同じような、昔の日本(戦前・戦中・戦後)の白黒写真をAIでカラー写真にした新書を2冊読みました。左の「AIとカラー化した写真でよみがえる 戦前・戦争」はまともな本でした。しかし右の「カラーでよみがえる日本軍の戦い」は、写真はともかく、テキストはネトウヨ史観そのもので、きわめて出元が怪しいタイのプラモード元首相の「12月8日」という文章が事実のように引用してあったり、また日本がシンガポールを占領した後、マレー人やインド人を教育して感謝された、などと書いていてほとんど吹き出しそうになりました。山下奉文将軍が何故A級戦犯で死刑になったのかの理由も知らないのでしょうか。(知らない方は「シンガポール華僑粛清」でググってみてください。)
左は、それに比べるとはるかにまともで、「この世界の片隅に」で描かれていたように、戦争の前、戦争中も庶民の暮しは決して暗いだけのものではなく、それぞれの生き方があったということが、カラー化された写真で蘇ってきます。実際にこの本に載っている理髪店の写真が、「この世界の片隅に」の中の作画で参考にされているようです。
白黒写真のAIによるカラー化って、多分白黒の濃淡からだけで色を特定することは困難で、人間の肌とか分っている色を基準にしていくんでしょうが、必ずしも正しいとは限らないようで、実際にその当時の人から聴き取った情報で補正されていたりします。
左の本に、大平洋戦争末期の空襲の写真が多数出て来て、その中に下関、鹿児島、徳島、横浜などのかつて住んだ町が多数出て来て、ちょっと胸が痛みます。それも下関は2回、徳島市に至っては7回も空襲を受けています。広島や長崎だけでなく、全国のほとんどの都市が焼き払われ、その廃虚の中から復興したんだということは忘れるべきではないと思います。
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バックロードホーン(長谷弘のキット)のユニット交換
長谷弘のバックロードホーンキットに使っていたスピーカーユニットを9年ぶりに交換。前のがFE166Enで今回のがFE166NVです。ほとんどスペック的には同等だと思いますが、コーン紙の材料は芭蕉系の繊維からケナフに変って色がかなり白っぽくなっています。またマイカ粉などの無機物も混ぜられているようです。旧型はさらにリード線を取り出すハトメ部が目立っていましたが、新型はハトメレスになっています。
試聴は今ピアノ曲を聴いていますが、かなり腰がしっかりした音です。というか旧型が多少やれてきていたせいかもしれませんが。取り替えは思ったより簡単で、接続は半田付けしないといけないのかと思っていましたが、ファストン端子でしたので簡単でした。1箇所だけファストン端子が酸化で折れてしまったので、そこだけ半田付けしました。
箱は長谷弘のMM-171というものですが、正直な所、容量が小さく低音は不足気味です。ですが、フォステスクのサブウーファーを2本使っているので、それでバランスが取れています。
巨人の惑星の”Ghost Town”
巨人の惑星の”Ghost Town”を観ました。ある時巨人に追われていたバリー(少年)達ですが、バリーが何かの電磁波のようなものに触れて気絶してしまいます。同様に追いかけて来た巨人もその電磁波に触れて死んでしまいます。一行は一度宇宙船に戻って助けを請うて、バリーが気絶していた場所に戻って来ましたが、彼はいません。そうこうする内にフィッチューも感電してしまいます。そこで一行があたりを探していると、何と地球の街に出会います。しかし建物は間違いなく地球のものでしたが、誰もいないゴーストタウンでした。フィッチューが電話ボックスで助けを求めていると巨人の少女が現れます。この街は、ある老人が、ある時地球の船がクラッシュして中の者は全員死亡してしまったのを、そこにあった書物を見て、地球の街そっくりに作った模型でした。そしてこの老人の孫の少女が信じられないほど性格が悪く、トンネルを掘って逃げようとしていたバリーを足でトンネルをつぶして生き埋めにします。また老人が差し入れてくれたシチューを皆で食べようとしていたら、天井から砂を撒いて食べられなくします。またガソリンを撒いてマッチで火を付け、地球人達を焼き殺そうとします。しかし、老人は自分が長い時間かけて作った模型に火を付けた孫娘を厳しく叱ります。地球人達はこれを逆用し、自ら建物に火を付け、孫娘が消火しようとしている間に、ゴーストタウンの回りのフォースフィールドを操作するコントローラーをショートさせて、脱出しようとして、孫娘が上から石を落としたり、建物を壊して押しつぶそうとしたりしたのを何とか回避して脱出するという話です。孫娘は祖父に「また火を付けたな!」ということで、お尻を叩かれて…という結末。
スタートレックのファーストシーズンの”The Conscience of The King”
スタートレックのファーストシーズンの”The Conscience of The King”を観ました。シェイクスピア劇にからめたなかなか重厚なストーリーの回。というかこの「罪を犯した父親がいて、父親はその娘を罪から遠ざけて無垢に育てたのに、いつか娘が父親の罪を知って、それを消し去ろうとして罪を犯す」って、確かイタリアオペラの何かの話にあったように思います。あるいはシェイクスピア劇?
