「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”

「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”を観ました。何というか、程度の低いマッドサイエンティストもので、発明したのは単なる暗視鏡(ノクトビジョン)です。しかしそれは品質が安定しておらず、すぐに動かなくなります。キャプテン達がこのマッドサイエンティストの家に忍び込んだのは、例によって太陽電池に使うレンズを盗むためです。一応電源を切断して暗闇して忍び込んだのですが、マッドサイエンティストの暗視鏡のおかげで見つかってしまいます。色々あって一行は逃げ出せたのですが、キャプテンはその発明が危険だからという理由で、マッドサイエンティストの家を爆破しようとします。しかし途中で捕まって、仲間が助ける時間を稼ぐため、キャプテンはその暗視鏡で地球が見えたと言います。(単なるブラフかと思ったら、最後の所で本当に見えた、と言っています。)それでマッドサイエンティストをおだてて、この暗視鏡は単なるノクトビジョンよりも高機能なものだ、但し安定していないので改良が必要だ、などといって、等々というストーリー。はっきり言ってナンセンスな脚本で、そんな悪人とも思えないマッドサイエンティストを家毎爆破して殺してしまうのも後味が悪いです。失敗したエピドードです。

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″を観ました。Part 1と合わせて、今まで観たエピソードの中ではベストではないかと思われる、非常に良く出来たストーリーでした。スポックが反乱の容疑で有罪宣告を受けますが、それを宣告した基地の長官も、タロス星系の第4惑星人が作った…だったというのはなかなかの捻りでした。また今回出て来る女性がなかなか可愛かったです。Vina(まあ本当の姿は置いておいて)とエンタープライズ号の女性クルー2人の内若い方は良かったです。最後に、Vinaとパイク元船長が、タロス星人の幻想の中で二人幸せに暮すというハッピーエンド(?)で良かったです。しかし、カーク船長というのは何代目の船長なんでしょうか。パイク船長もなかなかのキャラクターで良かったです。スタートレックはアーウィン・アレンのTVドラマと比べると、本当に脚本がしっかりしています。

NHK杯戦囲碁 村川大介9段 対 原正和3段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が村川大介9段、白番が原正和3段の対戦でした。この碁のハイライトは下辺の黒地で白が1子を動き出し、その後白が右上隅で黒の二間ジマリに付けていってからの攻防でした。下辺左での白の動き出しは右上隅での戦いでのシチョウアタリを見ていました。しかしシチョウアタリが役に立つ前に右上隅は退っ引きならない戦いとなり、結局劫付きの攻め合いになりました。しかしそれは黒の有利な一手ヨセコウでした。更に上辺で白が打った劫立てが問題で、結果的には無効になりました。黒は劫を解消して右上隅から右辺で40目クライの地を確定しました。白は劫の代償で上辺か左辺の黒のどちらかを取らないと勝負にならない形勢でした。黒は左辺の4子は捨てても形勢は悪くなかったと思いますが、成り行きで全て頑張ることになり、真ん中の白に切りが入って薄かったこともあり、結局全部活きました。こうなると右辺の得の分黒が優勢で、ヨセの途中で白が投了しました。村川9段の戦いの上手さが優りました。

木下恵介監督の「この子を残して」

木下恵介監督の「この子を残して」を観ました。「長崎の鐘」と同じく永井隆博士を描いた映画で1983年の作品です。脚本を木下恵介監督自身と山田太一が書いています。1950年の「長崎の鐘」の時はGHQによる検閲のため、原爆の被害の生々しい描写を入れることは出来ず、キノコ雲のシーンの後はすぐに焼け落ちた瓦礫のシーンになります。1983年のこの映画は、映画の途中にも悲惨なシーンは出て来ますが、最後にまとめるように、原民喜の「水ヲ下サイ」と峠三吉の「ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ わたしをかえせ」が朗読され、当時の悲惨な情景が描写されます。「水ヲ下サイ」は以前観たジョン・アダムズのオペラ「ドクター・アトミック」の中でも使われていました。(「ドクター・アトミック」は原爆を開発するマンハッタン計画の中心的な科学者であったオッペンハイマー博士を主人公にしたオペラです。)
永井隆博士自身は、原爆の被害を受けたことを、神が信者に与えた試練、燔祭(ホロコースト)と捉えていましたが、それは当然当時の被爆した信者全員がそう思っていた訳ではなく、この映画の中でも浦上天主堂での合同慰霊祭の時に、永井博士が読んだ弔辞に対する「異議あり!」の声や、永井博士の妻の緑のお母さんが博士に対して文句を言うシーンで代弁されています。
「長崎の鐘」は悲惨なシーンが少なく、また古関裕而の音楽の素晴らしさもあって、感動を得られる映画ですが、この映画は非常に重いです。何度も観る映画ではありません。丁度今週「エール」で「長崎の鐘」のエピソードであり、この機会しかないだろうと思って観ました。

