宇宙家族ロビンソンの”No Place to Hide”

宇宙家族ロビンソンの”No Place to Hide”を観ました。放送開始前のおそらくTV局のお偉いさん説得用に作られたパイロット版で未放映です。設定が本番とは違っていて、ジュピター2号ではなくジェミニ(ジェミナイ)12号になっています。また、ドクター・スミスとロボット(フライデー)は登場しません。宇宙船は従ってドクター・スミスが密航したことによって軌道が狂って迷子になったのではなく、途中で小惑星帯にぶつかって宇宙船がダメージを受け、見知らぬ惑星に不時着したということになっています。その後の話は第1シーズンに登場した話ばかり、というか第1シーズンがこのパイロット版の映像を使っているのであり、アーウィン・アレンお得意の使い回しです。第1シーズンで、ジュピター2号が不時着した星が急に寒くなるということでロビンソン一家がチャリオットで南の方に脱出する話が何話かありました。その時何故か臆病な筈のドクター・スミスが一人ジュピター2号に残るのですが、その理由はこのパイロット版のフィルムを使うのにドクター・スミスが映っていないというだけのことでした。
ドクター・スミスとロボットを入れたというのは、ある意味大正解で、善人ばかりのロビンソン一家とドンだけでは話が単調になったと思います。しかし、ドクター・スミスは両刃の剣でもあり、彼の参加によってシリアスSFだった筈がドタバタ喜劇になってしまったということも否めません。
ともかくこれで第1シーズンは全部観終わりました。次からカラーの第2シーズンになります。

NHK杯戦囲碁 許家元8段 対 山田規三生9段


本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が許家元8段、白番が山田規三生9段の対戦です。この碁の焦点となったのは左上隅からの戦いです。その前に上辺でのやり取りがあった時、黒は白に上辺を地にさせ、その代り中央に二間で進出しました。この後この黒が厚みとして働くか、それとも白に攻められるのかが勝敗の分かれ目でした。山田9段はその黒を攻めることを狙って左上隅から大ゲイマして左辺とこの黒の間を分断に行きました。黒はすかさずその大ゲイマの間を分断に行き、戦いが始まりました。白が左辺の黒に付けて、黒がハネ、白が伸びた時、通常は左辺の断点を継ぐのですが、ここで黒は中央から白全体を包囲する手を打ちました。この手が好判断で白は勢い左辺を切りましたが、黒が下から当てたのが好手で、白は黒の勢力圏の中で2つに分断され、どちらもある意味もがいて生きなければならなくなりました。まず上方の白は活きること自体なのは難しくありませんでしたが、後手活きになりました。そして先手を取った黒が今度は下方の白を攻撃しました。山田9段はこの白をただ活きる手は打たず、劫含みで反撃しました。しかし劫材が十分ではなかったため、結局下辺で2段バネしてまくって絞り、1線を渡って右下隅に連絡するということになりました。この方が単に中で活きるより若干でも地を持っておりかつ黒の模様も荒らしているので優りましたが、更に黒が右下隅で星の左下に打ち込んでいったのが、許8段のさすがというべきしつこさでした。この黒は単独で活きるかあるいは捨て石にして右辺に模様を築くのどちらも出来ましたが、結果的には右下隅は白地になり、その代わりに右辺に白の一段が取り残され、これが攻められることになりました。そのシノギで白は中央の黒の断点を覗きましたが、黒が継がずに右辺を取ってしまったのが好判断でした。勢い白も切っていきましたが、オイオトシで取られそうになっていた種石を愚形で当て込むのが先手であり、そこを白が継げば上方から脱出という見合いになり、黒が捕まることはありませんでした。こうなると右辺が全部黒地になって地合は大差となり、白の投了となりました。

