「スターウォーズ 最後のジェダイ」を観てきました。何というか、宮本武蔵+宇宙戦艦ヤマト+オーム真理教でした。後、もうただこのシリーズをひたすら続けるためにストーリーを作っている感じです。個人的には次はもう観ないかも。
投稿者「kanrisha」のアーカイブ
NHK杯戦囲碁 今村俊也9段 対 黄翊祖8段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が今村俊也9段、白番が黄翊祖8段の対戦です。今村9段は棋風通り厚く打ち進め、ポイントは右辺で白がかけて来たときに、這って受けずに逆にケイマに踏み込んで白の切断を狙いました。結果的に黒も白もお互いに相手の石を取る振り替わりみたいになりましたが、黒は右上隅からの石を安定させられたのが大きく、白はまだ治まっていませんでした。黒は右辺にもう一手かけて取られていた石を助け白の全体を狙いました。白は右下隅の黒の二間ジマリに潜り込んで隅の地を取り、更にその外側の黒を攻めることで白の右辺の石のしのぎのたしにしようとしました。この黒と白の弱い石の絡み合いは下辺左の白にも波及してきました。そのあたりの折衝で白におそらく見落としがあり、右下隅からの黒と左辺の黒が上手くケイマで渡って連絡し、逆に白は中央の石を切り離されて取られてしまいました。これで形勢は黒が盛り返しました。しかし白も確定地が多く、勝敗はまだ分かりませんでした。黒は左上隅の三々に打ち込み、白地を荒らしに行きました。単独ではなかなか活きない所を上手く左辺の白にからめて行きました。ここで黒の好手、白の再度の見落としが出て、左上隅は白地となりましたが、左辺の10子くらいを切断され取り込まれてしまい、ここに30目ぐらいの黒地が出来ました。これで黒がはっきりリードし、その後数手打ち進めて白の投了となりました。今村9段の手厚い打ち方と、それによる攻めの余得の稼ぎ方のうまさが光った1局でした。
天頂の囲碁7との九路盤定先での対局、初勝利。
ロザリン・テューレックの「ゴールドベルク変奏曲」
ロザリン・テューレックのバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を聴いています。メジューエワの本の中で「ゴールドベルク変奏曲」のお勧めとして彼女が挙げていたので興味を持って買ってみたものです。聴き始めてびっくり!グレン・グールドと演奏スタイルが非常に似ています。特にグールドの2回目の録音に。と思ってテューレックについて調べてみたら、何と事実は逆でした!グールドがテューレックのバッハ演奏に大きな影響を受けているんだそうです。ゆっくりしたテンポ、一音一音大事にするようなフレージング、またチェンバロでの演奏を真似るかのような一つの音の前に「タメ」を作るスタイルなどが特徴かと思います。2枚組で5000円ととても高かったのですが、買った甲斐はありました。さすがメジューエワです。
21年使用の日立の洗濯機の糸くず取り用フィルター
豊田有恒の「『宇宙戦艦ヤマト』の真実 ---いかに誕生し、進化したか」
豊田有恒の「『宇宙戦艦ヤマト』の真実 ---いかに誕生し、進化したか」を読了。豊田が「宇宙戦艦ヤマト」についてある大新聞からインタビューを受けたけど、その大新聞が内容をねじ曲げ、無理矢理に「ヤマトではガミラスに敗北寸前の地球が太平洋戦争での日本の姿に重ねられている」という勝手な解釈で記事を書かれたことに憤激して、「宇宙戦艦ヤマト」の誕生の背景を当時者として改めて語っているものです。(その大新聞の名前は書いてありませんが、誰が読んでも朝日新聞だろうと推測がつきます。)個人的には、前半の日本のアニメの創生期の話が興味深くて、エイトマンが生まれる背景などが楽しく読めました。「ヤマト」については、西崎義展との関わりが必然的に多くなります。豊田は西崎がいなかったらヤマトは出来ていなかったとその功績を認めながら、しかし西崎にはクリエイターとしての才能はなく、その一方で多くのクリエイターをただみたいな安いお金でこき使ったとして強く非難しています。なんと松本零士にさえ、ろくなお金を払っていなかったようです。これは西崎一人の罪というより、日本で多く見られる「知的作業にお金を払わない」という悪しき慣習と深くつながっていると思います。豊田によれば、作品が一律に「コンテンツ」と呼ばれるようになってから、この傾向がさらにひどくなったとしています。
豊田のヤマトの最初の設定で面白いのは、イスカンダルにコスモクリーナーを取りに行くというのの元ネタは何と西遊記だということです。さすがにそれは気がついていませんでした。(西遊記をベースにしたアニメには、同じく松本零士原作の「SF西遊記スタージンガー」があります。)また、初期の設定はかなりダークでハードなもので、その設定が2010年のキムタク主演の実写版で一部使われていました。
英語学習雑誌2誌の比較-CNN English ExpressとEnglish Journal