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 1″

スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 1″を観ました。2話完結の話なので、まだどうなるか分りませんが、色々と興味深いストーリーです。まず、カークの前のエンタープライズ号の船長だったパイクが登場しますが、その姿は脳だけが生きていて、電動式車椅子でかろうじて少しだけ移動出来、意思はランプ点滅1回がYes、2回がNoというだけの姿です。実は、そのパイクがいる基地にエンタープライズ号が立ち寄るように信号を偽装したのがスポックでした。しかもスポックはパイクをエンタープライズ号に乗せ、カークを基地に置き去りにして、エンタープライズ号をタロス星系の第4惑星に向かわせます。しかしカークと基地の司令官が追いかけて来て、その乗り物の燃料残が既に引き返せない地点まで追いかけます。やむを得ずスポックは2人をエンタープライズ号に収容し、ドクター・マッコイに対し、自分は反乱を企てたので逮捕して欲しいと言います。軍事法廷が開かれ、スポックが裁かれますが、スポックはそこでどうやったのか不明ですが、13年前のパイク船長とスポックのタロス星系の第4惑星での体験を映像に映し出します。そこには以前遭難した地球の宇宙船の生存者がいましたが…以下Part.2へ。

「巨人の惑星」の”Double-Cross”

「巨人の惑星」の”Double-Cross”を観ました。フィッチューが巨人二人が落としたブレスレットに当たって気絶し、記憶を無くしてしまいます。巨人二人は窃盗犯で、フィッチューを使って美術館にあるルビーを盗もうとします。フィッチューは自分は元詐欺師だと言い、窃盗犯に協力すると言います。折から、フィッチューを助けにやってきたベイリーを捕まえ、ベイリーなら鍵穴を抜けられるということで、犯罪の決行に美術館に向かいます。ベイリーが鍵を開け、窃盗犯とフィッチューは美術館の中に入ります。その前に美術館のキュレーターが書類を取りに戻っていましたが、ベイリーを助けに来たキャプテンが、キュレーターが閉めたドアを再度開けるようにベイリーに命じます。キュレーターはこれで誰かが鍵を開けたことに気がつき警察を呼びます。フィッチューは聴診器を使って金庫の鍵を開け、ルビーを盗み出します。悪党どもは、間一髪逃げ出せアジトに戻ります。そこでわざと捕まったキャプテン達はとっさの隙にルビーをワイングラスのワインの中に漬け、悪党達をお互いにルビーを盗ったと疑わせ喧嘩させることに成功します。悪党二人が喧嘩している間に一行はネズミの穴から逃げだし、フィッチューはキャプテンに殴られて記憶を取り戻すという話です。フィッチューの正体が分っただけ、といった回でした。フィッチューは「宇宙家族ロビンソン」におけるドクター・スミスのような役ですが、もう一つ中途半端なキャラです。

スタートレックのファーストシーズンの”The Corbomite Maneuver”

スタートレックのファーストシーズンの”The Corbomite Maneuver”を観ました。これも大昔ムック本でストーリーを読んで知っていました。今まで見た中では異星人とのコンタクトものでは初めてと思います。エンタープライズ号が宇宙のある所で、3色に光りながら回転するキューブ状のブイのようなものを発見します。エンタープライズ号が回避しようとしても逃げようとしても付いてくる上に、何かの放射線を放出しているため、ついにカークはフェイザーで攻撃して消滅させます。そうすると今度は巨大な人工惑星が現れ、そこから通信が入り、ファーストフェデレーションのバロックと名乗る、凶悪そうなエイリアンが、10分後にエンタープライズ号を消滅させると通告してきます。スポックは、チェスならチェックメイトだと言いましたが、カーク船長はこれはチェスではなくポーカーだと言い、相手のバロックに向かい、地球の宇宙船は攻撃された相手を確実に葬るコルボマイトという物質を含んでいる、というブラフを示します。これが利いて、相手はエンタープライズ号を破壊せずに、今度は小型の宇宙船でエンタープライズ号をけん引していこうとします。カークはこれにワープエンジンを焼き切れる寸前までのフルパワーで対抗し、さらにインパルスエンジンも使います。この結果、先方の宇宙船のエンジンも焼き切れてしまいます。先方の宇宙船からはSOSが発信されますが、誰も応答が無い、という状況を見て、カークはバロックを救助することを決めます。そして相手の宇宙船に行ってみれば、実は凶悪そうな姿は単なるダミーで、本物のバロックは地球人の赤ちゃんみたいな風貌で、これまでの行動でエンタープライズ号の平和的な意図が確認出来たとして、友好を結ぼうとします。

「巨人の惑星」の”Underground”

