塩野七生の「ローマ人の物語 ローマ世界の終焉」を読了。ついに、というか1000年以上も続いたローマは476年、蛮族にローマを占拠され、皇帝が廃位となり国として滅びます。その前にスティリコという父親が蛮族、母親がローマ人で「半蛮族」と呼ばれた軍総司令官が、孤軍奮闘という感じで蛮族相手に奮戦し、また人格も高潔で賄賂を取ったりせずまた部下の評価も公明正大という人だったのですが、やむを得ず蛮族と同盟を結ぼうとしたのが皇帝ホノリウスと元老院の反発を買って殺されてしまいます。守る人がいなくなったローマは国が滅びる前後で二度に渡って蛮族に徹底した強奪を受け、最終的には東ローマ帝国が派遣した軍とゴート族の17年にも及ぶ戦いで、イタリア半島の全ての都市は徹底的に荒らされ、またその戦いに勝った東ローマ帝国の軍が過酷な税を課して、ローマという国は名実共に滅びます。平家物語の「猛き者もついには滅びぬ」を思わせます。平家物語の平家の場合はせいぜい25年くらいの繁栄でしかなく、ローマとはスケールがまるで違いますが。
塩野七生の「ローマ人の物語 ローマ世界の終焉」
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