トーマス・マンの「ブッデンブローク家の人々」(中)

トーマス・マンの「ブッデンブローク家の人々」(中)を読了。父のコンズル・ブッデンブロークの死後、その長男トーマスはブッデンブローク商会を継ぎ、そこそこの安定成長を実現します。その弟のクリスチアンは遊び人で何の仕事をやっても長続きせず、身を持ち崩して行きます。妹の愛すべきトーニは、最初の夫と別れた後、今度こそ心の美しい(容貌は大したことがない)男性を見つけ再婚しますが、その男性の郷里であるミュンヘンになじめず、また夫がトーニの持参金を得ると仕事をやめてぶらぶらしだし、挙げ句の果ては小間使いに手を出し、その不倫の現場をトーニに見られ、トーニはまたも出戻りになってしまいます。一方でトーマスは仕事で着実な成果を上げる一方で参事官に選ばれ市の政治にも参加します。
こういった感じで、中巻は、ブッデンブローク一家が繁栄しながらも、あちこちに影が忍び寄ってきて、やがてこの一家が没落していくのではないかという予感を抱かせます。特に、トーマスの一粒種のハンノが、その母親のゲルダがヴァイオリニストである血を引き、音楽を熱愛し商売に関心を示さず、ここでブッデンブローク家の跡継ぎに異分子が現れます。この小説は、マン自身の家系をモデルにしているということですが、このハンノの設定は、マン自身の経験が投影されているのでしょうか。それ以外に、この小説は普仏戦争の当時のドイツの社会の雰囲気とか、北ドイツの人が、南部のミュンヘンの人をどうみていたのか、といったことも教えてくれます。

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