Napoleon Le Blanc編の”Essay on Barber’s Razors, Razor Hones, Razor Strops and Razor Honing ..”(1893年出版)という理髪店用品の広告を集めた本をAmazonで入手しました。その中にこの鮫皮の革砥の広告がありました。確かに、現在の牛革や馬革(コードバン他)の革砥では軟らかく、本格的な研磨力はほとんど期待出来ませんが、鮫皮なら古来ヤスリやおろし金としても使われていますので、研磨用ペーストを併用しなくてもそれなりの有用性があったのではないかと思います。一般的に鮫皮と呼ばれて市販されているのはエイの革であり、成分はエナメル質です。エナメル質は人間の歯の成分であり、モース硬度が7ぐらいあるので、剃刀を研ぐことは可能だと思います。ちょっと試してみたくなりますね。
カテゴリー: Kitchen Knives and sharpening stones
1,300円中華製革砥→買ってはいけない(剃刀用)
Amazonで「革砥」で検索すると、平均1,300円くらいの安い革砥が5~6種類出てきます。それらの質がどうなのか、2種類ほど試しに買ってみました。
結論:剃刀用としては、表面が粗すぎて使い物になりません。ナイフや包丁用なら使えないことはないと思いますが、そちらの用途でも幅が狭い上に短いので非常に使いにくいと思います。買うことをお勧めしません。革砥は何の革かということだけでなく、どのように表面が処理されているかが非常に重要です。剃刀を当てて滑らかに滑らないものは、革砥としては使い物になりません。
写真は上から順にコードバン-ブライドルレザー-牛革(Dovo)ー牛革(着色)(アメリカ製)-中華革砥A-中華革砥Bです。この順番に質が段々下がっていきます。
中華Aはスウェードみたいな起毛タイプ、Bは普通の皮ですが、かなり表面がゴワゴワしており、こんなので剃刀をストロッピングすれば、たちまち刃先を痛めると思います。4番目のアメリカ製は本体だけなら3,500円くらいで、安くてもこの辺りが限界と思います。
ちなみに、剃刀用革砥については、ここに写っている以外に、後カンガルー革、ラティーゴ、水牛革、そして人工皮革のものを海外サイト他で注文済みで到着待ち。
ブライドルレザーの革砥
アメリカの、Ezra Arthurという皮革商品の会社で、ブライドルレザーの革砥を買いました。一般的に牛革の革砥は2,000~4,000円くらいですが、これは10,000円ぐらいします。(送料別)原料のブライドルレザーは牛革の中の高級な革で、昔から馬具に使われます。牛革にロウを塗り込めて繊維を硬く引き締めています。コードバンと比べると、艶としては控えめですが、全体が非常にしっかりしていて、使用時にあまり強く引っ張らなくとも平面性がかなり保たれる感じです。コードバンでのストロッピングはカミソリがちょっと吸い付くような感じがありますが、ブライドルレザーでのストロッピングも、コードバンのよりもちょっと抵抗が多いような感じですが、同様に吸い付く感じがあります。後は耐久性がどうか、ですがこれは使い込んでみないと分かりません。ブライドルレザーは、コードバンが一層だけなのに比べると、表層の革と内部の革がはっきり別れています。いずれにせよ、はっきり言えるのは、コードバンだけが革砥であるなどという考えは間違いだと言うことです。叶山のコードバンの革砥は素晴らしいですが、それが唯一のものではありません。
なお、リネン製と思われる布砥が付属します。叶山の布砥よりも薄いです。
砥石と革砥の棚卸し
現時点(2019年5月13日)の手持ちの砥石と革砥の棚卸し。腕はともかく砥石の取り揃えだけは専門の研ぎ屋並み。名倉系と面直しを除いて57種67本。
荒砥(18)
朝日虎 金剛砥石 荒砥 C No.100 角1丁掛 #120
シャプトン セラミック砥石 M5 (台付)#120 荒砥
スエヒロ GCK-3 #180
青エビ印GC角三丁掛けHK-1360細目#220