2018年3月で、購読歴丸4年になる2つの英語雑誌の比較。「CNN English Express」と「English Journal」。この2つはたぶんライバル誌となりますが、内容はかなり違います。価格はCNNの方が税込み1,240円、EJの方が1,512円でEJの方が高いです。
1.CNN English Express
朝日出版社から出ているもの。名前の通り、CNNのニュースが満載でそれが主要コンテンツです。それも短いニュース(10本+2本くらい)、ちょっとまとまったニュース(4本くらい)、ニュースショー(アンダーソン・クーパー360°)とバラエティーに富んでいます。ただ、雑誌に掲載されるのは大体1~2ヵ月前のニュースで時間差があります。ニュースの元もアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアと色々でそれぞれの国のアナウンサーがしゃべっており(2回読まれて最初がオリジナル、2回目がアメリカ人かカナダ人になりますから、発音を比較する上でも有益)、TOEICでのリスニングがこの4ヵ国ですから、TOEICリスニング対策として有益です。また、長いニュース1本について、通常のスピードと1.5倍速のスピードがあり、これも聴き取り強化に有益です。ニュース以外に、インタビュー記事がありますが、これは月に2本ぐらいでEJに比べるとちょっとだけ劣ります。その他連載が何本かありますが、一回連載が始まるとかなり長く続き、今やっている科学評論家のクリストファー・ロイドの記事は2018年1月号でもう34回目です。添付されているCDの収録時間は毎回きちんと65分ぐらいで安定しています。これはEJに比べるとしっかりしていて学習計画が立てやすいです。
2.English Jounal
英語教材で定評があるアルクから出ているもの。この雑誌の売りはなんといってもインタビュー記事で、毎月3本くらい。それもその中には毎月かなりの有名人が含まれており、たとえば2018年1月号ではレディー・ガガが登場します。過去にはジョン・レノンの昔のインタビューとか、ブラッド・ピットなんかも登場しました。大体新しい映画が封切られるとその主演男優・女優が登場することが多いので、洋画好きの人にはいいと思います。(まあそのせいで価格がCNNより高いのでしょうが。)芸能人以外にも、学者系が結構登場し、なかなか面白いことをしゃべっていることがあります。最近著作を読んだエリン・メイヤーはこのEJのインタビューで初めて知りました。インタビュー以外の連載記事としては、アメリカの作家ケイ・へザリのエッセイ(これはなかなかいいです)とか、クイック・チャットという日本に在住している外国人同士の雑談(普通)、またミステリー・スピーカーという正体が隠されたキャラクターがしゃべってその正体を当てるクイズ(これはその正体が最近はスモッグだとか駐車場だとかダムのような訳の分からない物が多くなってイマイチ)があります。この雑誌の問題点は、それ以外の特集記事のばらつきが極めて激しいことです。その特集記事の長さによって、毎月のCDの収録時間がかなり大幅にぶれ、短い時は50分程度、長いときは80分とCDの収録時間の限界に近いものもあり、毎月の学習計画を大幅に狂わせてくれて、非常にやりにくいです。また、最近始まった「英語でヨガ」というのも意味不明の企画で、出てくる単語はinhale(息を吸う)、exhale(息を吐く)みたいなのの繰り返しで、英語の教材としてはあまり価値がありません。(私はいつも聴かないで飛ばしています。)全体的に編集方針がはっきりしていなくてあっちへ行ったりこっちへ行ったりしています。
もし、どちらか1冊だけというのであれば、価格的にも安いCNN English Expressの方をお勧めします。もちろん経済的に余裕があるなら両方を購読する方が、英語のバラエティーという意味では広がります。
ただもちろんこの2つの雑誌だけで十分という事ではなく、例えば”panting”(荒い息をしている状態)という単語はドラマを見ていれば良く出てきますが(セリフではなく英語の字幕の説明で)、この2つの雑誌で登場したのを一度も聞いたことがありません。英語のレベルが上がる程、色々な英語にチャレンジし、媒体を拡げた方がいいと思います。
山室恭子の「歴史小説の懐」
山室恭子の「歴史小説の懐」を読了。この人は白井喬二のちくま文庫版の「富士に立つ影」の第6巻「帰来篇」で見事な解説を書いていた人で、他に大衆小説に関する評論は無いかとAmazonで検索してみて見つけたものです。この方、本業は日本の中世専門の歴史学者です。その本業の影響もあって、時代小説をまるで歴史資料みたいに扱っていて、各小説のまず詳細なストーリー内の年表を作って、色んな矛盾を発見しています。その矛盾の最たるものが「大菩薩峠」です。この小説が1867年の秋で時間が進まなくなるのは知っていましたが、それが実は全体の1/4しか進んでいない第5巻でもうその時に達してしまうのだということは、この本で初めて知りました。また大菩薩峠で主人公の机龍之助と関わる女性が「お浜」(白浜)、「お銀」(白銀)、「お雪ちゃん」とすべて「白」を基調にしている、つまり色が欠けている、それだけではなく実は「大菩薩峠」は「何かが欠如している」ことを特徴とする、という指摘は実に鋭いと思います。
