スタートレックのファーストシーズンの”The Naked Time”を観ました。エンタープライズ号がある氷に包まれた惑星の観測基地で6人のスタッフが死亡した事件を調査するため、その惑星の軌道を回っていました。その基地ではスタッフは自分達で暖房を切ってしまって、まるで頭がおかしくなったような死に方でした。調査に降り立ったスポックともう一人はエンタープライズ号に戻りますが、もう一人が犠牲者の血に触ってしまい、ある病原菌に感染した状態でエンタープライズ号に入ります。その男は急に感情的になって、ナイフを振り回し始め、止めようとしたスールーともう一人ともみあっている内に、自分の体にナイフを突き立てて結局死んでしまいます。その時に、スールーともう一人も感染し、スールーは操縦席を離れて上半身裸になり、剣を振り回します。スールーって日本語吹き替えではカトーになっていますが、日本刀ではなくフェンシングの剣ということは、どうも東南アジアのどこかの出身という設定ではないかと思います。また、この回で面白いのはいつも冷静で感情をコントロールしているスポックも感染して、泣き出してしまうことです。結局最後はカークも感染し、2番目に感染した男がエンジンルームを占拠してエンジンを止めてしまい、エンタープライズ号は惑星の重力で大気圏に突入しあわや燃え尽きる所でしたが、カークが反物質を使ってワープエンジンを急発進させ、何とか軌道から離れることが出来ました。病原菌は血液中に入るとアルコールのような作用を人間に及ぼすという説明で、ドクター・マッコイが治療薬を開発します。それはいいんですが、反物質による急速発進で勢いのつき過ぎたエンタープライズ号は時間を逆行して3日前に戻ってしまうというエピソードが入ります。これは後の回で過去に行くエピソードがあるので、その伏線かと思います。しかしこれまでの回やたらサイコがらみのエピソードが多いです。
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NHK杯戦囲碁 許家元8段 対 安達利昌7段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が許家元8段、白番が安達利昌7段の対戦です。対局は白が走って各所で地を稼ぎ、黒は厚いけど、白が手堅く打つ所は打って、黒の厚みが働かない感じでした。転機は大ヨセに入った所でした。黒が左下隅からの白に寄り付こうと3手かけたのに白は手を抜いて大きなヨセを打ちました。黒はそこで中央で取られてた1子の引っ張り出しを決行し、その結果左下隅からの白と右辺の白の連絡が断ち切られました。白はその時、下辺の黒地に侵入しようとする手で中央を厚くしようとしました。黒はそれを受けずに非常手段で中央を打ち、白2子を取り込みました。黒は地合では勝てずどこかの白を取るしかなくなりました。右辺の白はそれだけだったらしのげていたと思いますが、問題は右下隅で白が黒を攻め取りにしている所があり、黒はそれの復活と右辺の白の眼を取るのとの両にらみの1線への飛び込みを打ちました。白が右辺を受け、黒は右下隅を動き出し、結果として黒の花見コウになりました。この劫は白が勝ちましたが、代償として黒は右辺の白の上半分を取りました。その後更に右辺の残った白の半分も劫になり、白の劫材が続かずこの白が取られ、白の投了となりました。黒の許家元8段がワン チャンスの逆転をもぎ取りました。
ピアノに再チャレンジ
最近、カシオトーンで古関メロディーを片手弾きして楽しんでいますが、この際、本格的な両手弾きでなくても、左手はコードくらいは出来るんじゃないかと思って、Amazonで一番易しそうな教本を買いました。高校生の時、モーツァルトのピアノソナタ15番ハ長調
https://www.youtube.com/watch?v=TbiGQCpC9W8
を何とか弾けないかやってみたことがありますが、右と左それぞれ単体では何とか弾けるのですが、両方合わせるとダメで挫折していました。年取って昔より根気が出来たのでまたチャレンジしてみます。
「中世合名・合資会社成立史」のKindle版
Amazonにて9月11日より販売を開始したヴェーバーの「中世合名・合資会社成立史」ですが、Amazonの検索で「マックス・ヴェーバー」を入力すると、現状で結構高い順位で出て来て、9月30日にはこの写真のように何と3番目に表示されました。まあ別途PDF版をmaxweber.jpで無償で提供しているので、お金を稼ぐつもりは無く、価格も設定出来る最低にしていますが、それでも嬉しいです。
「巨人の惑星」の”The Lost One”
「巨人の惑星」の”The Lost One”を観ました。この回では、先にこの惑星に漂着していた若者のグループが、キャプテン達一行を巨人の手先で自分達を捕まえに来たと思い込み、争いになります。そして争っている内に誤って若者の一人が巨人が仕掛けた罠に捕らわれます。フィッチューは喉が渇いてそこらに生えていた果実を食べて失神します。それで結局フィッチューも巨人に捕まりますが、そのフィッチューが食べた果実をジュースにして巨人が飲んでいたコーヒーに混ぜて巨人を失神させる、というのが今回の見物です。まあ、スタートレックに比べると大幅に落ちますが、何回か観ている内に慣れてきてそれなりに楽しめるようにはなって来ました。しかし、この惑星には一体地球人が何人漂着しているんでしょう。巨人達もあまり頭が良くなくて、地球人を捕まえるのにもっと効率的な方法がありそうに思います。
