(この記事は4月14日に書いたものです。)
ヴォルフガング・シュルフターの「ヴェーバーの再検討 -ヴェーバー研究の新たなる地平-」を読了。例のテンブルックの「「経済と社会」からの訣別」への応答である論考が含まれているの読んでみたもの。既に「「経済と社会」仮構の終焉」も読んでいるため、重複する部分が多く、あまり新しい知見は得られませんでしたが、シュルフターという人は論点を整理するのがうまい感じで、その面での益はありました。ちなみに、シュルフターは一貫して「経済と社会」ではなく「経済及び社会的秩序と勢力」であると主張しており、「全集」でも「経済と社会」に固執するモムゼンとの妥協が行われず、結果的に「経済と社会」と「経済及び社会的秩序と勢力」が並記される(但し後者はあくまでも副題的な扱い)ことになっています。後書きでこれまでのシュルフターの経歴が示されていましたが、意外だったのは元々はシュルフターは決して「ヴェーバー学者」ではなかったということです。
月別アーカイブ: 2018年5月
NHK杯戦囲碁 中野寛也9段 対 鈴木伸二7段
本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が中野寛也9段、白番が鈴木伸二7段の対戦です。鈴木7段は7年ぶりの出場だということです。布石は双方が隅にかかった石を挟まれたまま放置するというのが何ヶ所も出来た不思議な進行でした。右上隅では黒はかかった白にコスミツケて、白は立たずにケイマにかけて打ち、黒がぐずんで切りに行った時手を抜いて他に打ちました。結局黒はぐずんだ所から出て右上隅は完全な黒地になりました。その後白は上辺に左上隅にかかった黒へのハサミというか打ち込みを行い、黒が中央に一間に飛んだ後、上辺に渋く一間に開きました。黒は左上隅にすべりましたが、ここで白は元々かかった石の上の2線に付けました。黒は押さえずにコスミで打ち、結局白が隅を取り、黒は白の左辺の1子を切り離す振り替わりになりました。この結果は黒に不満がないものでした。その後白はすぐ左辺で切り離された1子を動き出しました。黒はそれをすぐに受けずに上辺の白に利かしに行きました。これに白が反発し、中央での戦いとなりました。結局黒は左辺で動き出した白を取りました。中央の左側の白は左辺を犠牲にしてほとんど活き形になったのですが、黒はしかしこの白への攻めを決行しました。結果から見ると、左側の白より右側の白を攻めた方が良かったのではないかと思います。ただ黒の攻めも厳しく、白は一眼しかありませんでした。黒が攻めながら左下隅になだれ込んだ時、三々にまで踏み込んだのがある意味手拍子で、白に割り込まれて黒3子か三々の黒かのどちらかが取られることになり、結局黒は隅で活きて3子を捨てました。この結果左側の白がはっきり活きてしまうと今度は中央の黒が非常に薄くなりました。しかし黒は形勢不利と見て、右辺を目一杯囲い、中央は放置しました。その後の白の攻めに黒は右下隅の黒に悪影響を与えないように活きようとしましたが、さすがにこれは無理があり、結局中央の黒は一眼も出来ずに取られて、ここで黒の投了となりました。
マックス・ヴェーバー全集の一部が届く。
(以下は2018年4月14日に書いたものです。)
モーア・ジーベック社に注文していた、マックス・ヴェーバー全集の内の「経済と社会」旧稿相当分5巻+「理解社会学のカテゴリー」を含む科学論集の1巻、そしてAmazon.deで注文した「中世商事会社史」の1巻が揃いました。後1冊Amazon.deで注文した「経済と社会 文献史」の巻1冊がまだ輸送中です。今回かかった費用は2,267ユーロで、実に30万円を超しており、かなりの散財です。でも、この全集が出来なかった「経済と社会 旧稿」のあるべき配置によるドイツ語テキストをこちらで出そう、というプロジェクトですから、この全集を買わない訳にはいきません。しかし、「ヴェーバー産業」と揶揄されるだけのことはありますね。この馬鹿高い価格設定は、オープンソース的な考え方とはおよそ逆です。また前にも書いたかもしれませんが、この全集を一番買っている国は疑いなく日本です。(日本全国でヴェーバーのドイツ語をある程度読める人となるとそんなに多くはいないと思うのですが、おそらく大学図書館などが主に買っているのでしょう。)
22年半使用の日立の洗濯機、ついに交換
本日有給休暇で、エアコンの修理+洗濯機交換。
洗濯機は22年半使い、まだ問題なく動いていますが、いつ死んでもおかしくないので、エアコンの修理で休みを取る必要があったので、その日に合わせて新しいのを配達して据え付けてもらいました。古いのを外してみたら、背面の金属がボロボロに錆びていて、排水溝にそれが落ち込んでいて、最悪の場合は排水溝が詰まる所でしたから、まあ交換して正解でしょう。でも、モーター部はビクともしていなかった訳で、この点はさすが「モーターの日立」と思います。新しい洗濯機は同じ日立で横幅は前のと一緒ですが、いくらか縦長でその分水が少し多く入ります。
この洗濯機も22年保つと、その時は私は79歳でもう生きていないかも。
ドイツ語対応のOCRソフト
ドイツ語のOCRを探しました。
何がしたいかと言うと、例のヴェーバーの「経済と社会 旧稿」を折原浩先生の仮説に基づいた順番に並べ直し、更に「理解社会学のカテゴリー」を頭につけて、Web上で提供したいのです。元になるドイツ語テキストとして、Weber im KontextというCD-ROMのテキストが使えますが、一部誤植があるとのことです。また現在刊行中の「全集」で校閲の結果テキストが変わっている可能性があります。このため、
(1)「全集」の紙をスキャナーで画像化し、OCRでドイツ語テキストに変換する。
