NHK杯戦囲碁 井山裕太棋聖 対 河野臨9段

本日のNHK杯戦の囲碁は準々決勝第1戦で、黒番が井山裕太棋聖、白番が河野臨9段です。この二人は現在棋聖戦で激突しており、現時点で1勝1敗の五分です。対局は白の河野9段が4手目を三々に打ち、白の実利先行、黒の大模様という流れになりました。白が下辺の黒模様に打ち込みましたが、黒は中央を厚く打ち、白に左下隅に渡るのを許しました。黒はしかしこの渡った白へ利かしを打って、それを利用して左下隅と左辺に手をつけに行きました。しかし黒は途中まで打った後は手抜きし、中央に飛びを打って、白に一手入れさせるだけで終わりました。黒模様が広大になったので、白は右下隅に手をつけに行きました。それに対し黒は隅で治まるのも拒否して白の全体を取りかけに行きました。白は戦いの最中で下辺の黒への出切りを敢行し、それを利用して下辺左の黒7子を取るという振り替わりになりました。この結果はほぼ互角だったようです。その後黒は上辺の白への攻めを見ましたが、白はうまくさばいて、攻められていた石が中央にかなりの地を持って治まりました。ただ黒もその過程で右辺を味良くまとめており、形勢不明でした。黒は取られていた黒7子について先手で利かしを2手打てたのが大きかったようで、終わってみれば黒の2目半勝ちでした。井山棋聖はベスト4進出です。これまで7冠を取っていながら、NHK杯戦だけは準優勝が最高で、今期初優勝がなるかが注目されます。

リチャード・マーカンドの「スター・ウォーズ エピソードVI ジェダイの帰還」

「スター・ウォーズ エピソードVI ジェダイの帰還」を視聴。IV、V、VIと三本観てようやくどういうお話なのかが理解できました。結末はあまりにも予想通りでしたが、大衆小説的結末でまあいいかなと。どうでもいいけど帝国軍弱すぎ。精鋭を集めて待ち構えていた所でああもあっさりとやられるとは。また、初代のデススターも二代目も結局同じような攻撃で破壊されて、帝国軍に学習能力はないのかと。また、森の月のテディベアみたいな原住民の描写が何というか今時(といってもかなり前ですが)あまりにもステレオタイプな「未開民族」描写で笑ってしまいました。まあお話はわかりましたけど、良くわからないのは、アナキン・スカイウォーカーが何でフォースの暗黒面に落ちたかということで、それでI、II、IIIが作られたんだな、と理解しました。

アーヴィン・カーシュナーの「スター・ウォーズ エピソードV 帝国の逆襲」

「スター・ウォーズ エピソードV 帝国の逆襲」を視聴。IVはそれなりに楽しめましたが、Vは私的には全然ダメでした。「星間戦争」って言っている割りには、ちゃちな局地戦を繰り返しているだけだし、帝国軍のウォーキーとかいう兵器、モビルスーツとかモビルアーマーに慣れている目から見るととても原始的にしか見えないし、挙げ句の果ては親子喧嘩…
そのダース・ベイダーとルークのチャンバラも、日本の時代劇を見慣れているこちらからすると、低レベルで嫌になりますし。
正直、後5本観るのが辛くなってきました。

ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ エピソードIV『新たなる希望』」

「スター・ウォーズ エピソードIV『新たなる希望』」をこの歳になって初めてブルーレイで視聴。今回、ブルーレイで、エピソードIV、V、VIとI、II、IIIとVIIをまとめて購入。全部で11,000円ちょっとで、映画館で7回観るより安かったです。
「スター・ウォーズ」シリーズについては、これまで映画館でもTVでも1回も観ていません。そもそもこの映画とは出会い方があまり良くなくて、1977年に日本で封切られた時は、ただでさえ半年早くアメリカで封切られて、大量に情報が事前に日本に流れ込んできたのに加え(日本人でハワイやグアムで観てきたという人がたくさんいました)、当時は鹿児島市にいました。今は映画は新作は全国同時封切りだと思いますが、当時はフィルムであったため、まず首都圏やその他大都市圏で公開され、その後徐々に地方に回ってくることになっており、鹿児島などは首都圏に比べると半年は公開が遅かったです。そういう訳で鹿児島で公開された時は、あまりにも情報があふれていて、映画館で改めて観ようという気持ちにはなれませんでした。それに当時は高校生で全国有数の進学校に入学して、授業についていくのに必死だった頃で、その意味でも映画館に行くことはなかったです。その後TVで放映されたりしましたが、この映画は映画館で観るべきという意見に従い、TVでも観ていません。今回、家でブルーレイで観たのは、今では42インチの大形TVを持っていますし、オーディオもサブウーファー付きの素晴らしいものがあるので、家で観てもまあいいかと思いました。
で、初公開作品のエピソードIVを今回初めて観たんですが、感想は「これって日本の時代劇映画じゃないの?」でした。この映画が黒澤明の「隠し砦の三悪人」に影響を受けていることは知っていますし、「隠し砦の三悪人」も観ていますが、それ以外に、
(1)主人公のルークの服装がほとんど柔道着
(2)ライトセーバーの斬り合いがフェンシングでなくて、ほとんどチャンバラそのもの
(3)お姫様を助け出すというストーリー
(4)主人公を助けるニヒルで腕が立つ脇役(ハン・ソロ)
(5)肉体面より精神面を重視する「フォース」
など、日本の時代劇映画の特徴が満載です。調べてみたら、ジェダイの騎士のジェダイは「時代」から取ったのだという説もあるみたいです。
そういう意味で、白井喬二作品など日本の大衆時代小説を読んでいた関心とこの映画は比較的無理なくつながっている訳です。

