スター・トレックの第2シーズンの”The Omega Glory”を観ました。脚本はジーン・ロッデンベリーが書いているのですが、何だか変な話でした。エンタープライズ号がオメガ4という星に接近すると、そこにはUSSエクスターが周回軌道を回っていました。しかし通信にエクスターは答えなかったため、カーク、スポック、マッコイ達4人はエクスターに転送で移動します。そこではクルーは体の水分をすべて奪われ、結晶物だけが残っていました。残されたログから、エクスターのクルーは何かの病原菌に冒されたのであり、カーク達も既に感染しており、助かるためには惑星に降り立つしかないと言われ、カーク達はそうします。そこには中国のようなコムズという部族と、野蛮なヤングズという部族が争っていました。細菌はどうやら過去の両部族の細菌兵器による戦争のためみたいでした。そこにまたエクスターの船長のトレーシーがいました。トレーシーはコムズに味方して、フェイザーで多くのヤングズを殺していました。その理由はこの星には細菌への抗体だけでなく、1000年も生きる長寿命を可能にする何かがあると思ったからでした。トレーシーはマッコイに長寿の秘密を探らせ、カークは捕まえていたヤングズの2人(男女)の檻に入れ、争わせます。途中でカークはヤングズ達が英語を理解することを発見し、一緒に協力して牢屋の窓の鉄棒を外しますが、外し終った時ヤングズの男はカークを殴り倒して逃げます。その後気が付いたカークがスポックと共に逃げますが、またトレーシーと争いになります。しかしその争いの間に全員ヤングズに囚われてしまいます。そしてカーク達がヤングズ達の儀式を見ていると、彼らが誓いの言葉を述べているのは、なまっていますがアメリカの「国旗への忠誠」でした。そして彼らは旧い星条旗も持っており、また彼らが聖典として持っていたのは合衆国憲法でした。トレイシーはしかし、カーク達が天国から追放された悪魔だと言い張り、証拠がスポックの耳だと言います。結局カークとトレーシーは素手でどちらが正しいか戦うことになります。スポックはその戦いの間にヤングズの女性に催眠術をかけてコミュニケーターをONにさせます。その音声で状況を把握したエンタープライズ号のスールー達が救援隊を転送させ、キャプテン達は解放され、トレーシーは逮捕されます。
という内容ですが、しかし何故遠く離れた惑星に地球と同じヤンキースと中国人がいるのかの説明はまったくありませんでした。星条旗や合衆国憲法まで出て来るのはご都合主義的過ぎます。まあヤンキースの方が原始人みたいに描写されているのは面白いですが。
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Eduardo Paniaguaの優秀録音:Alarife’s Mudéjare’s
Eduarudo PaniaguaのCDはどれも録音が良く、おそらくマイクはワンポイントか2本だけのシンプルな録音機材で、音の鮮度が抜群です。また、多くが石造りの教会とかで録音されており、自然なエコーが素晴らしいです。そんな中から一枚紹介すると、”Alarife’s Mudéjare’s”というのが特にユニークです。Alarifeというのは建築家・大工と言った意味のようです。Mudéjareというのは、中世のイベリア半島で、レコンキスタというキリスト教徒による国土回復運動の結果キリスト教支配地域になった場所に残ったムスリム達のことのようです。そのMudéjare達がCuéllarに作った、San Martin教会(モスク?)で演奏されていた音楽を再現したもののようです。といってもパニアグア一族のことですので、かなりの部分想像に基づいていると思います。(一部「聖母マリアのカンティガ集」のある曲のメロディーも使っています。)録音として面白いのは建築家ということで、教会を作る所から始まり、トンカチカンカン、ノコギリギコギコという音が鮮度良く録音されています。また季節は秋なのか虫の声がかなりの音量で入っていたり、さらにはパニアグアお得意のチョロチョロ噴水の音も聞こえます。(何故か結構高い所から聞こえます。)出来上がった教会の中の録音は、縦に長く横が狭い建物だというのが良く分かる残響音になっています。こういうある種純粋な音楽とは違うある意味ゲテモノですが、何にせよオーディオ的には面白いです。
