藤沢秀行名誉棋聖の「秀行の創造 全局の要点」

故藤沢秀行名誉棋聖の「秀行の創造 全局の要点」を読了。「次の一手」ものは、今でも秀行さんのが一番面白くてためになります。昔はプロ同士でどう打っていいかわからない時は「秀行さん呼んでこい」が定石でした。この本は1990年の出版ですが、問題になっている碁を打っている人は、依田紀基、高尾紳路を始め、結城聡、三村智保、清成哲也、倉橋正行といった、現代でのトッププレーヤーの棋士が揃って出てきています。囲碁は部分的な読みもしっかり鍛える必要がありますが、それだけでは駄目で、局面をどう進めていくのかの感覚も重要で、この本はその点が非常に鍛えられます。

NHK杯戦囲碁 結城聡9段 対 村川大介8段

本日のNHK杯戦の囲碁は最後のベスト8を選ぶ戦いで黒が結城聡9段、白が村川大介8段の対戦です。関西棋院同士の対戦です。対局は右下隅で石が切り結んだ戦いとなり、白は右辺から延びた石が黒の2子を取って治まり、また下辺も黒の石を2回ぽん抜いて、悪くなかったと思います。しかし黒は中央で延びた石から跳ね、白が跳ね返したのに、すかさず挟みつけました。この手が厳しく、結果、黒は中央を封鎖し、その結果、右辺の白の眼を取って攻める手が生じ、黒が打ちやすい碁になりました。しかし白も下辺で得をしており、大きなリードではありませんでした。その割には黒は左辺での打ち方が甘く、ヨセに入ってみると、地合は白優勢に変わっていました。非勢の結城9段は上辺の白の眼を取って攻めます。白は左辺に確実につながるのと、中央で眼を作るのが見合いでしのぐのは問題ないと思われていたのですが、実際にはどちらもダメで、上辺の白が取られてしまいました。ここで白の投了となりました。村川8段には惜しい一戦でした。来週からいよいよ準々決勝です。

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」を読了。結局三冊全部読んでしまいました。この巻には、いつも趙治勲さんがいじりのネタにしている石田芳夫二十四世本因坊が登場。治勲さんの悪口を全部許した上で、治勲さんが石田芳夫二十四世本因坊をいじるは、木谷一門での治勲さんの先輩の中で甘えられるのがもう石田さんだけだから、ということです。ちょっと感動的です。木谷一門というのは木谷実9段の弟子のことで、「木谷道場」と呼ばれる内弟子生活を送った棋士の総称です。一時は7大タイトルを一門で独占し、一門で取った7大タイトルの数は全部で146にもなります。そうやって若い時を一緒に囲碁修行をした先輩後輩の仲をずっと保ち続けるというのも素晴らしくうらやましいことだと思います。

劉昌赫/金世実の「小目一間ガカリの周辺」

劉昌赫(ユ・チャンヒョク)/金世実(キム・セシル)の「小目一間ガカリの周辺」を読了。この所、ずっと定石関係の棋書を読んでいてその一つ。実戦でよく出てくる、小目に一間高ガカリの定石の変化をまとめたものです。どちらかというと浅く広くという感じで、個々の変化は詳しくないですが、最近の実戦によく出てくる変化がまとめてあるので、有用です。出版されたのも2016年7月で出たばかりです。黒の小目に白が一間高ガカリして、黒が一間に低くはさんで、白が隅につけて、黒が二間に開くのは、「張栩定石」ということで、張栩9段が打ち出した手だということを初めて知りました。

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室」

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室」を読了。第2巻を試しに読んだらとても面白かったので、1巻と3巻もポチりました。この1巻も面白いです。「小林光一とは本当に仲が悪かったのですか」という質問に対して、色々書いた後で、「最後になりましたが、光一さん、名誉棋聖、名誉名人、名誉碁聖おめでとう。名誉本因坊もあれば最高だったね。なんで名誉本因坊がないんだろうねえ……」なんて書いています。小林光一名誉名人は、本因坊に4回挑戦しましたが、その相手が全部趙治勲さんで、その全てに負けたんです…
また、囲碁入門として紹介している張栩9段の「黒猫のヨンロ」、私もiPodで購入して(380円)、やってみましたが、なかなかいいですよ。囲碁を始めたい方にお勧め。