10年前にある星で、何かのカビが大量発生して深刻な食糧不足が生じ、そこの長官が救援が来る前に8000人いた住民の内、自分の判断で4000人を殺すという事件がありました。その長官は死んだと思われていましたが、その顔を知っている男(カークの友人)が、ある劇団の俳優がその長官だと言います。その長官の顔を知っている人間はカークも含めて7人いますが、その劇団が近くにいる時に限って一人また一人と殺されていきます。エンタープライズ号にもカーク以外にライリーという者がいて、飲み物の中に毒を入れられて殺されかけます。カークはその俳優を詰問して、その長官だろうと問い詰めますが、実は目撃者を殺していたのはやはり俳優であったその娘でした。最後はレオンカヴァルロの「道化師」のように、舞台の演技と現実が交錯し、娘が間違って父親をフェーザーで撃ってしまって殺してしまうという結末です。
「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”
「巨人の惑星」の”On A Clear Night You Can See Earth”を観ました。何というか、程度の低いマッドサイエンティストもので、発明したのは単なる暗視鏡(ノクトビジョン)です。しかしそれは品質が安定しておらず、すぐに動かなくなります。キャプテン達がこのマッドサイエンティストの家に忍び込んだのは、例によって太陽電池に使うレンズを盗むためです。一応電源を切断して暗闇して忍び込んだのですが、マッドサイエンティストの暗視鏡のおかげで見つかってしまいます。色々あって一行は逃げ出せたのですが、キャプテンはその発明が危険だからという理由で、マッドサイエンティストの家を爆破しようとします。しかし途中で捕まって、仲間が助ける時間を稼ぐため、キャプテンはその暗視鏡で地球が見えたと言います。(単なるブラフかと思ったら、最後の所で本当に見えた、と言っています。)それでマッドサイエンティストをおだてて、この暗視鏡は単なるノクトビジョンよりも高機能なものだ、但し安定していないので改良が必要だ、などといって、等々というストーリー。はっきり言ってナンセンスな脚本で、そんな悪人とも思えないマッドサイエンティストを家毎爆破して殺してしまうのも後味が悪いです。失敗したエピドードです。
スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″
スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 2″を観ました。Part 1と合わせて、今まで観たエピソードの中ではベストではないかと思われる、非常に良く出来たストーリーでした。スポックが反乱の容疑で有罪宣告を受けますが、それを宣告した基地の長官も、タロス星系の第4惑星人が作った…だったというのはなかなかの捻りでした。また今回出て来る女性がなかなか可愛かったです。Vina(まあ本当の姿は置いておいて)とエンタープライズ号の女性クルー2人の内若い方は良かったです。最後に、Vinaとパイク元船長が、タロス星人の幻想の中で二人幸せに暮すというハッピーエンド(?)で良かったです。しかし、カーク船長というのは何代目の船長なんでしょうか。パイク船長もなかなかのキャラクターで良かったです。スタートレックはアーウィン・アレンのTVドラマと比べると、本当に脚本がしっかりしています。
NHK杯戦囲碁 村川大介9段 対 原正和3段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が村川大介9段、白番が原正和3段の対戦でした。この碁のハイライトは下辺の黒地で白が1子を動き出し、その後白が右上隅で黒の二間ジマリに付けていってからの攻防でした。下辺左での白の動き出しは右上隅での戦いでのシチョウアタリを見ていました。しかしシチョウアタリが役に立つ前に右上隅は退っ引きならない戦いとなり、結局劫付きの攻め合いになりました。しかしそれは黒の有利な一手ヨセコウでした。更に上辺で白が打った劫立てが問題で、結果的には無効になりました。黒は劫を解消して右上隅から右辺で40目クライの地を確定しました。白は劫の代償で上辺か左辺の黒のどちらかを取らないと勝負にならない形勢でした。黒は左辺の4子は捨てても形勢は悪くなかったと思いますが、成り行きで全て頑張ることになり、真ん中の白に切りが入って薄かったこともあり、結局全部活きました。こうなると右辺の得の分黒が優勢で、ヨセの途中で白が投了しました。村川9段の戦いの上手さが優りました。
木下恵介監督の「この子を残して」
