図ろうとし、アメリカとの対立が深まることになります。
この大戦は最初はオーストリアとセルビアの局所的な戦いで始まったものが、やがて欧州の多くの国を巻き込み、最後はアメリカや中国まで参戦しという文字通りの世界大戦になります。またこの大戦の結果、ロシアのロマノフ王朝、オーストリアのハプスブルク家、ドイツのホーエンツォレルン家という3つの王朝がすべて無くなります。正直な所、大学の入試で世界史を選択しなかった私は、未だに欧州史にうとい所があるのですが、多少は知識を増やすことが出来ました。
大松博文監督の「おれについてこい!」
大松博文の「おれについてこい!」を読みました。今さらですが、1962年の世界選手権と1964年の東京オリンピックでバレーボール日本女子(日紡貝塚チーム)を金メダルに導いた監督。
私の子供の頃、「巨人の星」や「アタックNo.1」などのスポ根ものの漫画やTVがブームでしたが、それは漫画などが先にあった訳ではなく、現実の方がはるかに先を行っていました。ソ連女子チームに比べて平均身長で10cm低いハンデを補うためにあみだされた「回転レシーブ」、世界の他のチームを翻弄した「木の葉落とし(無回転サーブ)」を始めとする多彩なサーブ(その頃の日紡貝塚チームの得点の1/3はサーブポイント)、漫画の「魔球」を先取りしていました。なんせ「東洋の魔女」「世界の魔女」と呼ばれた訳ですから。
何で今頃これを読んだかというと、今会社で私が管理しているグループのメンバーの8割が女性で、私は今の会社でも前のJ社でも自分の部下になった人にはどこへ行っても生きていける実力をつけて欲しいと思って、結構高い要求をしてスキルを磨いてもらっているんですが、そうしたことがものすごい負荷になっているんじゃないかとちょっと悩んでいて、それで「おれについてこい!」というすごいセリフを言えるこの人の本を古書店で求めたものです。(Amazonでは入手出来ませんでした。)
大松監督は、戦争中ラバウルからビルマに送られ、いわゆるインパール作戦の数少ない生き残りです。はっきりいって今大松監督のスタイルでやったら、パワハラ、セクハラ、ブラック企業、過労死とあらゆる非難が巻き起こりそうな気がします。当時ですら「女性の敵」「会社の敵」と言われ、日紡貝塚の労働組合からもやり過ぎを非難されたりしています。しかし、ソ連チームのように幼い頃からスポーツの英才教育を受け、基礎訓練を十分積んだ上で選抜された選手に対し、高校出てただバレー部にいただけ、という平凡な選手を、1日6~7時間という驚異的な練習で鍛え上げ、選手は監督を信じてついていき、ついにはソ連を破ってNo.1という偉業を成し遂げます。選手も監督も毎日の睡眠時間が5時間で、これは遠征で時差などで十分睡眠時間を取れない場合でも万全のゲームが出来るという対策も兼ねていたそうです。1962年の世界選手権の3年前までは日本では時代遅れの9人制バレーが主流で、6人制に転じてわずか3年でトップまで上り詰めます。
まあ大松監督は後にいわゆるタレント候補として自民党から国会議員に立候補(1度目は当選、2度目は落選)したなんてのはまったく感心しませんが、この本に書かれていることは、ただアナクロと非難して済ましてしまうことの出来ない貴重な何かを感じました。
