スター・トレック・TNGの”Evolution”

スター・トレック・TNGの”Evolution”を観ました。エンタープライズ号はスタブ博士の超新星の爆発のエネルギーを使った実験を支援するミッションを与えられています。しかしエンタープライズ号は色々な変な動作が発生します。結局エンタープライズ号を制御しているコンピューターがおかしくなっていました。その原因はクラッシャーで、人体の中で病気の組織をつぶしたりするナノロボットを改良しようとして、2組でお互いに援助しながら動くものを作りますが、それがクラッシャーが徹夜でうたた寝をした間に、エンタープライズ号のコンピューターシステムに入り込み、そのチップのパターンを餌として食べ、あっと言う間に増殖しただけではなく、知能を持つように進化します。スタブ博士は実験が遅れないようにと、ナノマシンに汚染されたチップをガンマ線で攻撃しますが、ナノマシンは全滅せず、逆にスタブ博士をレーザーか何かで殺そうとします。ピカードとデータは、知能を持ったナノマシンと会話が出来るのではないかということで、データの身体をナノマシンに預け、対話を始めます。その結果、スタブ博士が謝罪したのをナノマシンは受け入れ、もっと広い世界を求め超新星の方に移ります。ナノマシンの助けもあって実験は無事に成功しました。なお、今回からエンタープライズ号のドクターがまたクラッシャーのお母さんに戻っていて、自分のミスだと何とか一人で事態を収拾しようとするクラッシャーにアドバイスしたりします。まあまあ楽しめたエピソードでした。

ウルトラマンAの「友情の星よ永遠に」

ウルトラマンAの「友情の星よ永遠に」を観ました。超獣マッハレスは高速な乗り物が発する金属音が嫌いで、新幹線や飛行機を襲い大惨事を引き起こします。その一方で北斗の幼馴染みの加島がマッハを超える速度の自動車を開発しています。加島には真弓という恋人がいましたが、マッハ車の完成が間近で引く手あまたの加島は、孤児で育ったという経歴もあって金と名誉をひたすら手に入れようとし、真弓を冷たく突き放します。そして加島のテストコースをマッハレスが襲い…というお話。Aが戦う時にTACの歌がバックで流れますが、それには南隊員の名前がしっかり入っています。(次のエピソードでまた登場するようで、その伏線?)後はありきたりで、真弓に命と設計図を救われた加島が真弓への愛に目覚める、というものです。今回もAは光線技2つで勝利します。

NHK杯戦囲碁 大場惇也8段 対 福岡航太朗5段(2024年6月16日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が大場惇也8段、白番が福岡航太朗5段の対戦です。黒の布石は懐かしの低い中国流でした。一時AIによる対策手段が有効ということで打たれなくなっていましたが、その後の研究で特に低い方は打てるということで、またボチボチと打たれるようになっているみたいです。私の世代では特に、第2期棋聖戦の藤沢秀行さんと加藤正夫さんの激闘で、黒を持った方が中国流を採用していたというのを覚えています。序盤・中盤と互角の戦いが続きましたが、黒が白のケイマの間をツケコシて切って行く前に、下辺で白が黒2子取っていた所を利かしに行ったのに、白が手を抜いて中央を打った判断が的確で、これによって黒の右辺から中央の模様の広がりが抑えられ白が優勢になりました。その後白がヨセで若干リードを拡げ、最後右下隅の死活で黒がうっかりしてポカを打って頓死し、ここで黒の投了となりました。

トワイライト・ゾーンの”Probe 7, Over and Out”