白井喬二の「富士に立つ影」読み直し 孫代篇

白井喬二の「富士に立つ影」の読み直し、孫代篇を読了。さしもの好漢、熊木公太郎も佐藤兵之助の部下の銃弾により命を落とし、かたや佐藤兵之助の方も、鉄砲の名人の一つ玉の国蔵に狙われ、国蔵がやはり部下の銃弾に倒れたため弾が逸れ、命こそ助かったものの膝に銃弾を受け、哀れにもビッコになってしまいます。
一方で、その兵之助とお園の子兵吾は、武士を憎み船大工の修行をしていましたが、ふとしたことからをれを止めて、侠客上冊吉兵衛の配下に加わり、侠客として名を上げていきます。思えばこの兵吾こそ、熊木伯典と佐藤菊太郎の両方の孫であり、ある意味そのどちらの才覚も受け継いでいます。そして結局は佐藤家・熊木家のどちらもが本当の意味で達成出来なかった世俗的な成功をもっとも良く果たします。また成功した後は、母親お園のそれまでの苦労に感謝して楽な暮らしをさせてやるという、この物語の中では、熊木公太郎と並ぶ好漢として描かれます。
それと対照的なのが、その父親である兵之助であり、いまやビッコを引きながら、父親の仇を討たんとする熊木城太郎から逃げ回る惨めな存在に落ちぶれます。かつての仲間や部下からは煙たがられる存在になります。また兵之助は生きてきた証にしようと自伝のようなものを作成しようと一旦は決意し書き始めますが、その内容は自分の都合の良いように事実をねじ曲げたものでした。ある意味素直に過去をありのままに振り返り、兵吾やお園に詫びる気持ちでもあればまだ救いがあるのでしょうが、自分の才覚をただ自分の出世にだけ使って来た男の晩年はみじめこの上ないです。
また不思議なのが公太郎の子の城太郎で、調子のいい時と悪い時が交代する二重人格のような人間として描かれています。調子の良い勝ち番と呼ばれる時は、剣の腕で通っている道場の師範の腕をも上回ります。一種の双極性障害(躁鬱病)なのかもしれませんが、このことが城太郎の敵討ちを困難にします。(逆に言うと読者をはらはらさせるという意味では上手い設定です。)
その城太郎を助けるのが、公太郎の親友であった大竹源五郎です。しかし源五郎は熊木家に足繁く通う内に、公太郎の未亡人である貢に恋した自分に気づき、それを恥じて自殺してしまいます。豪放磊落に見えて実は潔癖であり、あまりにも悲しい結末です。
この篇の最後で、ようやく勝ち番になった城太郎は、源五郎の自害にも気がつかず、兵之助と光之助が話あっている所へ斬り込みます。

朝鮮飴(熊本)

ボンタンアメに続いて、求肥餅では本家の熊本の朝鮮飴も取り寄せてみました。朝鮮飴の元祖的な存在の園田家のです。味は確かにボンタンアメから果汁の味を抜いた感じでそのままですが、値段の違いもありボンタンアメよりはるかに上品です。ほんのりとしてしつこすぎない甘みが何ともいい感じです。上にかかっている白い粉は片栗粉です。結構後を引くおいしさであっという間に一箱食べてしまいました。賞味期限も一ヵ月半くらいあって、保存食として重宝されたというのも分かります。名物にうまいものなし、と良くいいますが、九州のお菓子は、先日長崎で福砂屋のカステラと一緒にお土産として買った九十九島せんぺいもですが、なかなかおいしいものが揃っているように思います。なお、名称は朝鮮から伝えられたということではなく、加藤清正が朝鮮出兵の際に糧食として利用したことからのようです。

宇宙家族ロビンソンの”Follow the Leader”

久し振りに宇宙家族ロビンソンの”Follow the Leader”を観ました。今回は珍しくロビンソン博士がメインの話で、洞窟の中で例によってドクター・スミスがレーザーガンを落としてしまい、それを二人が回収に行っている時に地震が起き、ドクター・スミスはロビンソン博士を見捨てて逃げてしまいます。洞窟の中には、肉体が朽ちてしまったエイリアンがいて、ロビンソン博士の頑強な体を乗っ取ろうとします。ジュピター2号に戻ったロビンソン博士はエイリアンの魂に操られ、全員にジュピター2号の燃料の製造装置の作成を徹夜でやるように命じます。色々あってエイリアンはジュディーやペニーを騙して自分の手下として使い、ジュピター2号を発進させようとしますが、ウィルがその嘘を見抜きます。ウィルが邪魔になったエイリアンはウィルを崖の上から深い谷底へ突き落とそうとします。しかし最後に父親の顔を見せて欲しいとウィルが頼み、”I love you dad!”とウィルが叫ぶと、ロビンソン博士は激しい動揺の後、自分を取り戻し、エイリアンの魂であるマスクを谷底に投げ捨てます。愛はすべてに勝つ、というある意味陳腐なオチでした。
これで第1シーズンは終わりです。第2シーズンからはカラーになりますが、その前にオマケで付いている、ドクター・スミスが登場しないパイロット版を観ます。

ボンタンアメ

鹿児島のセイカ食品の「ボンタンアメ」です。熊本の朝鮮餅の話が某友人のFacebookのポストで出てきて、それで懐かしくなってAmazonで買ってみたもの。朝鮮飴は求肥飴ですが、ボンタンアメはそれをキャラメル大に切ってオブラートで包み、また中に文旦の果汁を入れたもの。私の子供時代に既にレトロなお菓子で、結構私の両親世代が懐かしがって子供に買い与えていたようなお菓子です。同じセイカ食品で兵六餅というのもありましたが、そっちはかなりマイナーです。戦前、今村の水無飴というのがあって、このボンタンアメはそれに良く似ているようです。水無飴は故山本夏彦のエッセイで知りました。
早速食べてみましたが、甘さ控えめでほのかに柑橘類の香りがし素朴な味です。昔のはもっと歯にくっついたような気がしますが、50年近く前なので確証は無いです。

