小林信彦の「ムーン・リヴァーの向こう側」

jpeg000 184小林信彦の「ムーン・リヴァーの向こう側」読了。1995年の作品で、「ドリーム・ハウス」「怪物がめざめる夜」と合わせて、東京三部作だそうです。
話の内容は先日読んだ「イーストサイド・ワルツ」と重なる部分が多いです。ただ、結末が「イーストサイド・ワルツ」みたいに暗くないので、こちらの方が好感を持てます。といいつつも、この作品にも下町と山の手を巡ってのいつもの小林信彦の持論が噴出してきて、ああまたか、とうんざりした気になります。タイトルの「ムーン・リヴァー」も、たぶん隅田川(大川)のことなんだろうなと思って読んでいたら、その通りでした。正直な所、小林信彦の恋愛小説は概してうまくないですねえ。

古今亭志ん朝の「大山詣り、粗忽の使者」

jpeg000 172今日の落語は、古今亭志ん朝の「大山詣り、粗忽の使者」。
どちらも良く出来た噺で笑えます。
「大山詣り」は長屋の皆で大山詣りに出かけたけど、喧嘩をしないという戒めを破った熊さんが、酔っ払って寝ている間に坊主頭にされてしまいます。それを起きて知った熊さんの復讐が面白い噺です。
「粗忽の使者」は、子供の頃から物忘れが激しいので、物を忘れる度に親にお尻をつねられていた者が、使者に立って、ものの見事に伝える用件を忘れて、それを思い出すのにお尻をつねってもらいますが、弱すぎてちっとも効かず、それを聴いた大工の留っこが、閻魔(釘抜き)でその使者のお尻をつねって…という噺です。

白井喬二の「新撰組」[下]

jpeg000 181白井喬二の「新撰組」[下]を読了。
タイトルの「新撰組」は下巻の半分くらい、全体の3/4を経過したところでやっと登場します。それで池田屋事件とかも出てくるのですが、新撰組はあくまで背景に過ぎません。メインは、但馬流の織之助、金門流の紋兵衛、そして京都の伏見流の潤吉、この3人の独楽勝負を巡るお話しに、勤王の志士の妹であるお香代がからみます。織之助は、最初紋兵衛と戦い、その後潤吉と戦います。そして最後にお香代をどちらが妻にするかをかけて、潤吉と再度、肉独楽という占い独楽で決着をつけようとします。とにかくはらはらどきどき、織之助の人生も波乱万丈で読んでいて非常に楽しいです。ポケモンgoもいいけど、やっぱり本もいいです。

柳家小さんの「長屋の花見」

jpeg000 170今日の落語、五代目柳家小さんの「長屋の花見」。
私にとって、落語家というと浮かんでくるイメージがこの柳家小さんです。もっとも落語で聴いたというより、永谷園のCMでのイメージの方が影響が大きいですが。
「長屋の花見」は、ケチな大家さんが貧乏長屋の連中を連れて上野の山に繰り出すが、お酒と思ったら水で薄めた番茶、卵焼きと思ったら沢庵、蒲鉾と思ったら大根、とケチケチ。大家さんはお酒でもないのに酔っ払えと無理なことを言いますが…

白井喬二の「新撰組」[上]

jpeg000 181白井喬二の「新撰組」[上]を読了。タイトルは「新撰組」ですが、上巻を読んだところでは、近藤勇も沖田総司も土方歳三も登場しません。主人公は、但馬流独楽師の織之助で、お話しは、この織之助と金門流の紋兵衛との独楽勝負です。すなわちどちらの作った独楽がより長く回っているかを競うものです。この独楽勝負の結果で、二人の美人のどちらかが異人に差し出されてしまうという緊迫した勝負です。さて勝負の行方は…