真空管アンプの本を色々読んでいますが、「スイッチの接触が悪くなったら接点復活剤を使いましょう」なんてのが書いてあってびっくりします。市販の接点復活剤はほとんどが化学的な合成油を溶剤に溶いたようなものが多いようです。この場合ピンポイントにスイッチ接点だけに付けて拭くのならまだいいですが、大抵がスプレー式で隙間から細いノズルを入れて吹き付けるようなものが多いようです。この場合油ですから乾かずにそのまま絶縁物や金属の表面に付着したまま残ります。機器をクリーンルームで使っているならいいですが、普通家庭で使うならホコリ・ゴミが無いということはありえません。油の上にそういったゴミやホコリが積もって混じり合い、スラッジという泥状のものになります。そうなると絶縁性が低下し、場合によってはトラッキング現象が起きて最悪発火という事になりかねません。また逆に接点間にそういうものが入ることによって接触抵抗が上がってスイッチとして使えなくなるという可能性もあります。そもそも安物のロータリースイッチとかなら接点が外部に露出しているものもありますが、普通はスイッチの内部にあって接点だけに直接接点復活剤を付けることはまず不可能です。また一時的に接触が復活したように見えても中長期ではトラブルになる可能性大です。そもそもスイッチの接点の損傷は、硫化といって銀の表面が黒くなるようなもの以外に、アークによってスイッチ接点の材料がどんどん減っていくのと2種類が主で、前者に接点復活剤は多少効くかもしれませんが、後者には無意味です。スイッチを長持ちさせるには、
(1)(電源スイッチなら)スパークキラーを入れる
(2)時々操作する
などが基本です。それで最終的に接点が本当にダメになったらそれは交換するしかありません。スイッチは基本的に消耗品です。
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トワイライト・ゾーンの”What You Need”
トワイライト・ゾーンの”What You Need”を観ました。バーに不思議な物売りの老人がやって来て、バーの客に様々なものを売りますが、何故かそれがその人に役に立ちます。例えばある元ピッチャーで故障して飲んだくれていただけの男が、老人からある町行きのバスのチケットをもらいます。すぐにその後男に電話があり、彼の元マネージャーがコーチの職を彼に持ってきます。そしてその野球チームのGMとの面接のある町が先ほどのバスのチケットの行き先でした。バーにいた何をやっても上手くいかないレナードは老人にからみますが、老人はハサミを彼に渡します。レナードはホテルに戻ってエレベーターに乗りますが、彼のマフラーがエレベーターのドアに挟まれ、彼は首を絞められて死にかけます。しかし持っていたハサミでマフラーを切って助かりました。この事件からレナードは老人が未来を見通す力を持っていることに気がつきます。老人の家に押しかけたレナードは、次のものをせびります。そしてインクの漏れる万年筆を渡されます。そのインクが垂れた新聞の上は、次の日の競馬のある馬の所であり、次の日レナードはその馬に賭け小金をせしめます。しかし万年筆は次の日にはもうインクが無くなっていました。レナードは町で物を売っている老人の所に押しかけ、また何かを渡すように強要しますが老人は承知しません。レナードは勝手に老人の商売の箱を漁って靴を見つけます。早速それを履きましたが、ちょっと小さく、また革底で滑りやすい靴でした。レナードはたちまち足を滑らせてよろめいた所に車がやって来て彼は車にはねられ即死します。老人は事故の野次馬にやって来た近所の人に今度は櫛を渡します。すぐに新聞記者が取材にやって来て、その男は写真に撮られるのに櫛で髪型を整えることが出来ました。実は老人は最初にレナードに会った時、自分自身の死、つまりレナードに殺されることを予知しましたが、結局は死んだのはレナードの方でした。
というちょっと不思議な味のお話でした。
