私はベートーヴェンの交響曲の中では3番の「エロイカ」が一番好きです。ベートーヴェン交響曲全集を評価する時も、「エロイカ」の出来が一番評価に影響します。そんな私が最初にはまった「エロイカ」はフルトヴェングラーの1952年のスタジオ録音のものです。しかし、大学に入って目白のレコード店で買い求めた同じフルトヴェングラーのいわゆる「ウラニアのエロイカ」を聴いてぶっ飛びました。同じ指揮者なのに1952年のスタジオ録音とはまるで違う凄絶である意味荒れ狂った演奏でした。1944年の放送用の録音で、戦後ウラニア社から指揮者本人の許可を取らずに発売されて、フルトヴェングラーが裁判に訴えたという伝説の録音です。
という訳で私はこの録音をLPレコード(フォンタナ盤)で持っていたのですが、最近CDで聴き直したくなって買ったのがこれです。
聴いてびっくり、録音が劇的に良くなっています。というかデジタルでノイズを取ったり色々やったのでしょうが、かなり聴きやすくなっています。そうなると不思議なことに演奏から受ける印象も違ってきて、学生時代に感じたような荒れ狂った演奏とはあまり感じなくなりました。いずれにせよ、この曲の演奏の決定盤だと思います。
フルトヴェングラーのウラニアのエロイカ再視聴
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