包丁どっとこむ砥石 荒砥石「あらと君」(小型、#220)
GC角朝日虎印 荒砥石 No.16(#240)中研ぎ用 ATI-63 2個
シャプトン 刃の黒幕 ブルーブラック 荒砥 #320
エビ印 本職超セラミックス砥石 台付 #400 SS-400
超セラミックス砥石 台付(修正用砥石付) #600 荒砥(ブルー)
ほんまもん セラミック 砥石 ハイス#600 最上級 京東山 荒砥石 粉末ハイス包丁用
今西製砥 BESTER(ベスター) 超高級セラミック中砥 ♯700
(天然砥)ナニワ エビ印 研ぎ器 ニュー大村砥 高級鎌砥石 荒砥ぎ用 IR-1000 3個
(天然砥)ナニワ エビ印 研ぎ器 ニュー大村砥 高級刃物用砥石 荒砥ぎ用 IR-1100 3個
中砥(26)
ナニワ 剛研デラックス砥石 #800 QA-0310
キングトイシ ネオ ST-1 ステンレス刃物専用 中仕上用 粒度#800
キングデラックス 研ぎ器 高級刃物用砥石 標準型 #1000 中仕上用 No.1000
KING キングハイパー砥石 #1000(中仕上用) 硬度(標準)x 2
KING キングハイパー砥石 #1000(中仕上用) 硬度(軟質)
ナニワ エビ 超セラミック砥石 台付 #1000
田中砥石 ニューケント #1000 軟口 中砥
田中砥石 ニューケント #1000 硬口 中砥
ナニワ ダイヤモンド角砥石 DR-7510#1000
今西製砥 BESTER(ベスター) 超高級セラミック中砥 ♯1000
包丁どっとこむ砥石 中砥石(台付き) 「こだわりの中砥石」#1000
ナニワ 剛研デラックス砥石 #1200 QA-0312
シャプトン セラミック砥石 M5 (台付)#1500 中砥 ブルー アルミナ 水酸化アルミニウム
末広 NEW CERAX CR-1503-W 砥石 #1500(WA) SUEHIRO セラックス
包丁どっとこむ 中砥石「赤門前」#2000
シャプトン 刃の黒幕 グリーン 中砥 #2000
キングハイパー2000 粒度2000
330mateさゞれ銘砥 WA #2000 天然繋ぎレジノイド砥石
ホワイト細名倉(刀剣用)
(天然砥)亀印 天然砥石 雲仙砥 15切 (中砥)
(天然砥)天草砥石 包丁用 10型
(天然砥)天然砥石 備水砥石 大型 12切 2個
(天然砥)中名倉
(天然砥)改正名倉砥
仕上げ砥(23)
#3000 ビトリファイド一般仕上げ砥石
ナニワ 化学砥石 #4000
ナニワ研磨 日本製 堺伝 和砥石 20mm厚 粒度:4000(仕上げ研ぎ用)
ナニワ(NANIWA) 本職用砥石 剛研 輝(かがやき) #5000
大谷砥石 仕上砥石「嵐山」 #6000
キング 研ぎ器 刃物超仕上用砥石 台付 #6000 最終超仕上用 S-1
キングゴールド 研ぎ器 刃物超仕上用砥石 台付 #8000 最終超仕上用 G-1
エビ印 スーパー砥石 台付 S10000 20mm
ナニワ(NANIWA) 本職用砥石 剛研 輝(かがやき) #12000
(天然砥)天然 青砥石 包丁砥ぎ 家庭用砥石 研ぎ器 (#4000) Pipig
(天然砥)土佐壺屋 天然青砥石
(天然砥)[北斗切] 北斗 天然砥石 仕上砥 若狭 戸前 水浅葱
(天然砥)[北斗切] 北斗 天然砥石 仕上砥 奥殿 戸前 淡梨
(天然砥)サイコム 大平巣板れんげ コッパ
(天然砥)砥取家 卵色巣板巣なし
(天然砥)北斗切 仕上砥 大平 内曇 からす系
(天然砥)鳴滝コッパ
(天然砥)内曇砥
(天然砥)内曇砥
(天然砥)水木原合砥 内曇 厚板
(天然砥)【本鳴瀧】極上一本撰 六型
(天然砥)若狭田村山大上
(天然砥)純三河 白名倉 刀剣用 コマ
(天然砥)亀印 天然合砥石(正本山合砥) 100型
名倉(4)
スエヒロ 名倉砥石#5000(砥汁出し・研磨用)
KING キング 名倉砥石 名倉修正砥石
(天然砥)天然砥石 純三河白名倉砥石 目白
(天然砥)包丁どっとこむ砥石「対馬砥石」