巨人の惑星の”A Small War”
巨人の惑星の”A Small War”を観ました。父親に与えられた、リモコンで操作する兵士のおもちゃにすっかり夢中の少年が、キャプテン達を敵のValvoのスパイだと思いこんで、オモチャの兵士、オモチャのタンク、オモチャの飛行機などでキャプテン達を攻撃します。その少年はキャプテン達の宇宙船もたまたま見つけてしまい、オモチャの飛行機で石ころを使って「爆撃」までします。マークは少年が本当に自分達を殺そうとしていると、少年を攻撃に行きますが、捕まって捕虜収容の小屋に閉じ込められます。少年は鉄条網に高圧電流まで流します。しかしダンがオモチャの機関銃によって傷つき、血を流したのを見て、なおかつベティーが説得したのでようやく少年もキャプテン達がValvoではないことを理解します。しかしそこに少年の父親が戻って来て、話を聞いてそれはオモチャの兵士ではなく、リトル・ピープルだと言って、捕まえたら賞金がもらえると、キャプテン達を探し回ります。運悪くフィッチューとベティーが父親に見つかり、モグラ穴の中に閉じ込められます。そこでキャプテンがオモチャの飛行機に乗り込み、父親を攻撃しますが、逆に石を投げ付けられてキャプテンは気絶してしまいます。しかし少年がリモコンで飛行機を無事に着陸させたのでキャプテンは助かります。しかし子供がミニチュアの何かでキャプテン達を困らせるというのは、前にミニチュアの街の話でもありました。
エデュアルト・パニアグアのCD
エデュアルト・パニアグアというスペインの古楽演奏者がいます。
私はこの人のCDを31枚ほど持っています。元々は、グレゴリオ・パニアグアとアトリウム・ムジケーという1964年に結成された古楽演奏団体があって、中世などの今日では失われた楽器を自分達の工房で再現し、それを使った演奏を行っていました。私が持っているアトリウム・ムジケーの音源で一番古いのは、スペインのHispavoxというレコード会社が出した「スペイン古楽集成」のLPの中の「聖母マリアのカンティガ集」がアトリウム・ムジケーの演奏によるものです。
グレゴリオ・パニアグアとアトリウム・ムジケーは、1980年頃に発売された「古代ギリシャの音楽」のLPをオーディオ評論家の長岡鉄男がアナログの超録音優秀盤として激賞したことで、一躍有名になり、その後「ラ・フォリア」「アラブ・アンダルシアの音楽」「ラ・スパーニャ」等のやはり録音優秀盤が次々に発売されました。ちなみに「古代ギリシャの音楽」は厳密な考証に基づくものではなく、限定された史料から楽器を再現し、また想像力を膨らませて曲を作って演奏しているもので、本来の古代ギリシャの音楽そのものとは言えません。そういう意味で真面目な音楽評論家・音楽学者はパニアグアを毛嫌いする人もいます。
今は、おそらくグレゴリオは引退し、その年の離れた弟(といっても1952年生れなので今は69歳ぐらい)であるエデュアルド・パニアグアが今でも精力的に演奏活動をやってPneumaというレーベルからCDを出し続けています。特筆すべきは、「聖母マリアのカンティガ集」の録音です。全部で406曲もあるこの14世紀の音楽のCDをエデュアルドはこれまで私が知る限り15枚くらい出しています。406曲の中できちんと楽譜が付いているのは一部で、それも正確に採譜されているか怪しいものも多く、おそらくやはり想像力と最新の研究を合わせてCDを録音し続けているんだと思います。
カンティガだけでなく、スペインの中世の特徴である、アラブ系・イスラム系の音楽も積極的に録音しています。スペインの中世というのは、キリスト教、イスラム卿、ユダヤ教(スペインを支配したイスラムの王朝はユダヤ教に関しては寛容で、ユダヤ人達は自分達の信仰を守りながら暮していくことが出来ました)の混じり合った非常に興味深い音楽文化を持っており、その一部をエデュアルドの演奏で聞くことが出来ます。