(2)(1)で変換したテキストとCD-ROMのテキストをdiffなどを使って差分を取る。
ということを行いたいのです。
取り敢えずググって出てきた
https://convertio.co/ja/ocr/german/
のは、試してみたら、箸にも棒にもかからない変換結果でNGでした。
それで製品版ということでABBYY Fine Readerのお試し版を使ってみましたが、これもかなり変換ミスはあるものの、スペルチェッカーを併用することで、まあまあいけるんじゃないかと思い、これを買いました。2万円。
http://finereader.add-soft.jp/
「ガールズ&パンツァー 最終章 第1話」
ロビン・ティチアーティーのブラームス交響曲全集
ブラームスの交響曲全集は70種類くらい持っていて、さらに1番だけなら220種類くらい持っていますけど、ロビン・ティチアーティーのブラームス交響曲全集が出たとあっては買わざるを得ません。ティチアーティーは1983年生まれでまだ35歳に過ぎませんが、既に一流の指揮者として欧州各地で大活躍しています。特に若くしてグラインドボーン・オペラ祭の音楽監督になったことも記憶に新しいです。
それでこのブラームスですが、1番の出だしから響きの新しさが強く印象づけられます。一言で言ってしまえばピリオド奏法なのかも知れませんが、手持ちのブラームスではガーディナーのものと似ている感じです。それでティチアーティーの場合は単に音色の新しさで終わらず、緊張感を終始保った素晴らしいブラームスです。ティチアーティーは未だに日本語のWikipediaのページも無いのですが、日本で何故注目されないのかが不思議です。
ローマのヴァチカン美術館の駆け足見学
ローマのヴァチカン美術館は滞在の2日目のローマ観光の日に行こうとしたんですが、例によってすごい行列でしかも閉館が16:00ということで、入ることは出来ませんでした。これも例によって話しかけてきたツアーの勧誘員に色々聞いて、最後の日(5月4日)の11:30からのツアーを予約しました。しかしフィレンツェからの高速鉄道がある意味予定通り90分の旅程で15分も遅れ、ローマテルミン駅から地下鉄と徒歩で何とかその予約した店までたどり着いたのが11:30ギリギリでした。帰りの飛行機は15:15ローマ発なので、13:15には空港に着く必要があり、タクシーで空港まで30分程度かかりますから、ぎりぎり見られて12:40ぐらいまででした。しかし、ツアーの御一行は歩いてヴァチカン美術館に向かい、そこですんなり入れるかと思ったからまた切符の受け取りで待たされ、結局スタートしたのは12時を過ぎていたと思います。時間が全然ないのでガイドは断り自分で勝手に見て回ることにしましたが、中は恐ろしい人の多さでほとんど動きが取れず、やっと何とか見ることが出来たのが以下です。残念ながらシスティナ礼拝堂の「最後の審判」も見ることが出来ませんでした。元からここは予定に入れてなくて急に思い立ってスケジュールに入れたものですから、これだけ見られただけでもましかもしれません。ここで一番印象に残ったのは、地図が壁に貼ってある300mくらいの回廊で、天井にびっしりと貼られた無数の絵です。正直な所、絵が単なる装飾の部品として使われている感じで、しかも下から天井に貼られたものを見ることになり、絵自体もよく見ることができず、そういう風に絵を扱われた画家はいい気持ちがしなかったのではないかと思いました。結局の所、画家の西洋の歴史における地位って決して高くなかったのだと思います。
これで今回のイタリア旅行の写真はおしまいです。
フィレンツェの街並みとウッフィツィ美術館
2018年5月3日にフィレンツェを訪れ、ウッフィツィ美術館を見学した後、フィレンツェの街並みを見学しました。ウッフィツィ美術館はチケットを予約して行ったのですが、それでも入場に30分ぐらいかかり、もし予約無しで行ったらどれだけ待たねばならなかったかわかりません。また、中も広大で収録作品も膨大であり、見て回るのに2時間では足りません。以下フォトアルバムとしてお見せします。画像をクリックすると拡大されます。なお、絵の作者と名前は、分厚い「ウフィッツィ美術館目録」みたいなのを持ち帰ったのですが、それに載っていないものも多いため、まだ調査中です。Googleの画像検索で地道に調べていくしかなく、分かったものから徐々に追加していきます。なお、撮影したままの画像は下から撮ったり、斜めに撮ったりして変形しているため、現像時に補正しています。後コントラストと彩度を少しいじってあります。
メリットリンス→コンディショナー
ドラッグストアで、シャンプーとリンスの詰め替え用を買おうとしたら、パッケージのデザインが変わっていました。シャンプーは簡単に見つかりましたが、何故かリンスが無い。それでよく見たら、「コンディショナー」に名前が変わっていました。しかし、裏面に書いてある正式な商品名は「メリットリンスDE1(コンディショナー)」でリンスのまま。また、「リンスのいらないシャンプー」「リンスインシャンプー」というのが別にありますが、そちらは「リンス」のままです。確かに「リンス」は和製英語で、英語の意味は「濯ぐ(すすぐ)」という意味で、半導体の前工程でリンシングと言えば、純水でエッチング液などの薬液を洗い流すことです。また、昔どこかの国語辞書で編者が、「シャンプーは辞書に入っているけどリンスが入っていない」と娘に言われた、と語っていたことがあります。
この「メリット」という製品を使っている人は、かなりの部分昔から使っていて特に変える理由もないので使い続けているという人が多いと思い、つまりメインのユーザー層は年寄りだと思います。だとしたら、こういう消費者を戸惑わせるような名称変更はやらない方がいいと思うのですが。