NHK杯戦囲碁 広瀬優一5段 対 村川大介9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が広瀬優一5段、白番が村川大介9段の対戦でした。先週の対局では、「四隅取らせて碁は勝ち」という内容でしたが、何と今週も黒の広瀬5段が2隅で三々に入って四隅を取り、典型的な実利対厚みの展開になりました。白は上辺から左辺にかけて大模様を張りました。黒はそれを承知で中央で押して白の壁を作らせて自分も厚くし、右辺の白に打ち込んで行きました。白は右辺はあまり頑張らず半分くらい捨て気味に打ちました。そこが一段落した後、黒が下辺から延びる白のケイマで飛んでいる所の連絡の不備を利かしに行きました。白はそれを直接受けずに下方の石から下辺にケイマして反発しました。その攻防は白が上手くやってポイントを上げました。しかし左下隅で白から劫にする手が残っていたのですが、白は劫材は有利と見て、すぐに仕掛けました。それで黒の劫材で右辺の白を切り離す手に受けずに劫を解消しました。白は最初に黒が利かしに行った手を無駄にして手入れを省いたので有利と判断したのでしょうが、黒が色々味が悪かった右辺を全部地にしたのも大きく、形勢は互角に戻りました。白はもう少し劫を頑張った方が良かったと思います。後は白が大模様をどれだけまとめられるかが勝負でしたが、白は上手く黒の右辺からの侵入を止めたと思いきや、黒の上辺左の2線の置きが良い手で、左下隅との連絡と、白が右側で抱えている黒の逃げ出しの見合いで白は抵抗出来ず、上辺左が黒地になり、なおかつ先手での白2子取りも打て、黒が勝勢になりました。結局黒の7目半勝ちになり、この碁は四隅を取った方が勝ちになりました。広瀬5段はタイトル経験者に対して見事な勝利で3回戦に進みました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA