本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鶴山淳志8段、白番が大西竜平7段の、まあ言ってみればイケメン対決でした。大西7段の碁は大西ワールドという独特の世界観が特長ですが、本日の碁はどちらかと言えば、鶴山ワールドとも言うべき、力と力の全面対決という碁でした。布石は黒が盤面の右側、白が左側を占めあうプロの碁では比較的珍しい展開になりました。単純な囲い合いでは先番の黒に利があるため、白は右上隅に肩付いた石から中央に展開し、これを黒が攻める碁になりました。中央の押し合いで、白がじっと伸びて我慢すべきなのをハネていったのが、私から見れば打ち過ぎで、鶴山8段が待ってましたとばかりに切りました。白がそれに対し黒の反対側を切ったのがやり過ぎの第2段で、鶴山8段の大好きな碁形にしてしまいました。結局白は頑張れず中央でタネ石の4子を取られ、右辺から右上隅に展開して、結局振り替わりになりましたが、白の中央の損が大きく、ここで黒が優勢を通り越して勝勢になりました。ただ大西7段の碁は大体このように中盤まで劣勢で、ヨセで逆転して半目勝ちという碁が多いそうで、この碁も黒が固く打ったのと、途中小さなミスもあり、半目勝負かという局面になったこともありました。しかし結局黒の2目半勝ちに終わりました。大西7段は少し中盤の打ち方に誤算があったように思います。
トワイライト・ゾーンの”The Howling Man”
トワイライト・ゾーンの”The Howling Man”を観ました。デイヴィッド・エリントンは若い頃、第1次大戦後の中部ヨーロッパを徒歩で旅していた時に嵐に遭い、道に迷い倒れそうになった時にある建物を見つけそのドアを叩きます。その中には10人(?)くらいの道士風の衣装を着て先が曲がった木の杖を持った男たちがいました。その一行の指導者のジェロームはエリントンにすぐ出ていくように言いますが、エリントンは過労と雨で身体が冷えたので倒れてしまいます。しばらくして意識が戻ったエリントンは、建物の中に牢があり、そこに男が一人捕らえられていることを発見します。男はジェローム達は狂人で、牢から出してくれるよう懇願しました。しかしそこにジェローム達がやって来て、エリントンはその男についての説明を受けます。ジェロームはその男は悪魔で、彼らが捕まえたからやっと戦争が終って平和になったのだと言います。しかしエリントンは信じたふりをしただけで、結局夜中にその男を助けて部屋から出します。エリントンはすぐにその男によって金縛り状態にされ、その男の顔が伝統的な悪魔の顔に変わっていくのを目撃します。ジェロームの言ったことは真実だったのです。エリントンは自分の過失で悪魔をまた解放してしまったことを悔い、その後の人生を悪魔を再度捕まえることに捧げます。そして既に中年になっていたエリントンがようやく再度悪魔を捕まえて閉じ込めることに成功します。しかし彼が外出している間に彼のお手伝いさんが悪魔をまた牢から出して…という話でした。
うーん、こういう話なら別に舞台は現代でも無くて良い訳で、トワイライト・ゾーンでやるべき話ではないように思います。やっぱりシーズン2はイマイチですね。
アウター・リミッツの”The Man with the Power”
アウター・リミッツの”The Man with the Power”を観ました。またもSFホラーでした。ハロルド・J・フィンリーは大学の先生でしたが、内気で弱気で人と争うことも出来ないような性格でした。安月給を補うためある中学校で生徒を教えていました。しかし彼はある画期的な装置を発明し、それを自分の身体で実験します。その装置を脳のある位置に埋め込むと、宇宙線のような我々のすぐ身の回りにあるエネルギーを集中・増幅させることが出来、またそれは人間の意識によって制御可能でした。フィンリーはこの技術を頓挫寸前だった資源獲得のための小惑星探査プロジェクトに売り込み、それはすぐ採用され、ある若い宇宙飛行士の脳に同じ装置が埋め込まれることになります。しかしこの装置は思いがけない副作用を持っており、フィンリーが表面的は怒りとか恨みの感情を抱いていない場合でも、彼の深層が無意識にそういった負の感情を持った場合、あるエネルギー体の雲と雷鳴のようなものを発生させ、それによって人々を殺してしまうというものでした。フィンリーはこの副作用で、自分に中学校教師を続けるよう強要する校長先生を殺してしまい、また自分の奥さんすら危うく殺しかけます。この副作用に気がついたフィンリーは若い宇宙飛行士の手術を中止するように言いますが、麻酔薬で眠らされ、手術が始ります。しかしフィンリーは麻酔薬の眠りの中で、副作用による雷雲めいたものを発生させ、手術室を破壊します。結果として手術は中止なりますが、彼自身もこのような能力を持った人間は生きるべきでない、と言い、自分自身が作り出したエネルギー体によって消滅します。
