白井喬二の「国民童話 自然のめがね 科学知識篇」

白井喬二の「国民童話 自然のめがね 科学知識篇」を読了。昭和17年に小学館から、全5巻の「国民童話」として出たものの1巻。この頃の白井は、「東亜英傑伝」全8巻もそうですが、子供向けのものをたくさん書いていたようです。この「自然のめがね」は、宇宙の話、海の中の珍しい生物の話、発電の仕組みの話、工場の旋盤などの機械の話、人体の仕組みの話などが、短いお話し形式で語られますが、一方で原子爆弾が開発されつつあった時代に、子供向けとはいえ、これはないんじゃないか、という感じの科学知識としてはレベルの低いもので、特筆すべき点が見当たりません。ちょっと、と思ったのは「光は粒子である」と書いてある点で、この頃は既に光は粒子と波の両方の性質を持っていることは知られていたはずです。白井が最新科学の知識を仕入れていなかったのでしょうか。
全5巻の他の巻は、「よい国よい話(日本古典篇)」「童話の四季(児童生活篇)」「虹の橋(国史物語篇)」「東亜のまもり(国防知識編)」です。「国史物語篇」があるのが、白井らしいです。