マックス・ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳プロジェクトスタート

マックス・ヴェーバーの最初の論文で、博士号取得論文でもある「中世合名会社史」の日本語訳プロジェクトがいよいよスタートしました。
まだ目次を訳しただけですが、取り敢えず始めた、ということが重要だと思っています。

「中世合名会社史」の目次の日本語訳

宇宙家族ロビンソンの”A Change of Space”

宇宙家族ロビンソンの”A Change of Space”を観ました。
突然出現した謎の宇宙船にウィルが乗り込んだらそれはいきなり出発し、光速の2乗のスピードで宇宙を飛び、また戻ってきます。宇宙船から出てきたウィルは、ロビンソン博士とドンをはるかに超える知性の持ち主に変身していましたが、そんなウィルにモーリーンとロビンソン博士は戸惑いを隠せません。そこに例によってドクター・スミスがしゃしゃり出て、自分もウィルみたいになれればというのと、その宇宙船で地球に帰れないかと言うことで、スミスも宇宙船に乗り込み、ウィルと同じように光速を超える旅をして戻って来ます。しかし、出てきたスミスはヨボヨボの老人になってしまっていました。ウィルは責任を感じ、宇宙船の設定を逆にして旅をすれば元に戻るのではと考え自分自身を実験台にします。ウィルが宇宙にいる間に、その宇宙船の持ち主であるエイリアン(原子力潜水艦シービュー号に出てきた半魚人)が現れ、宇宙船をすぐ戻すように言います。その内ウィルが戻り、無事に元のウィルになっていました。ウィルはエイリアンにドクター・スミスを元に戻してくれるように頼みますが、エイリアンは一行の王がスミスだと思い、スミスを連れ去って宇宙に消えます。一行はスミスの墓標を作ってスミスを偲びましたが、やがてスミスは戻ってきて元の姿になっていました。エイリアンはウィルが頼んだ優しさを理解し、スミスを元に戻したのでした。しかし半魚人がエイリアン…相変わらず使い回しのアーウィン・アレンでした。

ステマだらけのオンライン英会話レビュー

先日のDMMのセルビアの女性講師の英語レベルがあまりにひどかったので、似たような情報が無いかとググってみましたが、上位に出て来るDMMのレビューはおそらくほとんどがステマであると思われます。その証拠にユーザーのレビューなのにDMMの無料トライアルへのリンクがあったり、DMMの使い方が詳しく書いてあったりします。純粋なレビューにそんなものは必要無く、要するにDMMからお金をもらってヨイショ記事を書いているということです。後はそういうリンクはSEO対策でもあると思われます。(Googleでの検索順位には、そのサイトにいくつリンクが張られているかが、大きなポイントになります。最近、ステマからのリンクは評価が下がるようになっているので、一見ステマとは見えないような個人サイト的な作りが増えているのだと思います。SEOをやっている広告会社にお金を払えば、そういうサイトをいくらでも作ってくれます。私は会社のサイトの管理を一時やっていたので、その辺りは精通しています。)
私がこのブログに掲載しているレビューは、すべて自分でお金を払い自分で試した結果としての、私自身のレビューです。このブログではいわゆるアフィリエイトも一切やっておらず、100%個人運営のサイトです。

ジャーナリストに忍び寄る危機

今日のEigoxのディスカッションのお題は「危険にさらされるジャーナリスト」というものでした。昨年は世界で逮捕されたジャーナリストの数がこれまでで一番多かったとか。その関連で、1972年の外務省機密漏洩事件の西山太吉記者の話をしました。
(ご存知ない方は、Wikipediaの西山事件(外務省機密漏洩事件)をを参照ください。)
この事件に私が未だに特別の関心を持っている理由は、この西山記者は山口県下関市の西高等学校出身で、なんと私の亡父の高校での同級生だったからです。
更にもっとすごい偶然は、大学を卒業してある化学会社で働き始めた時に、最初に就いた先輩がNさんという人でしたが、ある時の飲み会で「私の親父は外務省機密漏洩事件の西山太吉記者の高校の同級生です。」と言ったら、その先輩が「え、俺の親父もだよ!」という回答が帰って来たことです。つまり、西山記者、私の亡父、Nさんの父親はすべて下関西高の同じクラスでした。しかも更にオマケがついて、Nさんのお父さんはその後中学の社会の先生になりますが、私の兄が下関市のN中学でその先生に習っていました。
これだけでも十分に「世間は狭い」ですが、さらにオマケがあって、以前J社の営業にNさんという同じ名字の人がいて、SGML関係で一緒に仕事をしていました。Nさん、という名字はそうそういないのである時聞いてみたら、「下関には遠い親戚がいる」とのことでした…