それはいいんですが、後半の方になるとかなり脱線気味で、平岩弓枝の「御宿かわせみ」の「かわせみ」の宿が実はパラレルワールドで2軒存在するのだとか、池波正太郎の「鬼平犯科帳」で平蔵に可愛がられた野良犬が突如姿を消した後、「御宿かわせみ」に別の名前の犬として登場する、などという説は、かなり妄想が入っていて、表面的な辻褄を合わせるために、学者が珍説をひねり出すという感じを受けました。
そうはいっても、なかなか面白い指摘をたくさん含む本で、時代小説ファンにはお勧めします。
イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」
イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」を読了。メジューエワと対談した人が聴き取ってまとめたものです。素晴らしい本で、全てのクラシック音楽を愛する人、またピアノを弾く人にお勧めします。メジューエワはその演奏を聴くと、感受性と知性がかなりの高いレベルで融合した人、という印象を受けるのですが、その印象はこの本によって更に強固になりました。こういう本が出ると、大抵の音楽評論家の本は不要になるのではないかと思います。ピアニストが曲を取り上げるにあたってここまで深く色々なことを考えているということが新鮮で感動的です。取り上げられている作曲家は、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ショパン、リスト、ドビュッシー、そしてラヴェルです。バッハの「ゴールドベルク変奏曲」の中に「数」へのこだわりがあるとか、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは弦楽四重奏曲の様式で書かれているとか、シューベルトこそ本当の古典派であるとか、ともかく目から鱗が落ちるような指摘に満ちています。また、メジューエワのお勧めの演奏(本人以外の)が載っているもなかなか楽しく、シュナーベルとかコルトーが多く登場します。個人的には、シューマンのクライスレリアーナとラヴェルの「夜のガスパール」についてはアルゲリッチを外して欲しくないのですが、ライバル意識があるのか(?)一度も登場しません。一方で私が好きなアファナシエフは何度か登場します。しかし、この本を読んで、いわゆる「ロシア・ピアニズム」というものが、ネイガウスやソフロニツキーが亡くなってかなりの時間が経った今でも、このメジューエワの中にしっかり生きているだなと思いました。
NHK杯戦囲碁 瀬戸大樹8段 対 結城聡9段
本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が瀬戸大樹8段、白番が結城聡9段の対戦です。二人のこれまでの対戦成績は結城9段から見て何と16勝0敗だそうです。一流のプロ同士でここまで偏るのは珍しいと思います。布石は瀬戸8段の3手目の三々が珍しいです。最近星に打つと、AIの真似でいきなり三々に入る手が流行っており、三々がまた打たれるようになって来ているそうです。この碁の中盤での焦点は黒が右下隅の白に一間に高くかかり、白が一間に受けたのに黒が覗いていったことです。部分的には黒が相当損な手でしたが、黒の狙いは右上隅から延びた白の大石がケイマしている所をツケコシて、白を分断することでした。黒はこの狙いを決行しましたが、白から上手くかわす手を打たれ、中央で白1子を取って若干の地が出来ましたが、それより右下隅の損の方が大きく白が優勢でした。黒はそれでも更に白の一団に食いついていきましたが、ここでも白はアタリの1子を逃げずにポン抜かせて打ち、その代償に下辺で黒1子を先手で取って大石の活きを確保しました。これで白が勝勢になりましたが、黒が上辺で白に付けていったのが勝負手で、白は内側から押さえて受けておけば多少地が損でもそれで勝ちだったと思いますが、結城9段はそこは既に読んでいるという感じでノータイムで外から押さえました。黒は白地の中で二眼作って活きることはできませんでしたが、結局攻め合いで一手寄せ劫になりました。一手寄せ劫といっても劫材は黒の方が多く、また非常に大きな劫で白からはどこにもそれだけの大きさの劫材は無く、ここで白の投了となりました。結城9段はちょっと油断して好局を落としました。瀬戸8段は対結城9段からの初勝利です。瀬戸8段は2回戦でも河野臨9段といううるさ型を破っており、今期のダークホースになりつつあります。