どうでもいいですが、どれもこれも話が暗いのは辟易します。冷戦による核戦争の危機の時代で、人々の不安感が大きかったのにこのドラマは便乗しているように思います。
コージィ城倉の「プレイボール2」の元ネタ
コージィ城倉の「プレイボール2」の元ネタ。ちばあきおの短篇の「磯ガラス」のメンバーが、川北高校のナインの内7人(多分バッテリー以外)を占めています。「キャプテン2」の中でもこの7人が釣りが趣味であることが描かれています。(それどころか「磯ガラス」の一場面がそのまま使われています。)ちなみにこういう元ネタ探しを楽しんでいるのであって、非難している訳ではまったくありません。逆にこれから「キャプテン2」でどんな元ネタが新たに使われるかが楽しみです。今の所「トーボくん」とか「チャンプ」のキャラはまだ使われていないようです。
トワイライト・ゾーンの”A Thing About Machines”
トワイライト・ゾーンの”A Thing About Machines”を観ました。うーん、本当にシーズン2になってからつまらないです。この話は人間嫌いのグルメ評論家のフィンチレーが、家の中のマシン全部に反逆され、最後は自分の車に追いかけられ、結局はプールに落ちて溺死する、という話です。家の中のタイプライターが勝手に「ここを出ていけ、フィンチレー」とタイプし始めたり、電気剃刀が襲ってきたり、テレビが勝手にONになって、そこに出てくるフラメンコのダンサーがやはり「フィンチレー出ていけ」としゃべるとか、ホラーとしては十分怖いんですが、ストーリーとしてそうなった理由とか背景説明もまったくなく、ただ機械に襲われる男の話に過ぎません。
中根千枝先生の「社会人類学 アジア諸社会の考察」
中根千枝先生の「社会人類学 アジア諸社会の考察」を読了しました。昨年10月の先生の訃報を聞いてからしばらくして買い求め、読み始めたものです。ここの所半年くらい、6冊くらいの日本語の本をほぼ常に同時に読んでいるので、読了が遅くなりました。内容は家族の構造などの社会人類学の基礎概念の解説と、中国、インド、韓国、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、シッキムなどの社会構造を、階層とか社会構造、人間ネットワークの観点で比較分析したものです。後者については先生も書いておられるように、まだ最初の試み、という感じがありますが、しかし社会学者が「社会」を研究対象にしながら、このような視野の広い比較による社会分析が十分出来ていないのに比べると、先生のこの研究のようなものの方が一歩先を行っていると思います。また現在文化人類学はサイードの「オリエンタリズム」におけるような欧州中心主義に対する批判とか、ポストモダン側からの極端な相対主義による批判にさらされ、かつての勢いを失っているようですが、日本を含むアジアの文化人類学者というのは、そういう批判の外にいて、独自の貢献が出来る可能性を持っているように思います。少なくとも私にとっては社会学と文化人類学は車の両輪のようなものです。
アウター・リミッツの”The Architects of Fear”
アウター・リミッツの”The Architects of Fear”を観ました。
またエイリアンものですが、そのエイリアンがとてもグロくて悪夢に出てきそうです。(このグロさのため、このエピソードはアメリカの多くの州で放送禁止になったみたいです。このためここの写真もいつもよりサイズを小さくしています。)
冒頭で核ミサイルがあるアメリカのどこかの都市を目がけて飛行しており、人々が逃げ惑っています。そのしばらく後、キノコ雲が立ち上ります。