NHK杯戦囲碁 安達利昌7段 対 伊田篤史8段(2022年5月29日放送)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が安達利昌7段、白番が伊田篤史8段の対戦です。布石は白が2手目の左下隅で大大高目が意欲的で、黒はその後星からかかりましたが白のハサミに手を抜いて、左下隅は結局白地になりました。白はその後左辺に打ち込んだ黒を攻めながら下辺の模様を大きく拡げました。黒は左上隅の白を多少攻めつつ左辺の黒をしのぎ、右辺を地模様にして対抗しました。クライマックスは、下辺の模様の完成寸前に黒が下辺の4線の白に付けて行き、白模様の中で活きを図った時でした。しかし白が最強に頑張り、黒の数子は持ち込みになりました。黒も中央で白2子を取りましたが、ここで細かいながら白のリードとなり、最後まで形勢は変わらず、白の3目半勝ちで終わりました。
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳7回目を公開
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳、前回は2021年12月末で5ヵ月も間が空いてしまいましたが、7回目を公開しました。(真空管アンプ作りで約3ヵ月取られました。)
真空管アンプにおける突入電流
真空管アンプの突入電流について、実際はどうなのかと思って色々ググってみましたが、何かほとんどの人が真空管のヒーターの電流が点灯後しばらくは定常電流の倍くらいなのを突入電流と呼んでいるようです。突入電流(ラッシュカレントと書いている人が多いけど正しくはインラッシュカレント、inrush currentでは?少なくともULではinrush currentですし、富士通もパナソニックもリレーのデータシートではinrush currentを使っています)は、その名前の通り、電源を入れた瞬間(おそらくせいぜい0.1秒以内)に、私のイメージでは最低でも定常電流の5倍から10倍もの電流が流れることを言うと理解しています。ULでテレビ用の電源スイッチ(ブラウン管TVはブラウン管が巨大な電球なんで、それが冷えている時にスイッチを入れると非常に大きい突入電流が流れます)についてTV定格という規格がありますが、例えば一番低いTV-3でも通常電流が3Aに対し突入電流は51Aです。もっとも高い規格のTV-15だと通常電流が15A、突入電流は実に191Aです。ちなみにテレビは今はご承知の通りブラウン管は使いませんが、しかし現在のデジタルTVはスイッチング電源を使っており、これはこれで大容量の電解コンデンサーを使うので突入電流が大きく、今でもテレビ用の電源スイッチはTV定格を取ったものを使う必要があります。(より細かいことを言えば、デジタルTVは当初はスタンバイスイッチだけで本当の意味の電源スイッチはありませんでした。しかし、待機電力を消費し続けるのが電気代もかかるのと環境的にも良くない、ということで7~8年前くらいからデジタルTVにも電源スイッチが復活しました。その時各社はブラウン管じゃないからTV定格は不要と思っていたようですが、ULがやはりいると言って来て色々騒ぎになったことがあります。)
ヒーターが冷えている間は抵抗が低くて、定格電流の倍くらいの電流が流れるのは、まあ突入電流の一種と言えないことはないのでしょうが、上記の51Aとか191Aに比べたら可愛いもので、その程度でヒーターの寿命が著しく短くなることはまず無いと思います。(トランスレスのラジオの整流管のヒーター電圧35Vとかだったらそれなりに突入電流の影響はあったと思います。そういった整流管は、ある意味他の真空管の保護という意味もあったと聞いています。その頃は整流管というのは寿命があって交換するものだ、という前提で製品が作られていたように思います。当時整流管は大量に使われていて今よりずっとコストは低かったと思います。{今オークション等で買うと35W4で1000~3000円くらいします。})