木下恵介監督の「この子を残して」を観ました。「長崎の鐘」と同じく永井隆博士を描いた映画で1983年の作品です。脚本を木下恵介監督自身と山田太一が書いています。1950年の「長崎の鐘」の時はGHQによる検閲のため、原爆の被害の生々しい描写を入れることは出来ず、キノコ雲のシーンの後はすぐに焼け落ちた瓦礫のシーンになります。1983年のこの映画は、映画の途中にも悲惨なシーンは出て来ますが、最後にまとめるように、原民喜の「水ヲ下サイ」と峠三吉の「ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ わたしをかえせ」が朗読され、当時の悲惨な情景が描写されます。「水ヲ下サイ」は以前観たジョン・アダムズのオペラ「ドクター・アトミック」の中でも使われていました。(「ドクター・アトミック」は原爆を開発するマンハッタン計画の中心的な科学者であったオッペンハイマー博士を主人公にしたオペラです。)
永井隆博士自身は、原爆の被害を受けたことを、神が信者に与えた試練、燔祭(ホロコースト)と捉えていましたが、それは当然当時の被爆した信者全員がそう思っていた訳ではなく、この映画の中でも浦上天主堂での合同慰霊祭の時に、永井博士が読んだ弔辞に対する「異議あり!」の声や、永井博士の妻の緑のお母さんが博士に対して文句を言うシーンで代弁されています。
「長崎の鐘」は悲惨なシーンが少なく、また古関裕而の音楽の素晴らしさもあって、感動を得られる映画ですが、この映画は非常に重いです。何度も観る映画ではありません。丁度今週「エール」で「長崎の鐘」のエピソードであり、この機会しかないだろうと思って観ました。
スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 1″
スタートレックのファーストシーズンの”The Menagerie, Part 1″を観ました。2話完結の話なので、まだどうなるか分りませんが、色々と興味深いストーリーです。まず、カークの前のエンタープライズ号の船長だったパイクが登場しますが、その姿は脳だけが生きていて、電動式車椅子でかろうじて少しだけ移動出来、意思はランプ点滅1回がYes、2回がNoというだけの姿です。実は、そのパイクがいる基地にエンタープライズ号が立ち寄るように信号を偽装したのがスポックでした。しかもスポックはパイクをエンタープライズ号に乗せ、カークを基地に置き去りにして、エンタープライズ号をタロス星系の第4惑星に向かわせます。しかしカークと基地の司令官が追いかけて来て、その乗り物の燃料残が既に引き返せない地点まで追いかけます。やむを得ずスポックは2人をエンタープライズ号に収容し、ドクター・マッコイに対し、自分は反乱を企てたので逮捕して欲しいと言います。軍事法廷が開かれ、スポックが裁かれますが、スポックはそこでどうやったのか不明ですが、13年前のパイク船長とスポックのタロス星系の第4惑星での体験を映像に映し出します。そこには以前遭難した地球の宇宙船の生存者がいましたが…以下Part.2へ。
「巨人の惑星」の”Double-Cross”
「巨人の惑星」の”Double-Cross”を観ました。フィッチューが巨人二人が落としたブレスレットに当たって気絶し、記憶を無くしてしまいます。巨人二人は窃盗犯で、フィッチューを使って美術館にあるルビーを盗もうとします。フィッチューは自分は元詐欺師だと言い、窃盗犯に協力すると言います。折から、フィッチューを助けにやってきたベイリーを捕まえ、ベイリーなら鍵穴を抜けられるということで、犯罪の決行に美術館に向かいます。ベイリーが鍵を開け、窃盗犯とフィッチューは美術館の中に入ります。その前に美術館のキュレーターが書類を取りに戻っていましたが、ベイリーを助けに来たキャプテンが、キュレーターが閉めたドアを再度開けるようにベイリーに命じます。キュレーターはこれで誰かが鍵を開けたことに気がつき警察を呼びます。フィッチューは聴診器を使って金庫の鍵を開け、ルビーを盗み出します。悪党どもは、間一髪逃げ出せアジトに戻ります。そこでわざと捕まったキャプテン達はとっさの隙にルビーをワイングラスのワインの中に漬け、悪党達をお互いにルビーを盗ったと疑わせ喧嘩させることに成功します。悪党二人が喧嘩している間に一行はネズミの穴から逃げだし、フィッチューはキャプテンに殴られて記憶を取り戻すという話です。フィッチューの正体が分っただけ、といった回でした。フィッチューは「宇宙家族ロビンソン」におけるドクター・スミスのような役ですが、もう一つ中途半端なキャラです。