シャプトン砥石を水に長時間漬けるとどうなるか実験

シャプトンの昨日届いた1500番のセラミック砥石(マグネシア系)について、ちょっと使う気が失せたので、この際マグネシア系がどの程度水に弱いのか調べるために、一晩水に漬けて放置しました。大体7時間半です。結果として、見た感じの変化はほとんどなく、クラックや剥がれも発生しませんでした。ただ、やはり硬度は落ちている感じがあり、試しにアトマエコノミー(ダイヤモンド砥石)で角部をこすってみたら、結構簡単に削れました。おそらくこういう吸水した状態で刃物を研ぐと、ぼろぼろいきそうな感じです。実際に研いでみれば良かったんですが、朝で時間がなかったのでそこまでしませんでした。まあこの結果からは普通の人造砥石のように使う前に15分くらい水に漬けても、そこまでひどいことにはならないのではないかと思います。ただ注意点は今回テストしたのは5mmの砥石層に15mmの補強層が付いたタイプであり、15mm全体が砥石層で補強がない「刃の黒幕」シリーズが、長時間水に漬けてトラブルがない、という保証にはならないと思います。

マグネシア系の長所は、1000℃以上の高温で焼き固めるビトリファイ系に比べ、ほぼ常温での製造になるので、収縮が小さくサイズについて精度を出しやすく、特に研磨粉の径が小さい仕上げ砥が作りやすいということだと思います。(ビトリファイ系で小さい径の研磨粉を使うと収縮が大きくなり、歩留まり良くサイズを揃えるのが難しくなる。)

ちなみにビトリファイ系のビトリとは、元々ラテン語で「ガラスの」という意味です。丁度12月の実践ビジネス英語で、体外受精のことをIVF=in-vitro fertilizationというと習ったばかりです。(この場合はガラス=試験管のことです。)日本語でガラスのことを昔「びいどろ」と言いましたが、これはこのvitroと同語源で、おそらくポルトガル語のVidro(ガラス)から伝わったものです。