面直し用(11)
黒海老 面直し砥石 粒度#24 砥材C KT111 包丁 研ぎ
ナニワ 面直し用砥石(溝入) QA-0160
末広 中/仕上げ砥石用 修正砥石 WA280 802-W
ツボ万 アトマエコノミー本体 極細目 ATM75-12E
ツボ万 アトマエコノミー本体 中目 ATM75-4E 3個
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 細目:ATM75-6C(12669) 2枚
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 中目:ATM75-4C(12666)
ツボ万 ダイヤモンド電着製品 アトマエコノミー替刃 荒目:ATM75-1.4C
手持ちの包丁の棚卸し
2019年5月2日時点の包丁の棚卸し。全部で19本で数と種類だけは一人前。後は腕が伴えば。毎週鎌形の薄刃包丁で大根の桂剥きを練習しています。また豊洲市場の通販で買って裁いた魚も天然鯛とか天然ヒラメを入れて40匹を超えました。またステンレスではない合わせ以上の鋼を使った包丁が全体の半分以上になり、最近はステンレス包丁は使っていません。
柳刃 本鋼 1本、合わせ 1本、ステンレス 1本
相出刃 本霞み 1本
出刃 本鋼 1本、合わせ 1本、ステンレス 1本
小出刃 ステンレス 1本
薄刃(関西型、鎌形) 本鋼 1本
薄刃(関東型) ステンレス 1本
菜切り 合わせ 2本
和風三徳 合わせ 1本
皮むき 合わせ 1本
牛刀 ステンレス 1本
三徳包丁(中) ステンレス 2本
三徳包丁(小) ステンレス 1本
ペティナイフ ステンレス 1本
(本鋼 3本、本霞み 1本、合わせ 6本、ステンレス 9本)
Wikipedia編集情報
Wikipediaの砥石の項の「分類」の所を丸々追加しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%A5%E7%9F%B3#%E5%88%86%E9%A1%9E
また、「革砥」の項、ほんの数行しかありませんでしたが、全面的に書き直しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A9%E7%A0%A5
こちらは各国語のページの中で、一番情報量が多いです。
新しい合わせの菜切り包丁
本焼き出刃の研ぎ直し(刃こぼれ修正)
本焼きの出刃包丁の刃こぼれ
ヒラメの5枚下ろし
えーっと、これ釣ったんじゃないので勘違いしないでください。豊洲市場の通販で買ったものです。先日からヒラメの5枚下ろしに挑戦していて
、今回が2回目です。アジとかキスとかの小魚を捌くのは徳島時代に何百匹単位でやったので得意ですが、大きな魚は慣れていません。特にヒラメは、鱗の取り方が普通の魚の鱗の取り方とまったく違っていて大変です。普通の魚は鱗取りという専用の金具を使い、それで残った鱗は包丁を立ててガシガシこすって取ります。ヒラメの場合は柳刃で薄く皮を剥ぎ取っていく感じで鱗取りをします。それで真ん中の部分は比較的簡単に剥ぎ取れるのですが、背びれの近くのが包丁を斜めにしなければならず大変です。結局柳刃で全部取ることは諦めて、金属タワシでこすって取っています。それから、ワタですが、普通の魚は捨ててしまって終わりですが、ヒラメの場合は肝と浮き袋は食べるので、つぶすと苦い汁が出る胆嚢をつぶさないようにして、それだけ外して水洗いする必要があります。それから、背骨の上から包丁を入れて、5枚(表で左右2枚+裏で左右2枚+中落ち)に下ろす訳ですが、どうしても真ん中の所に肉が残ってしまいます。もしかすると、最初から胴体部を左右に2つに完全に切ってしまった方が下ろしやすいと思うのですが邪道なんでしょうか。
一応全部裁きましたが、本職のお手並みとは雲泥の差のレベルの低さです。ヒラメは高いのでそうしょっちゅうも買えませんが、その内またやってみます。裁いた身は刺身と、後は片栗粉をはたいてお吸い物にします。