NHK杯戦囲碁 謝依旻6段 対 六浦雄太7段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が謝依旻6段、白番が六浦雄太7段の対局です。謝6段は現在無冠なのがちょっと不思議ですが、現在の女流碁界は次々に有望な若手が出て来て大変な戦国時代で、さすがの謝6段も苦戦しています。序盤は白が下辺で黒の開きに打ち込み、それに対して黒が逆に右辺の白の開きに肩を突いて競い合いになりました。黒は右辺の白を封鎖し、中央をアタリにした所で白が右辺上方にツケコシを打ったのが好手で黒は右辺を受けずに中央をポンヌキましたが、右辺は白が地を持って治まり、白がポイントを上げました。その後左上隅でも黒がハネ出して白を分断し(写真の場面)競い合いがありましたが、結局白が左辺で治まりまた上辺にも入り込んで優勢を維持しました。その後まず中央の黒を攻める手を打って自分の上辺から延びる白を補強した後、右上隅の大ゲイマジマリの弱点に打ち込みここでも地を稼ぎました。地合では追いつけなくなった謝6段がここで下辺で白の腹中にあった1子を伸びて動き出したのが、謝6段らしい強烈な勝負手でした。その後しばらくは六浦7段も意表を突かれて対策に苦慮していましたが、下辺の白2子を継がずに中央を厚く打ったのが好判断でした。この結果上辺から延びる黒の一団に眼が無く、黒は左辺の白との攻め合いに持ち込もうと粘りましたが、黒のダメが詰まっていて攻め合いはまったく駄目であり、ここで黒の投了となりました。
DMM英会話を退会
DMMの英会話は、この10月から私の会社が非ネイティブコースの料金80%を補助することを始めたので、セルビア人講師2回、イギリス人1回(ネイティブ体験のおまけチケット)、フィリピン人講師1回のレッスンを経験しました。
セルビア人の最初の講師は以前書いたように、”This train is bound for London.”を知らないという恐るべき人で、もう一人のセルビア人講師は最初の人よりマシでしたが2回目のレッスンの直前に予約をキャンセルしてきて、ちょっと信頼出来ないと思いました。無料チケットのイギリス人講師はこれはさすがにまともですが、ネイティブコースは15,800円/月でEigoxと変わらないですし、講師の質はEigoxの方が高いと思いました。最後に今日フィリピン人講師とのレッスンを体験しましたが、発音がかなりなまっていて、正直げんなりしました。
結論としてDMMは「安かろう、悪かろう」であり、私のレベルではあまりメリットが無いと判断し、今日退会しました。フィリピン人講師なら、IELTSのスピーキングの練習で使ったMyTutorの方が1.5倍くらい上です。今後はEigoxを毎日コースに変更するか、あるいはMyTutorを継続するかのどちらかにします。
白井喬二の「人肉の泉」連載第9回
白井喬二の「人肉の泉」の連載第9回の分(「主婦之友」昭和5年12月号)を読了。この小説は以前第1回(同4月号)だけ読んでいます。第1回の話は幕府から洋風銃砲隊の編成を命じられた高島四郎太夫(高島秋帆)と、元からあった和銃の隊の隊長の田附四郎兵衛が争うという話でした。この第9回で分かることは、結局田附の讒訴が成功して高島秋帆は牢に入れられています。それを救った金持ちで金井時之助というのが登場しますが、この金持ちの正体が本名を鶏頭昇之助(とさか・のぼりのすけ)といい、ある時洞窟で何かの爆発に遭い、30才ぐらいの若者だったのがすっかり50代~60代の老人のような風貌に変わってしまったが、その洞窟の中で何万両も大金を見つけ金持ちになるという設定です。それでその女房がお仙という美人なのですが、それが由利という侍と不倫をしていて、昇之助が爆発で死んでしまったと思って二人は一緒になります。しかしお仙の腹には昇之助の子供が宿っていて、嫌々ながら二人はその子を育てることになります。そのうち由利は怠け者であるためすっかり貧乏になっていた所を、金持ちの金井の振りをしている昇之助が由利とお仙と子供を自分の家の果樹園の番人として引き取り、実の子供と始めて会う、という所で第9回は終わっています。おそらくこれから昇之助がお仙と由利に何か復讐を果たしていくのではないかと思いますが、それと高島秋帆が今後どうからむのか分かりません。まあ気長にこの年の主婦之友が古書店に出回るのを待つしかないようです。