なお、今出ているCDの録音についても、かつてのLP時代のものに比べてまったく遜色ないどころか、場合によってはデジタル録音の進歩でかつてのレベルを上回り、オーディオチェックには最適です。長岡鉄男が亡くなってからこういう録音優秀盤を継続的に紹介し続ける人がいなくなってしまいましたが。
NHK杯戦囲碁 瀬戸大樹8段 対 山下敬吾9段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が瀬戸大樹8段、白番が山下敬吾9段の対戦です。瀬戸8段はこれまで6戦して山下9段に勝っておらず、苦手のようです。先期山下9段は初手天元、5の5など意欲的な布石でベスト4まで行きましたが、今回はタスキの星から天元と、また面白い布石でした。この布石のポイントですが、天元の石がどのくらい働くかですが、結果的に攻めと守りの両方に十分働き、成功でした。この碁の最初のポイントは左下隅から左辺にかけての折衝で、黒が上手く左下隅に入りこんで、なおかつ左辺の黒地も値切ることに成功したので、ここで白のリードとなりました。しかし勝負を決定付けたポイントは右上隅でのお互いに眼の無い石の競い合いでした。しかし白は天元の石の働きもあって右上隅からの白の眼の無い一団が黒2子を取って治まり、逆に黒の右上隅からの一団が眼が無く追い立てられ、右辺と右下隅に白地を作りながら攻められたのが黒の敗因でした。結果として盤面で持碁の白の6目半勝ちでした。山下9段の意欲的な布石が成功した一局でした。対して瀬戸8段はちょっと打ち方が固すぎて効率として白に遅れたという感じでした。
インチキ真空管アンプに騙されないように
Just MyShopというジャストシステムの通販サイトから「真空管アンプ」のメールが来ました。しかしここで紹介されているアンプはYAHAアンプ(Yet Another Hybrid Amplifier=なんちゃってハイブリッドアンプ)というもので、プリの1段目に確かに真空管を使っていますが、12Vと言う低電圧で、真空管のもっとも特性の良くない箇所(増幅特性が直線ではなくかつ増幅率も悪い箇所)を使うもので(要するにどれだけ低電圧で真空管を駆動出来るかのお遊びであり、高音質のためではまったくない)、またメインの増幅はデジタルアンプなので、真空管らしい倍音の多い音などまったく期待出来ない安物です。
またブランドは「サンスイ」となっていますが、これはドウシシャという会社が山水電気が破産した時に、ブランドを買い取ったもので、かつての山水の製品とはまったく関係ありません。
それから「倍音を追加する」とか適当なことが書いてありますが、真空管が倍音をエコーのように追加するのではなく、真空管の歪が奇数倍の高調波歪みが少なく、偶数倍の歪が多いので、(真空管が半導体に比べて歪み率が悪くても)比較的気にならないというだけの話です。
まあ要するに一種の詐欺商品です。こういうもので真空管アンプを試してみようと思わない方がいいです。Just MyShopからはこの前も「真空管アンプ」が来ていて、こちらはちゃんと真空管アンプでしたが、それも何故か五極管シングルで五極管接続という、一般的にはあまり音の良くないとされているものを、「A級アンプだから音がいい」と書いてありました。真空管アンプの場合シングルアンプは全てA級アンプです。また音を良くしたいなら一般的は三極管を使うか、あるいは五極管接続でも三極管接続かUL接続を使います。
ちゃんとした真空管アンプの音を聴きたいなら、エレキットのキットをお勧めします。自分で組立てるのが面倒だったら、アムトランスとかサガミオーディオで組立て済み+部品交換のものを売っています。
アディンゼルのワルシャワ協奏曲
またもERATEの珍盤。イギリスの作曲家アディンゼルのワルシャワ協奏曲。1941年のピアニストであるパイロットの映画の音楽として作られたもの。お聴きになれば(ここで聴けます)すぐ分かりますが、もろラフマニノフです。最初そのラフマニノフに音楽を頼んだら断られたため、アディンゼルが代役としてラフマニノフ風の曲を書いたもの。
スター・トレックの第2シーズンの”By Any Other Name”