スタートレックのファーストシーズンの”Where No Man Has Gone Before”
スタートレックのファーストシーズンの”Where No Man Has Gone Before”を観ました。観始めて10分くらいで、「あー、これは『光るめだま』だな」と分りました。「宇宙大作戦」として放送された日本語吹き替え版は、せいぜい1/4くらいしか観ていませんが、大学時代に徳間書店から出ていた、全話のストーリーを解説したムック本を持っていました。
お話は、エンタープライズ号よりも200年も前に打ち上げられたヴァリアント号が、エンタープライズ号さえ初めて到達した銀河系外のエリアで、何かの緊急カプセルのような残骸を残していました。スポックがそのメモリーを解読すると、ヴァリアント号は何かのフォースでそこまで引っぱられて、何かの電磁波のようなものに襲われた後爆発していました。エンタープライズ号がその時発見されたフォースフィールドのようなものに接近すると、機器が火を吹き、ワープエンジンがブローアウトしてしまいます。この辺りの描写は何故か原子力潜水艦シービュー号のシーンみたいです。おまけにKelsoというエンジニアを演じているPaul Carrは原子力潜水艦シービュー号にも出ていた俳優です。その時にクルーの一部が電磁波のような衝撃波を受けて倒れ、その後眼が光り出して、超能力を発揮するようになります。特にカーク船長の旧友であるゲイリーが著しく、本を超早読みしてその中身を吸収したり、エンタープライズ号の操作盤を自由に操ったりします。スポックの勧めで、ゲイリーを殺すか、あるいは近くにある資源採掘用の星に置き去りにするか、ということでカークは後者を選びます。しかしゲイリーの能力は成長してほとんど神のような力を持ち始めます。同じような力を身につけ始めていた精神科医の女性がゲイリーと一緒にその星で暮し始めます。ゲイリーを殺そうとやって来たカークですが、まったく歯が立ちません。しかし女医に対して人間の弱さを持ったまま神となってはいけないと説得し、女医がゲイリーを攻撃し、ゲイリーの超能力が弱まっている間に、レザーガンで岩を砕いてゲイリーの上に落としてようやく殺すことに成功するという話です。しかし、前回のも超能力もので、こういう話が多そうですね。
古関裕而の曲における印象的な下降音型
先日、NHKのヒストリアという番組で古関裕而が取上げられていました。その中で「露営の歌」が大ヒットした理由について、片山杜秀氏が「下降音型の部分が大衆に好まれた」みたいなことを行っていました。それは多分「勝って来るぞと」の「来るぞと」の部分だと思いますが、私はこの曲の特長としてはまずは前奏がいわゆる進軍ラッパのパロディー(長調→短調)とかの方が特長としては目立つと思います。それに何より、下降音型というなら、もっと他の古関の曲でより効果的に使われている例が沢山あります。
最初に挙げるべきは早稲田の応援歌の「紺碧の空」で「すーぐーりーしせーいえーいとーしはもーえーて」の所で2回強調音の後下降音型が続き、これが非常に印象的です。実際に、応援を受けた野球部の選手がこの部分で一番背中を押された感じがしたと言っています。この下降音型、音程を外さないように歌うのは結構大変で、実際に朝ドラのエールの早稲田の応援団はかなり音を外していました。(最初作曲した時に、現実の早稲田の応援団から「難しい」と言われたようですが、古関はこだわってそのままにしています。)
もう一つは、「高原列車は行くよ」で、サビの「高原列車はラララララ行くよ」のラララララの所が非常に印象的な下降音型です。バロックの音楽理論で音画(Tonmalerei)というのがあり、音で風景を活写する技法ですが、その一つで下降音型をカタバシスと言います。(ギリシア語で下降の意味)バッハの受難曲などで多用されていますが、古関のこの曲のここもまさしく列車が下りに入った感じを描写する見事なカタバシスの例だと思います。
他にも、「ラバウル航空隊の歌」、「黒百合の歌」、「君いとしき人よ」、「雨のオランダ坂」、「フランチェスカの鐘」など、下降音型が上手く使われている古関の曲は沢山あります。「フランチェスカの鐘」の半音下降は「バーイバイ」の所ですが、歌詞の中に出て来る「面倒くさくて」というダルな感じを良く描写しています。そういった多くの例の中で「露営の歌」だけ特に下降音型が印象的に使われているとは私は思いません。
(以下、楽譜は「ラバウル航空隊の歌」、「黒百合の歌」、「君いとしき人よ」、「雨のオランダ坂」、「フランチェスカの鐘」の順です。)
「巨人の惑星」の”The Golden Cage”
