白井喬二の「瑞穂太平記」の第三巻、「源平篇」を読了。つい先日白井の「源平盛衰記」を読んだばかりですが、内容は「源平盛衰記」と7割方同じです。多少新しい話は入っていて、平清盛が少年の時に馬を買ってその代金を日頃清盛に冷たくあたる叔父に支払わせたり、平家貞が源氏の監物満正と三十三間堂で矢の勝負をすることになり、二人とも事前にこっそり三十三間堂に忍び込んで練習したのが咎められ、ついには本番の前に勝負して片方だけが出場できることになったのに対して、家貞が見事勝利したり、という話が新しいです。ただ、源氏と平氏の戦いの話になると、さすがに新しい話はほとんど出てこず、「源平盛衰記」の繰り返しみたいになります。また、牛若丸と弁慶の戦いは、「源平盛衰記」ではより歴史に沿って清水観音が舞台になっていましたが、「瑞穂太平記」では一般的に語られるように、京の五条の橋の上になっており、ちょっと一貫していません
白井喬二の「瑞穂太平記」(源平篇)
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