メジロ

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ケンコー製のミラーレンズ500mm F6.3 DXで撮影したメジロです。このレンズは、韓国のSamyang製だということですが、良く写るレンズです。PENTAX製ボディとの組み合わせだと、ボディ内手ぶれ補正を生かして手持ち撮影ができます。逆光に弱いですが、専用のフード(金属製でなかなか立派なもの)が売られていますので、それを使いましょう。

レンズによる描写の違い

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同じバラを4本のレンズで撮り比べてみたものです。
上から
(1)SigmaのAFマクロ70mmF2.8EX DG
(2)PENTAX A★85mm/F1.4
(3)PENTAX FA100mm/F2.8 Macro
(4)PENTAX 67 SOFT 120mm/F3.5
です。
(1)のSigmaのマクロレンズは非常にシャープなレンズです。でも(2)の85mmF1.4と比べると描写が平面的で、花びらの質感も(2)には劣ります。(2)はマクロレンズではありませんが、素晴らしい描写で、私にとっての神レンズの一本です。(3)の100mmマクロは、同じPENTAXの(2)と同じ傾向の絵柄ですが、やや大味な感じです。(4)はPENTAX 6X7用の120mmソフトレンズをある程度絞り込んで撮影しました。4本の中では、一番花びらが厚ぼったく写っています。
私は花を撮る時は、マクロレンズよりも85mmF1.4をよく使いますが、それはやはりこのレンズの描写に惚れているからです。

PENTAX SMC TAKUMAR 55mm F1.8

takumar55-01takumar55-02takumar55-03中古市場でわずか3000円弱で買えるレンズの実力です。このレンズは、ベストセラー機アサヒペンタックスSPとセットで売られていたレンズなので、中古市場では数多く出回っており、とてもリーズナブルな価格で入手できます。写りは発色・柔らかさ・抜け、素晴らしいレンズです。最新のズームレンズは15枚も20枚もレンズを使ったものがほとんどですが、このレンズはシンプルな5群6枚の構成です。オーディオでいえば真空管アンプで、元の被写体の情報量がそれだけ失われることがなく残っているのでしょうね。また、このレンズは「アトムレンズ」としても有名で、微量の放射性物質を含みます。ガラスにトリウムなどの放射性物質を微量加えると、屈折率が上がるので、レンズを小型化する際に使われた手法です。もちろん、健康に害があるようなレベルではありません。

PENTAX F、FA望遠ズーム その2

[4]SMCペンタックスFズーム70-210mmF4-5.6 – 9群13枚。(隠れED)
[5]SMCペンタックスFズーム80-200mmF4.7-5.6 – 7群11枚。
[6]SMCペンタックスFAズーム70-200mmF4-5.6 – パワーズーム可。8群10枚。
の良く似たスペックの3種類の望遠ズームですが、フィルター径49mm、最短撮影距離1.1mの仕様は共通です。ぱっと見た目では[6]は[5]をパワーズームにする際に少しだけいじったように見えますが、ところが!、[5]はズーミングしても全長が変わらない「インナーズーム」です。3本のうち[5]だけがそうです。というわけで、良く似ていてもこの3本はまったく設計が違うようです。

写りを見ても傾向はわかります。上の写真は、1.1mくらいのところから、最望遠側にズームして開放(F5.6)でカレンダーの細かい文字を撮ったものです。ビューアーで200%に拡大しています。
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写真、上中下の順で[4]-[5]-[6]です。
[4]がやや大きく写っているのは210mmだからですが、色収差が少なく他よりシャープなのが確認できます。
[5]はこれに比べるとはっきり色収差が出ています。
[6]は色収差は余り目立たないものの、全体にコントラストが弱く色目も他の2つと傾向が違うようです。

[4]はEDレンズを使用しているのに、製品名に「ED」がつかない(色収差の補正というより小型化のためにEDレンズを使っているもの)「隠れEDレンズ」と呼ばれますが、テスト画像でもそれは確認できます。

