2008年9月に、掛川花鳥園にて撮影したオニオオハシです。森永のチョコボールのキャラクターのキョロちゃんは、架空の鳥ということですが、モデルはこのオニオオハシではないかと思います。果物を食べます。
小林信彦の「小説世界のロビンソン」
小林信彦の「小説世界のロビンソン」再読完了。これは、小林信彦自身の小説体験を振り返りながら、20世紀の小説の変遷を論じたものです。小説の「物語性」を重視して、純文学とエンタテインメントに差を設けず、漱石における落語の影響を論じたり、白井喬二の「富士に立つ影」が取り上げられたりします。この本が最初に単行本で出たのは1989年2月で、その頃私は社会人3年目で、ほとんど本を読まなくなっていました。その私がこれを読んで、触発されて中里介山の「大菩薩峠」を読み始めました。そのように、読者の本を読みたいという気持ちを強力に増幅してくれる本です。(ちなみに大菩薩峠は時代小説文庫の全20巻でしたが、10巻目くらいで挫折しました。)
小林信彦の「消えた動機」
小林信彦は、三木洋の名前で(三木洋は、「虚栄の市」の登場人物の一人です)映画の原作となった作品を書いていて、「消えた動機」といいます。映画は山田洋次監督の「九ちゃんのでっかい夢」です。「消えた動機」は元々雑誌「宝石」に掲載されたものです。「消えた動機」というタイトルをつけたのは江戸川乱歩だということですが、これがよくないですね。何かというとこのタイトルから話の進行が読めてしまうからです。小林信彦はこの作品のプロットを「唐獅子暗殺指令」で再利用しています。
アオサギ
小林信彦の「コラムの冒険 ーエンタテインメント時評 1992~95」
キアシシギ
溝の口のスーパー マルエツ 閉店
Googleアナリティクス導入1カ月
小林信彦の「唐獅子株式会社」「唐獅子源氏物語」
連休中は、小林信彦の本を集中的に読みましたが、そうなるとやっぱりこれも再読しない訳にはいきません。小林信彦で一番売れた本で、「唐獅子株式会社」の方の文庫本は平成22年時点で22刷までいっています。ただ、これが代表作のトップにあげられてしまうのは、作者的にはどうなんでしょうか。作者はどこかで「ユーモア小説を書いてしまうようになった」と自嘲していました。2回映画化されていますが、最初の映画化は監督曽根中生によるものでしたが、これはひどいものでした。2回目は前田陽一監督の遺作ですが、これは見ていません。現在入手もできないようです。
今読み直してみると、スター・ウォーズ騒ぎ、アメリカ西海岸ブーム、「いい女」ブーム、など当時の風俗を思い出させてくれるのが貴重です。タロホホ王国がからむ2話には、映画珍道中シリーズの影響が強くうかがわれます。
なお、筒井康隆が「株式会社」の方への解説で、「註釈とはこのような作品にこそ必要なのですぞ」と書いているのは、田中康夫の「なんとなく、クリスタル」に対する皮肉。こういうのは時が経つとわからなくなります。
NHK杯戦囲碁 淡路修三九段 対 鈴木歩七段
NHK杯戦の囲碁、先週は三重旅行で見られず、2週間ぶり。今日の対局は黒番が淡路修三九段、白番が鈴木歩七段。淡路九段はロッキーと呼ばれた豪腕の持ち主。鈴木七段は、女流で六段から七段へ賞金獲得額で上がった実力の持ち主です。林漢傑七段の奥さんです。対局内容は、右辺に模様を張った黒に対し、白が手をつけていきますが、右上隅三々に白が入ったのがやや早すぎなのと、その後の打ち方がまずく形勢としては黒に傾きました。しかし、右上と右下の白を分断しようと、黒が頭をぶつけて白を切断に行ったのが良くなく、白二子は取れましたが、右上の黒を薄くしてしまいました。結局この黒は取られてしまいました。その後、下辺の白を攻めて劫になり、この白を取ることが出来ましたが、その代わり上辺に手をつけられて最後はこの黒も取られてしまい、黒の投了となりました。鈴木七段は先週の林漢傑七段と一緒に2回戦進出です。