本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が辻篤仁3段、白番が依田紀基9段の対戦です。辻3段は関西棋院期待の若手で初出場です。局面が動いたのは白が左辺の黒の構えに打ち込んでからで、黒白双方眼が無い石で攻め合いになり、攻め合いは黒が有利かと思いきや、白の放り込みがAIも予想していなかった妙手で、攻め合いは白の勝ちになり、白は左上隅から左辺に大きな地を作りました。これで白の優勢となりましたが、解せないのがその後の白の打ち方で、左辺に残された白を動き出したのは厳しくて良かったのですが、中途半端に途中まで打って、下辺に転じてしまいました。この結果黒は2箇所の白の種石を取って中央が厚くなり、形勢は互角に戻りました。その後白は右下隅に潜り込んで生還し、細かい碁になりましたが、黒は右辺を広げまた中央にも地を付けてリードし、白は挽回のために上辺で策動しましたが上手く行かず差が広がり、結局黒の3目半勝ちとなりました。辻3段の戦いとヨセが見事でした。
NHK杯戦囲碁 辻󠄀篤仁3段 対 依田紀基9段(2022年6月19日放送)
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