トワイライト・ゾーンの”Probe 7, Over and Out”を観ました。このエピソードには何と、原子力潜水艦シービュー号のネルソン提督を演じていたリチャード・ベイスハートが主役で登場します。しかしこの回が放送された当時は、まだ原子力潜水艦シービュー号は始っていません。宇宙飛行士のアダム・クックはトラブルである人が住めそうな星に不時着することになりましたが、着陸に失敗して宇宙船は故障してしまいます。地球とは何とか通信が出来、救助船の派遣を要請しましたが、地球では丁度その時、米ソ間と思われる核戦争が勃発し、結局地球側は「そちらで生き延びてくれ」というメッセージを残して全地球が滅亡します。アダム・クックはその星に誰かいないか探しますが、突然飛んで来た石に頭を打たれ気絶します。結局石を投げたのは、別の星の女性で、その星が軌道から外れて宇宙を彷徨い始めたのに対して一人だけ脱出してその星に来たものでした。その名前がノルダで、最後にイブ・ノルダというのがフルネームであることが分ります。ここまで来ると「なーんだ」ですが、二人はアダムとイブとしてその星で一緒に生きていくことを決意します。
しかしベイスハートはやはり名優ですね。

塩野七生の「ローマ人の物語」の「すべての道はローマに通ず」[上][下]

塩野七生の「ローマ人の物語」の「すべての道はローマに通ず」[上][下]を読了。この巻は、ローマの特定の時代を描いたものではなく、ローマが作り上げたインフラストラクチャーをハードとソフトの両面で概観したもの。感心したのはローマの水道のレベルの高さ。消毒剤というものが無かった時代にどうやって水道の衛生さを保っていたのかと前から不思議に思っていましたが、水源を川から直接取水したりせず、山の中の湧き水などの元がきれいな水を利用していたのと、後は常に流しっぱなしを保ち、それによって水が痛むのを防いでいたようです。この流しっぱなしというのは、料金が基本無料(自分の家まで延長してもらった場合は有料)だからこそのシステムと思います。また先ごろローマのコンクリートが現代のものより寿命が長い理由が解明されていましたが、おそらくローマ人は科学的に解明したのではなく、経験的に知っていたことだと思いますが、そういう「実践知」の素晴らしさがローマの魅力です。
後半の教育の所でいわゆる「弁論術」の話が出て来ますが、この分野について塩野七生が何も知らないのだということが分りました。結局レトリックは世界で共通して「起承転結」だみたいな、トンデモ論を書いています。論文とかプレゼンテーションを準備するのに何でもかんでも「起承転結」で済まそうとする上司達と戦って来た私にはほとんど噴飯ものです。

ウルトラマンAの「この超獣10,000ホーン?」

ウルトラマンAの「この超獣10,000ホーン?」を観ました。騒音を好む超獣が工場な暴走族のマフラーの音によって出現します。北斗が自分も昔そういう時期があったということで、何とか暴走族を更生させようとおせっかいを焼きます。最初は反発していましたが、超獣から幼稚園の子供達を助けるのを手伝ったのが子供達に好かれるようになり、改心します、という話。まあそれはいいんですが、TACが民間人を危険にさらすようなことをしているのはいいのか、と引っ掛かります。後はバイクの仕様がこの頃はこんなのだったのか、というぐらいが取り柄です。

ワイルドな相模湖周辺

JR藤野駅から車で自宅に帰るのに、昨晩(10日)はイノシシ、今晩(11日)はメスのシカを目撃。写真は私が撮ったものではありませんが、どっちも大きさ的にはこんな感じでした。どうも獣道というか、いつもほぼ同じ場所で目撃している感じです。元々獣道を後から道路が横切ったんだと思います。