「巨人の惑星」の”Underground”を観ました。スピンドリフト号に突然地球の宇宙船から無線が入り、3日前に不時着したけど、特に故障はしていないのでこれから地球に戻る、そちらの全員を乗せられるのですぐ来い、という内容でした。皆は喜びますが、キャプテンだけが、その相手の船長が最近閉鎖されている筈の空港の話をしたのでおかしいと思います。キャプテンは次の朝まで待つように皆に言いますが、例によってフィッチューとヴァレリーが命令を破って夜中にその宇宙船がある筈の場所に行きます。しかしそこに宇宙船は無く、一人の巨人が二人を捕まえます。ここで疑問なのは何故その巨人が地球のことを知っているのかということです。でその巨人は反体制運動をやっていて、警官に自分達のメンバーリストが入った封筒を没収されてしまったので、キャプテン達にそれを焼却するように頼みます。リストは暗号で書かれているのですぐには解読されませんが、次の日には暗号解読の専門家が来ることになっているので、それまでに処分する必要があります。それでどうやって警察に忍び込むかで、最初は下水管のようなものから忍び込む予定でしたが、途中がコンクリートの残骸で塞がれていて、撤去に相当時間がかかりそうでした。それで考えついたのがフィッチューを箱の中に入れて小包にし、それを郵便配達員に化けた巨人が警察に届け、書類管理の部屋に持っていってもらうという策でした。これは途中まで上手く行っていましたが、警官が小包を床に落としてしまったためフィッチューは中で気絶してしまいます。そこでキャプテン達は、巨人にフィッチューが持っている無線に対し大声で呼びかけてもらい、警察官達が書類管理室の中から変な声がするのを確かめるため、ドアを開けた隙にキャプテン達が忍び込む、といった話です。しかし、巨人達で地球の存在を知っている者が多数いるのなら、そもそも交信しようとかすればいいと思いますが、どうもアーウィン・アレンのドラマは基本設定みたいな所がいい加減で、脚本家によって矛盾する話が書かれるのが常です。

スタートレックのファーストシーズンの”Dagger of the Mind”

スタートレックのファーストシーズンの”Dagger of the Mind”を観ました。これもまたマッドサイエンティストもの。ある囚人収容惑星へ荷物を送り、それと入れ替えに向こうから送られて来た荷物に脱走者が忍んでいて、カークを脅して亡命しようとします。しかし脱走者は捕まりますが、何故か自分のことをしゃべろうとすると非常に苦痛を感じています。ようやく聴き取った名前から、その人がゲルダー博士で、囚人収容惑星に1年前に送られた人であることが分ります。カークは犯罪心理学者のヘレン(以前カークとクリスマス・パーティーでダンスしたことがある)と一緒に囚人収容惑星に向かいます。そこの責任者はアダムズ博士でしたが、カーク達は、脳波を矯正するというあるマシンを見せられます。それはしかし、人の記憶を消して意のままに操るように出来る洗脳マシンで、エンタープライズ号に逃げて来たゲルダー博士は、そのマシンの実験台にされたのでした。夜中にそのマシンの効果を確かめていたカークとヘレンは、しかし博士達に捕まり、そのマシンで洗脳されそうになります。一度部屋に戻されたカークはアダムズ博士に植え付けられた偽の記憶でヘレンを抱きしめて連れ去ろうとしますが、ヘレンにそれは間違った記憶だと説明されて我を取り戻し、ヘレンにこの施設の高圧電源のスイッチを切るように命令します。再度カークはマシンで洗脳されますが、ヘレンが何とか高圧電源を切ったのでフォースフィールドが解除され、スポック達がやって来てカーク達を助け出します、といったお話でした。原子力潜水艦シービュー号でも、リー・クレーン艦長がおそらく中国かどこかで洗脳されるという話がありましたが、若干スタートレックのマシンが少しマシなだけで、お話としての深さが無いのはどちらも同じでしょう。

NHK杯戦囲碁 山田規三生9段 対 井山裕太4冠王


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が山田規三生9段、白番が井山裕太4冠の対戦でした。本局は最初から最後まで激しい戦いの連続で非常に見応えがありました。特に左辺から中央にかけての戦いは白が攻める局面と黒が攻める局面が目まぐるしく入れ替わる感じでした。しかし、白は中央から上辺に延びる大石が攻められ、何とか右上隅に侵入して活きましたが、主導権は黒にありました。そして今度は中央から下辺で競い合いが始まり、黒は右下隅にもたれながら中央で黒を切っている白を攻め、結局黒は白7子を取り込みました。しかしこの時、あと一歩貪欲に右辺で2線に出て右下隅の白地を値切っておけば黒の勝勢でした。しかしそれをしなかったため、右下隅の白地が大きく形勢は不明でした。その後のヨセで黒は左上隅に潜り込んで活きましたが、その後左辺から上辺にかけての黒の大石が眼が薄くなって寄り付かれ、終わってみれば白の7目半勝ちという大差になっていました。山田9段にとってはあと一歩の所まで追い詰めながら残念な1局でした。