それから直流点火だと整流回路にコンデンサーが入っているので突入電流が大きくなりこれもヒーターにダメージを与えるといったことを書いている人もいましたが、整流回路のコンデンサーが害を成すのは主に電源スイッチの接点です。真空管側から見れば、スイッチON直後は整流回路のコンデンサーがほとんどの電流を吸ってしまいますので、ヒーターから見ればむしろAC点灯よりも突入電流が少なくなります。
ちなみに、今回作ったアンプは直流点灯でしかも4,700μFが3つという電解コンデンサーを入れている(元の回路では10,000μFx3でしたがいくらなんでも過剰すぎると思って減らしました)ので、電源ON時にヒーターの下部が一瞬光ったりはまったくせず、数秒してからじんわりとヒーターが明るくなっていきます。逆に電源をOFFにしても5秒くらいはヒーターが点いたままです。(ちなみにこの写真はカメラのISO設定をかなり上げて撮っていますので誇張されて見えます。室内灯を点けた状態では、ヒーターが点いているのはほとんど確認出来ないレベルです。)
ジョー90の”Operation McClaine”
ジョー90の”Operation McClaine”を観ました。今回は世界的な作家の脳に腫瘍が出来てそれを手術で取り除かないと彼は死んでしまうのですが、その手術を出来る脳外科の医者が世界でただ一人と言うことで、その医者は飛行機でその病院に向かいます。しかし嵐によって飛行機は墜落し、その医者は死にはしなないものの重傷でとても手術を出来る体ではありませんでした。ジョーの父親はビッグラットでその医者の知識と技術を他の医者に移すことを提案しますが、WIN(諜報機関)のマネージャーは、ビッグラットの秘密が他人に漏れるのを警戒して許可しません。それで今回は何とジョーの父親がビッグラットで医者の知識を得て、その父親が手術するのかと思いきや、やはりジョーもビッグラットで知識と技術を移転され、結局ジョーが手術し成功します。まあ人殺しの話ではなく、ビッグラットを人助けに使う話なので後味はいいです。なお、日本語Wikipediaによると、ジョーは養子で実の親子では無いという設定のようです。実の親なら子供をあんな危険な任務に就ける筈が無い、という配慮ではないかと思います。
トワイライト・ゾーンの”And When the Sky Was Opened”
トワイライト・ゾーンの”And When the Sky Was Opened”を観ました。X-20という新しく開発されたジェット機のテスト飛行で事故が起き、飛行機はある砂漠に不時着しますが、3人のパイロットは一人が傷を負った程度で無事帰還し、X-20の機体も回収されます。生き残ったパイロットの内、クレッグ・フォーブスとエド・ハリントンはバーに飲みに行きますが、ハリントンは突然自分が消えてしまうという予感に襲われます。彼は店の公衆電話で実家の両親に電話しますが、母親は私には息子はいないといい、代わった父親も同じことを言います。ショックを受けたエドをなぐさめていたフォーブスですが、突然エドが消えたことに気がつきます。そして手に持っていた事故からの3人の帰還を報じた新聞の写真から、エドが消えていることに気がつきます。フォーブスはバーのマスターに勘定を払おうとしてエドの分もと言いますが、マスターはあなたはずっとお一人でしたよ、と言います。次の日まだ入院中のもう一人のパイロットであるウィリアム・ガートの病室にフォーブスは行きますが、ガートも飛行機は2人乗りでエドなんて人は知らないと言います。そうやって押し問答している時にフォーブスは自分の姿が鏡に写っていないことに気がつき、叫びながら廊下に出て行きます。その後を追いかけたガートでしたが、廊下には誰もおらず、やって来た看護婦に聞いてもフォーブスなんて人間は知らないと言います。さらには事故を報じた新聞の写真がガート一人だけになっていました。そしてやがてガートも病室から消えてしまい、看護師はそこはずっと空室だったと言います。そしてついにはX-20そのものも消えてしまし、まるで誰かが自分の犯した間違いを修正しようとして現実を変えてしまった、そんな感じの話でした。自分だけが知っていて他の人は誰も知らない、という状況は結構ホラーで緊迫感があるお話でした。