藤沢秀行名誉棋聖の「秀行の創造 全局の要点」

故藤沢秀行名誉棋聖の「秀行の創造 全局の要点」を読了。「次の一手」ものは、今でも秀行さんのが一番面白くてためになります。昔はプロ同士でどう打っていいかわからない時は「秀行さん呼んでこい」が定石でした。この本は1990年の出版ですが、問題になっている碁を打っている人は、依田紀基、高尾紳路を始め、結城聡、三村智保、清成哲也、倉橋正行といった、現代でのトッププレーヤーの棋士が揃って出てきています。囲碁は部分的な読みもしっかり鍛える必要がありますが、それだけでは駄目で、局面をどう進めていくのかの感覚も重要で、この本はその点が非常に鍛えられます。

鹿島神宮

1月28日(土)に鹿島神宮に行ってきました。片道120Kmですが、ほとんど高速なので2時間で到着しました。ちょっと変わった作りで、本殿はこの規模の神社にしてはこぢんまりしていましたが、本殿の先の境内が広大で、「要石」は本殿から400m奥に行った所にありました。3枚目の写真のように、それは地面からほんの少し顔を覗かせているだけでした。水戸光圀がどこまで深く埋まっているのかを確かめようと要石の回りを彫らせたのですが、とうとう一番下を確かめることができなかったということです。一番最後のが宝物殿にあった「鯰絵」です。鯰絵は安政の大地震の後に大量に発行された、地震避けのおまじないの絵で、武甕槌大神が要石によって大鯰を封じ込めるのが基本ですが、色々なパターンがあります。

NHK杯戦囲碁 結城聡9段 対 村川大介8段

本日のNHK杯戦の囲碁は最後のベスト8を選ぶ戦いで黒が結城聡9段、白が村川大介8段の対戦です。関西棋院同士の対戦です。対局は右下隅で石が切り結んだ戦いとなり、白は右辺から延びた石が黒の2子を取って治まり、また下辺も黒の石を2回ぽん抜いて、悪くなかったと思います。しかし黒は中央で延びた石から跳ね、白が跳ね返したのに、すかさず挟みつけました。この手が厳しく、結果、黒は中央を封鎖し、その結果、右辺の白の眼を取って攻める手が生じ、黒が打ちやすい碁になりました。しかし白も下辺で得をしており、大きなリードではありませんでした。その割には黒は左辺での打ち方が甘く、ヨセに入ってみると、地合は白優勢に変わっていました。非勢の結城9段は上辺の白の眼を取って攻めます。白は左辺に確実につながるのと、中央で眼を作るのが見合いでしのぐのは問題ないと思われていたのですが、実際にはどちらもダメで、上辺の白が取られてしまいました。ここで白の投了となりました。村川8段には惜しい一戦でした。来週からいよいよ準々決勝です。

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」

趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」を読了。結局三冊全部読んでしまいました。この巻には、いつも趙治勲さんがいじりのネタにしている石田芳夫二十四世本因坊が登場。治勲さんの悪口を全部許した上で、治勲さんが石田芳夫二十四世本因坊をいじるは、木谷一門での治勲さんの先輩の中で甘えられるのがもう石田さんだけだから、ということです。ちょっと感動的です。木谷一門というのは木谷実9段の弟子のことで、「木谷道場」と呼ばれる内弟子生活を送った棋士の総称です。一時は7大タイトルを一門で独占し、一門で取った7大タイトルの数は全部で146にもなります。そうやって若い時を一緒に囲碁修行をした先輩後輩の仲をずっと保ち続けるというのも素晴らしくうらやましいことだと思います。

南條範夫の「月影兵庫 上段霞切り」

南條範夫の「月影兵庫 上段霞切り」を読了。南條範夫は1956年に直木賞を取った作家です。この月影兵庫はシリーズ化されており、これが第一作です。後にTVにもなっています。何となく「月影兵庫」という名前に聞き覚えがあるような気がするのはそのせいでしょうか。老中松平伊豆守信明の甥の月影兵庫は、次男坊で部屋住みの身ですが、十剣無統流という武芸の使い手で、剣だけでなく、薙刀も槍も柔術も剣法も何でもほぼ無敵というスーパー剣士です。この兵庫が、叔父の松平伊豆守が自己の保身のため将軍に献上しようとしていた、綾姫というお姫様が連れ去られてしまったのを、東海道を京まで旅して取り返そうとするお話です。明朗闊達な主人公、何故強いかよくわからないのに強い主人公の腕など、白井喬二の作品とも共通するものがあります。といっても、私はこのシリーズを続けて読もうと思うほどは魅力的には感じませんでしたけど。南條範夫にはこの間読んだ、「駿河城御前試合」のような武士道残酷物と呼ばれる一連の作品もありますが、そちらの方は益々私の趣味ではありません。