その録画をある部屋で10人くらいの科学者が集まって観ており、これを止めるためには人類が共通の恐怖を持つ必要があるという結論になります。そこで彼らはクジを引いて、アレン・レイトンという男が当たりになります。彼らの計画は、たまたま捕まえたどこかの星のエイリアンをモデルにして、人間を一人エイリアンに改造して宇宙船に乗せ、国連ビルの中庭にそのロケットを降り立たせ、そのエイリアンに地球侵略の計画を語らせ、それによって敵対する国同士の団結を図ろうとするものです。レイトンにはイベットという奥さんがいますが、レイトンは突然事故で死んだことにされます。レイトンは身体の組織を変性させる薬を注射され、また内蔵も取っ替えられて、窒素を呼吸するようになります。そしてロケットに乗せられ衛星軌道に送られました。しかし、再び大気圏に入ったそのロケットのカプセルは、国連ビルでは無く研究所を目指していました。直感でそこにやって来たイベットは、そのエイリアンが、額を縦に撫でる魔除けのおまじないのポーズをやったことから、それがレイトンであることを理解します。しかしレイトンは何かの身体の不調でそのまま死んでしまいます。しかし、最初に捕まえたエイリアンはどこからやって来たか不明ですし、また人間を改造してエイリアンにしなくても、偽の動画でも作って衛星軌道状から地球に向けて放送するとか、色んな手がありそうに思います。ともかく話が暗くて辟易しました。
千葉一郎の「ちばあきおを憶えていますか」
千葉一郎の「ちばあきおを憶えていますか」を読了。著者はちばあきおのご長男です。ちばあきお、存命なら79歳ですが、1984年に41歳の若さで世を去ります。その死因を今まで知らなかったのですが、アルコール依存からの自殺だった、ということにショックを覚えました。また「プレイボール」のまだ本当にこれから、という所での唐突な終わり方も、本書を読んで、当時ちばあきおが仕事に追い詰められて書けなくなっての終了だということを知りました。また完璧主義者で、単行本になった状態の自分の絵に、さらにまた赤で修正を入れるのが常のことだったということです。また、元々兄であるちばてつやのアシスタントとして漫画家人生を始めたちばあきおですが、41歳で亡くなった時に連載中だった「チャンプ」をちばてつやが自分が引き継ごうかと考えたことがあるそうです。この場合原作は千葉兄弟の末弟の七三太朗ですから、絵さえ誰かが描けば続けられた訳です。しかし「チャンプ」の頃のちばあきおの絵は、ちばてつやですら既に真似をすることの出来ない独自のものになっていて断念したとのことです。この本の中のファンの言葉として、「ちばてつやの作品も素晴らしいけど、本当に影響を受けたのはちばあきおのキャプテンやプレイボール」という言葉は、そっくりそのまま私の感想でもあります。
キャプテン2と校舎裏のイレブン
トワイライト・ゾーンの”Nervous Man in a Four Dollar Room”
トワイライト・ゾーンの”Nervous Man in a Four Dollar Room”を観ました。
ジャッキー・ローズというチンピラは、ボスからの指令を待って、一泊4ドルの安ホテルで電話を待っています。やがてそのボスのジョージからの電話が来て、すぐその後にジョージが部屋までやってきます。ジョージはローズにピストルを渡し、あるバーの老マスターが彼らにみかじめ料を支払わないので、見せしめに殺すように言います。ローズはこれまでチンケな仕事しかしたことが無く、殺人は未経験でした。ホテルの部屋で葛藤していると、部屋の鏡に写ったローズの像が突然しゃべり出します。その像は自分はローズの中の別の部分だと言い、ローズにギャングは辞めて人生をやり直すように言います。そしてローズが好きで結婚する筈だったのに、ローズが犯罪によって牢に入れられた間に別の男と結婚したことを思い出させます。像は自分が今のローズに入れ替わると主張します。ローズは葛藤しますが、結局殺しには行きませんでした。ボスがローズが仕事をやらなかったことを咎めに部屋にやって来ます。しかしローズは「もうこんな仕事は辞める」と言い放ち、ボスを殴り倒して部屋を出て行きます。おそらくどこかで鏡の中のローズと入れ替わったんでしょう。
うーん、イマイチでした。何だかシーズン2になってから脚本の質が低下したように思います。おそらくシーズン1で人気が出てシーズン2の放映が決定されると、今までのような攻めの姿勢で新しいジャンルのドラマを作っていくんだという意気込みが薄れ、ある意味守りに入り、素晴らしい作品とまでは行かなくてもそこそこのものを作る、という姿勢に(無意識の内に)変わったんじゃないかと思います。