「巨人の惑星」の”The Golden Cage”を観ました。巨人の惑星に遭難した一行はある日、ガラスの瓶の中に入れられた若い女性を発見します。それはまさしく彼らと同じサイズの人間でした。ビジネスマンのマークが彼女を救おうとしましたが、それは以前行方不明になったマークの親友の娘マーナでした。しかし、マーナは自分が巨人達の実験動物として飼われていることに気付かず、巨人達が自分に良くしてくれているから、マーク達も一緒に住もうと誘います。しかしマークは彼女の家の壁の向こうに何やら実験装置のようなものがあることを察知し、彼女の家から出ます。その時マーナは巨人達からの贈り物だとして緑の箱を渡します。その中には巨大なダイヤが入っていましたが、実は箱の中に発信器がセットされていました。それでマークはやはり巨人達の悪意を確認し、発信器付の箱は野生の七面鳥(フィッチューが捕まえようとしていた)にくくりつけて、巨人達の追跡を躱すという話。でも結局マーナは巨人達の実験材料のままなのか何も説明もなく尻切れとんぼなお話でした。
NHK杯戦囲碁 清成哲也9段 対 富士田明彦7段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が清成哲也9段、白番が富士田明彦7段の対戦です。黒は布石で向かい小目の構えで更に辺の中央に打って、三連星と中国流を少し変えたような構えでした。白はその構えに両方とも内側からかかり、左右同型の面白い構えになりました。結局黒が地で先行し、白が厚みを築いて追いかける展開でした。この対局で白の打ち方は一貫して慌てず騒がず黒を追走し、途中でごく自然に黒を抜き去った打ち方は見事でした。黒の誤算は上辺の黒を逃げていく過程で、最初は軽く打って尻尾は捨てる筈だったのが、途中で方針を変えて全て連絡して打ったのが重く、白にじっくりと攻められ、特に中央に15目以上の白地を作られ、また左辺も地にされ、地合で追いつかれてしまいました。途中、白が左辺で左辺と上辺の黒を連絡させないため、通常はコスミの所を隅の黒に付けるという強手を打った時に、じつは黒が逆襲するチャンスがあったようですが黒は決行せず不発に終わりました。富士田7段の冷静な形勢判断が光った一局でした。
「エール」の事実との違い(2)
NHKの朝ドラ「エール」、今週は「露営の歌」と「暁に祈る」が登場しました。「露営の歌」がたった1回で終わりという扱いにびっくり。まあフィクションでドラマですから、事実と違うというのを言っても野暮ですが、曲だけは本物を使っているんで、誤解してもらいたくないです。
・「露営の歌」は、古関夫妻が奥さんの金子さんのお兄さんが満州で会社をやっていた関係で満州を旅行し、日露戦争の戦地の跡を回って実際の戦争の陰惨さを身をもって理解したことが背景にあります。
・そして「露営の歌」の作曲は自宅ではなく、その満州からの帰国の時にコロンビアから電報が入り急いで作曲して欲しいものがあるので、船で神戸まで行かず、門司で下りて汽車で戻って欲しいという要請がありました。そして汽車の中ですることもなく退屈していたら新聞に「露営の歌」が載っていて、それで汽車の中で短時間で作曲したもの。
・それでコロンビアに出社したら、作曲して欲しいというのが「露営の歌」で、「それならもう出来ています」と差し出し、コロンビアのディレクターがびっくりして「どうして分ったんですか」と聞いたら、「そこは作曲家の第六感ですよ」と古関はとぼけて答えています。
・エールだと短調に難色を示されていますが、実際はコロンビアのディレクターも短調がいいと思っていました。
・「露営の歌」の歌手は、佐藤久志のモデルである伊藤久男も入っていますが、実際は5人での斉唱で、当時のコロンビアの男性歌手陣の総動員(中野忠晴、松平晃、伊藤久男、霧島昇、佐々木章)でした。コロンビアもこの曲がおそらく出征兵士の見送りの時に皆で斉唱されるんだろうということを想定していたんだと思います。この5人の中では後にジャズ系の軽快な歌をボーイズグループで歌った中野忠晴が軍歌を歌っているのがちょっと面白いです。
・「暁に祈る」を依頼した軍人は、硫黄島の戦いで守備隊長として戦死した栗林忠道陸軍大将で、当時は陸軍省兵務局馬政課長でした。
・「暁に祈る」の作詞で、野村俊夫が何度もダメ出しされたのは事実で、7回書き直しています。そして最後のダメ出しの時に「あー、もう嫌だ」と叫んだ結果で、その「ああ」という冒頭の歌詞につながっています。
・そしてその冒頭の「ああ」の歌詞に、今度は作曲の古関裕而がどんな旋律を付けるか悩むことになりますが、たまたま家で奥さんの金子さんが詩吟をうなっていて「あーあー」とうなったのを「これだ!」と思って採用したという嘘みたいな話があります。
・エールでも出て来ましたが、軍馬の飼育を奨励するのが目的の映画の主題歌なのに、「馬」は3番で「あーあー傷ついたこの馬と飲まず食わずの日も3日」と出て来るだけです。
・後、「露営の歌」については、古関が中国に慰問に行った時の感動的なエピソードがあるんですが、これは多分これから出てくるんだと期待しましょう。このエピソードを使わないのであれば、その脚本家は失格です。