スター・トレックの第2シーズンの”By Any Other Name”を観ました。エンタープライズ号はある惑星からの救助信号を受信してその星の上に4人が降り立ちます。すぐに男女2人を見つけますが、男は「降伏してエンタープライズ号を引き渡せ」と言います。抵抗しようとしたカーク達はパラライザーで動けなくされます。この2人はアンドロメダ星雲からやってきており、その星雲の放射能レベルが上がって住めなくなり、新しい住処を求めて銀河系にやってきたのが、銀河系の端にあるエネルギーのバリアで彼らの宇宙船が損傷し、一度アンドロメダに戻るため、エンタープライズ号を使おうとしたものでした。すぐに他のメンバーがエンタープライズ号に転送され、エンタープライズ号を制圧します。彼らはまたエンタープライズ号で星雲間飛行が出来るように改造までします。スコットとスポックは、反物質を使ってエンタープライズ号を自爆させることを提案しますが、カークはそれを実行しませんでした。結局エンタープライズ号は上手くエネルギーのバリアを突破し、アンドロメダ星雲に向かいます。カーク、スポック、マッコイ、スコットの4人以外は、食料が不足するとして中和され小さな岩石にされてしまいます。しかしカーク達はアンドロメダのエイリアンがエンタープライズ号を使うためには人間の形を取るしかないことを理解し、彼らが慣れていない人間的な感情を誘発して彼らの油断を引き出そうとします。カークは女性のケリンダに近づき、彼女にキスの仕方を教えます。それを見た一行のリーダーのロジャンはカークに激しい嫉妬を覚えるようになります。一方スコットはあるエイリアンに強い酒を勧め、酔い潰して見事パラライザーを奪いますが、自分も結局つぶれてしまいます。またマッコイはあるエイリアンに興奮剤を注射し、ロジャンと喧嘩するように仕向けます。カークがケリンダと愛しあっているのを見たロジャンは、パラライザーを使わずに肉体の力でカークと戦います。ロジャンを押さえ付けたカークは、このまま人間の体で旅を続ければアンドロメダに着く頃はすっかり人間と同じになり、つまり元の星の人にとってはエイリアンとして扱われると説得し、銀河系の中で最初にエイリアン達がいた星を住処とすることを提案し、エイリアンも結局それに従います。知性で敵わない相手を感情で混乱させるというのは、これまでもコンピューター相手とかで出てきていて、ワンパターンといえばワンパターンです。
ハルモニア・ムンディのLP29枚落札
ヤフオクで今度はハルモニア・ムンディのLPを落札。前回のERATOと同じ出品業者で、これもYAMAHAの文字入りの袋に入っていたので、またYAMAHAの渋谷道玄坂店の放出品と思います。業者の申告は23枚でしたが、箱物が4組くらいあって実際は29枚でした。その内20枚がフランス、9枚がドイツです。ハルモニア・ムンディで録音がいいのはフランスの方なので嬉しいです。しかも大好きなコンチェルト・ヴォカーレ(ルネ・ヤーコプス、ジュディス・ネルソンら)のが6枚入っていて大当たり!でした。ただ今回は最後まで落札価格が釣り上がって、結局送料入れて1枚あたり2,300円と新譜のLP並みの価格になってしまいましたが、仏ハルモニア・ムンディのLPをこれだけまとめて手に入れられる機会はなかなかないので満足です。今、試しに聞いていますが、プチプチノイズも無く、盤質も極上です。録音もアナログの最高峰といっていいレベルです。
マルセル・ランドフスキーの「オペラの怪人」
先日、91枚まとめて買った仏ERATOのLPの中に、なかなかの掘り出し物、希少品が混じっていました。マルセル・ランドフスキーの「オペラの怪人」!ランドフスキーは1915年生まれのフランスの現代音楽家で、一応無調音楽ですが、俗っぽいストラヴィンスキーという感じで分かりやすい音楽を書いた人のようです。文化相となったり世俗的に成功したためもあって、ブーレーズ一派からはかなり批判された人みたいです。また普通「オペラの怪人」の音楽といえば、ロイド・ウェッバーですが、ランドフスキーが曲を付けているとは知りませんでした。ランドフスキーとERATOは関係良好で、ERATOには同氏の録音が9枚ぐらいあるみたいです。(ちなみにWikipediaの表記はランドスキですがこの表記はおかしいと思います。Malinowskiがマリノフスキーまたはマリノウスキーと表記されることから考えても。)