全体に、望遠ズームで49mm径というのは、小型を優先したのでしょう。[5]はインナーズームでもあり、その設計方針はある意味徹底しています。これに対して[5]パワーズームをつけたために、全体が大きく重く長くなって、いまいち設計思想がちぐはぐです。(FAシリーズのズームは最初すべてパワーズーム付きで行く計画だったそうなので、無理矢理なパワーズーム化もやむを得なかったのでしょうか…)

[5]の小型軽量さは、持ち歩く上で十分な付加価値があります。

ともかく、ペンタックスのこのクラスの望遠ズームは短期間に右へ行ったり左へ行ったりして混乱しています。このF、FAの時代はペンタックスはAFで出遅れて、それを挽回するために方向性が揺れた時期であり、それがレンズのラインナップにも出ているようです。もし中古で買われるのなら、私は[4]か[5]をお勧めします。(FA80-200mmF2.8という☆レンズがありますが、これは中古でも十数万円しますので、お好きな方はどうぞ、としか言いません。)

最後に撮影例、これも[4]-[5]-[6]の順です。差があるといっても、 わずかです。4-015-016-01

PENTAX F、FA望遠ズーム

ペンタックスの昔から今までのレンズの中で、割と最近のシリーズでありながら、人気がないのが、FとFAのシリーズで、基本的にはオートフォーカス対応以降のレンズです。もちろんすべてが人気がない訳ではなく、☆レンズの中には非常に人気のある銘レンズもあります。ただ、全体にマニュアルレンズであったMやAシリーズに比べると、外見がプラスチックぽく安っぽく見えるのが多いようです。そのせいか、暗いズームレンズなんかは、ほとんど投げ売り状態で、程度の良いのがオークションで1本1万円以下で買えます。

ただし、この時代のレンズは、端(はた)から見てとてもわかりにくい構成になっています。80-200mmといえば、この時代、標準ズームである28-80mmとセットで使うもので、売れ筋の大事な製品ですが、ペンタックスのこの焦点の望遠ズームはとても混乱しています。
以下、Wikipediaや「使うペンタックス」などで調べた、AシリーズからF、FAシリーズの80-200mm前後のズームレンズ一覧です。

[1]ペンタックスA70-200mmF4
[2]SMCペンタックスA70-210mmF4 – 10群13枚。
[3]SMCペンタックスA80-200mmF4.7-5.6
[4]SMCペンタックスFズーム70-210mmF4-5.6 – 9群13枚。(隠れED)
[5]SMCペンタックスFズーム80-200mmF4.7-5.6 – 7群11枚。
[6]SMCペンタックスFAズーム70-200mmF4-5.6 – パワーズーム可。8群10枚。
[7]SMCペンタックスFAズーム70-200mmF4.7-5.6
[8]SMCペンタックスFA★ズーム80-200mmF2.8ED[IF] – パワーズーム可。13群16枚。(ED)
[9]SMCペンタックスFAズーム80-200mmF4.7-5.6 – 7群11枚。

おそらく、[3]→[5]→[9]は同じレンズでしょうね。
他は、焦点距離が微妙に変わったり、F値が変わったりと売れ筋のシリーズの割りには、ころころとレンズ設計が変わっているのが見て取れます。

写真は、左-中央-右の順で、[4]-[5]-[6]です。
個人的には、この3本以外に、FA★ズーム80-200mmF2.8ED[IF]([8])も持っています。
なのでペンタックスK-1のフルサイズ機が発売されても、この焦点距離の望遠ズームは買いません。
80-200mm

smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm

gyogan01gyogan02gyogan04 ペンタックスのsmc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED [IF]は魚眼レンズなのにズームでもあるというユニークなレンズです。最短撮影距離が14cmなんでレンズの前玉ぎりぎりまで寄ることができ、マクロレンズ代わりに使え、なおかつ周囲の様子も写し込んでくれるという便利なレンズです。発色はちょっときつめなので、私はケンコーのブラックミストというフィルターをステップアップリングにつけ、ガムテープでこのレンズにつけて使っていました。