E.M.フォースターの「モーリス」

E.M.フォースターの「モーリス」を読了しました。この本を買ったのは出たばかりの1988年で、実に36年間積ん読状態でした。私は元々フォースターのファンですが、1988年になってこの本はようやく出版され、その理由は男性の同性愛を扱っているからということのようです。しかしフォースター自身の説明によると、男性の同性愛を扱ったこと自体が出版出来なかった理由ではなく、結末がハッピーエンドだったから、ということだったようです。要は主人公のモーリスがその性的嗜好の「罰」を受けて不幸になる、という話だったらOKだったみたいです。しかしこの話は要するにモーリスがダーラムという大学での友人と同性愛関係になるけど、二人が社会人になってからダーラムが「普通の」女性愛に目覚めて結婚して、モーリスは振られた形になり、その腹いせではないのでしょうが、ダーラムの家の召使いだった若い男と関係を結んで、結末では二人が一緒に暮しはじめる所で終ります。しかし私はちっともハッピーエンドとは思えず、そもそも地位も違う二人で、当時同性愛は犯罪でした。この二人の将来が明るいものとはとても思えませんでした。全体に読んでみたらどうということはなく、大体フォースターもメンバーの一人であるケンブリッジ大学出身者のブルームズベリーグループは「ホモグループ」としても有名で、ケインズもその一人です。まあ36年経っていまやLGBTQは普通のこととされ、時代も変わりました。この小説の映画もあり、Blu-ray持ってますので観てみるつもりです。

塩野七生の「ローマ人の物語」「賢帝の世紀」[上]、[中]、[下]

塩野七生の「ローマ人の物語」「賢帝の世紀」[上]、[中]、[下]を読了。2世紀のローマの黄金時代、五賢帝といわれる、ネルヴァ、トライアヌス、ハドリアヌス、ピウス、マルクス・アウレリウスの内、トライアヌスからピウスまでをこの巻は扱っています。しかし、残念ながら、これまでの所に比べるとつまらないのですね。理由は塩野七生が言い訳を書いていますが、タキトゥスがもはやトライアヌス以降は歴史を書き残しておらず、また他の人による記録も少なく、情報が非常に少ないからです。また、トライアヌス、ハドリアヌスの二人はあまりに出来過ぎで、読んでいて、何か劣等感を感じてしまいます。ピウスは軍人としてはまったく才能も経験も無かったですが、前の二人があまりに完璧に防衛体制を確立してしまったため、内政に特化してそれできっちり仕事をしています。それでもこの2世紀の重要事項としては、ローマに対して2度も反乱を起したユダヤが、ついにハドリアヌスによってエルサレムから完全追放されるディアスポラに処され、その後20世紀にイスラエルが建国されるまで、世界中に離散して生活することになります。大体この全盛期のローマに対して反乱を起して勝てる訳がないと思うのが普通ですが、神を狂信的に信じると理性が眠る、という日本でもつい80年前にあったのと同じことが起きています。今旧約聖書の本編を読み終わっていま続編(外典)を読んでいますが、ユダヤ教というのは例えばソロモン王の時のような全盛期には単なる昔からある古い宗教(日本で言えば明治以前の神道)みたいなもので、本当にユダヤ教が確立するのはいわゆるバビロン捕囚の苦難の時代になってからと言われます。要は自分達がこんな惨めな境遇に陥ったのは代々のユダヤの王と民がヤーウェを信じずないがしろにしたから、というのが旧約聖書だと思います。

NHK杯戦囲碁 本木克弥8段 対 依田紀基9段(2024年6月9日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が本木克弥8段、白番が依田紀基9段の対戦でした。序盤から中盤にかけて、白は左下隅に打ち込んだ石を捨て石にして中央をやや厚くし、更にその後左辺の攻防になりましたが、白の4子くらいが左辺に置き去りになって、左辺から左下隅が通しの黒地になり、この辺りは黒が優勢でした。異変が生じたのは、左辺で白が利かしに行ったのを黒が受けずに、上辺の白を攻めにいった時です。黒は右辺下から中央に延びる石に眼が無いので、上辺白の攻めでそれをカバーしようとしたこともあるのでしょうが、結果的に左辺で取られていた白2子が復活し、出入りは大きく、白が挽回しました。また上辺の白も眼2つながら先手で活きたので、黒の攻めは空振り、明らかに白が成功し優勢になりました。後は依田9段の手堅い収束振りで、結局終ってみれば白5目半勝ちになりました。久しぶりに依田9段らしい碁を観たように思います。