古関メロディー:「三日月娘」と「雨のオランダ坂」は兄弟曲?

古関メロディーでまた一つ面白いことを発見。どちらも昭和22年の曲で「三日月娘」と「雨のオランダ坂」というのがあって、どちらもそれなりにヒットした名曲なのですが、何故かこの2つのどちらかを歌っていると、いつの間にかもう1つの方になっているということが良くあります。「あーの娘可愛いや 三日月娘」の後に「オランダ坂の雨の日よ雨の日よ」がまったく問題なくつながってしまいます。何故かと思って楽譜を見たら、
(1)調性がハ短調で同じ。
(2)拍子も3/4で同じ。
(3)速度記号もModerateで同じ。
(4)冒頭のメロディーもほとんど同じ。(楽譜参照)
で、これでごちゃごちゃになるのは当たり前です。
問題はこれがたまたまそうなっただけなのか、あるいは古関が手抜きで一方の曲をベースにもう一方を作ったのか。まあ古関は天才ですから作った曲を片っ端から忘れているという説もありますので、たまたまが正解なのかもしれませんが。
なお「雨のオランダ坂」は間奏部に、プッチーニの蝶々夫人の「ハミングコーラス」が引用されています。

三日月娘(YouTube)

雨のオランダ坂(同上)

P.S.
古関裕而記念館の目録でこの2曲の時期を調べたら、「雨のオランダ坂」が昭和22年1月、「三日月娘」が昭和22年2月でほぼ同じ時期でした。ということはやはり知ってて転用したんでしょうね。