ジョー90の”Splashdown”
ジョー90の”Splashdown”を観ました。二人の科学者がある飛行機の中で誘拐され、脱出ポッドに乗せられて飛行機から離れ、その後潜水艦に回収されます。残された飛行機がパイロットが気絶させられて敢え無く海面にクラッシュし爆発します。この事件を探るため、ジョーの父親が科学者としておとりになり、同形の飛行機に乗ってアテネに向かいます。ジョーも同行します。ジョーはビッグラットで米軍のベテランテスト飛行士の知識と能力を与えられています。やはりジョーの父親は途中で拉致され脱出ポッドで飛行機を離れます。パイロット二人は気絶しており、誰も操縦出来ないのでこのままでは前の飛行機と同じ運命でした。そこでジョーが眼鏡を装着して操縦席に入り、見事飛行機をクラッシュから救っただけでなく、誘拐された父親を潜水艦に運ぶボートを正面衝突すると見せかけてコースを変えさせて時間を稼ぎ、その間に軍隊の駆逐艦が駆けつけ、潜水艦を撃破し、犯罪者を逮捕した、という話です。
うーん、第一話と同じパイロットものですし、話が地味過ぎです。私的には今一つ。
トワイライト・ゾーンの”Judgment Night”
トワイライト・ゾーンの”Judgment Night”を観ました。リバプール発ニューヨーク行きのS.S. Queen号と来て、タイタニックの亜流の話かと思ったら違いました。時は1942年の第2次世界大戦中です。その船に中年の男が乗っています。その男は自分の名前がカール・ランサーでドイツのフランクフルト生まれということだけは記憶していますが、何故自分がこの船に乗っているかが分かっていません。しかし何故か彼はこの船が深夜の1:15にドイツのUボートに攻撃されると予言します。彼がパスポートの提示を求められて自分の荷物を探ると、帽子が出てきて、その裏には「ドイツ海軍、Uボート艦長、カール・ランサー」という名前がありました。彼の予言通りに1:15にUボートが船の前に浮上し、何の警告も無く砲撃を始め、あっというまに船は沈んでしまいます。ランサーはその前に海に飛び込みます。そこで彼の記憶は飛び、Uボートの中に艦長として座っています。彼の部下がランサーが予告もせずに船を沈めて多くの人を殺したことを非難し、きっと罰を受けるだろうと言います。その罰が、ランサーが沈没前の船に送り込まれて死の恐怖を味わうのを永遠に繰り返さなければならない、というさまよえるオランダ人的な話でした。まあ現実的にドイツのUボートがアメリカ近くまで出張っていたことは無いと思いますが、1950年代の終わりではまだ戦争の記憶というのは強く残っていた頃だと思います。
ジョー90の”Hi-Jacked”
ジョー90の”Hi-Jacked”を観ました。今回のお話は欧州での銃の密貿易の元締めを探っていたエージェントが殺され、その死の間際にそのエージェントの記憶と能力をビッグラットでジョー90に移します。そして子供で背が低く体重も軽いというのを生かして、ジョー90が銃器輸送のトラックの荷物の中の木箱の一つに潜んで敵のアジトを探りに行きます。死んだエージェントの情報通り、そのトラックは途中でハイジャックされ、ジョー90が敵のアジトに荷物ごと潜入します。しかしジョー90は敵に捕まり眼鏡も落としてしまいます。敵の首領はジョー90が子供なのを見て部下に家に帰すように命じ、途中で始末するように指令します。ジョー90は間一髪で抜け出し、首領を追い詰めますが、銃器の爆発の中で気を失ってしまいます。駆けつけたエージェント組織のリーダーと父親によってジョー90は救い出されます。
まあこのシリーズはビッグラットというSF的小道具はありますが、要は9歳の子供によるスパイ活劇ですね。ビッグラットは知識は移せるのでしょうが、射撃の腕みたいな肉体の鍛錬が必要なものまで移せるという設定はちょっと不自然です。また今回も子供が人殺しをしようとするを見るのは嫌なものです。