キャプテン・スカーレットに続く、ゲリー&シルビア・アンダーソンの次の作品、ジョー90を観始めました。まずは第一話、”The Most Special Agent”を観ました。この話はご存知でしょうが、ビッグ・ラットという人の知識や記憶を別の人に移すことが出来るマシンを使い、9歳の少年であるジョーがこのマシンを使って色々な知識を得てエージェントとして活躍するという話です。第一話では、ソ連のエース・パイロットの知識をジョーに移し、ソ連のミグ242という最強の戦闘機を、ジョーが奪って飛行させ、追ってきた他のミグ242の3機を撃墜し、ついでに地対空ミサイルを撃って来た基地を潰滅させます。当時まだ冷戦中とは言え、ここまで露骨にソ連を敵視していいのかと思ったら、この話はビッグ・ラットの開発者が、ビッグ・ラットとジョーを使えばこんなことも出来ます、という単なるたとえ話でした。しかしたとえ話とは言え、9歳の少年に実に簡単に人殺しをさせている(しかも戦争中ですらない)のには非常に違和感がありました。それから当時のソ連の軍事力は今のロシアとは比べものにならないくらい相対的に高かった(と少なくとも思われていた)のだなと思いました。
今回製作の真空管アンプにボンネット追加
トワイライト・ゾーンの”Time Enough At Last”
トワイライト・ゾーンの”Time Enough At Last”を観ました。
ヘンリー・ビーミスは銀行の窓口係でしたが、本の虫で顧客に「デヴィッドカッパーフィールドを読まれましたか?」と聞いては紙幣を数え間違え、挙げ句の果ては勝手に窓口を休止中にして自席で本を読み、それを頭取に見つかりお目玉をくらいます。家では奥さんが怖い人で、ビーミスの読んでいる新聞や雑誌を取上げるばかりかビーミスの愛読書の詩集には全ページに線を引きついにはページを破り捨ててしまいます。そんなビーミスでしたが、ある日の昼休みついに読書に理想の場所を見つけます。それは銀行の大金庫の中でした。ビーミスがそこで水爆の開発について報じる新聞を読んでいる時に、彼は突然強い揺れを感じ金庫の床に倒れます。しばらくして金庫から出てみると銀行は無茶苦茶に破壊されており、誰も生き残った人はいません。外に出てみると一面の焼け野原であり、おそらくはその町が核兵器の攻撃を受け、ビーミス一人が金庫の中にいたため助かったものでした。幸いにしてビーミスは食料店を見つけそこに何年分もの缶詰めを見つけます。今度は娯楽ですが、廃虚を歩き回り、そこに図書館の残骸を見つけたビーミスは多数の本が焼け残っているのを発見し狂喜します。しかし彼はその弾みで眼鏡を落とし割ってしまいます。彼は強度の弱視で、眼鏡無しでは本を読むことは出来ませんでした…
欧米諸国での核兵器の被害の描写の常として、放射線によって人体が被害を受けるというのがまるで抜けています。しかし、プーチンによる核兵器使用が取り沙汰される昨今としてはちょっと嫌な話でした。ただ、このエピソードはトワイライト・ゾーンの中で一番有名になったもののようです。
今回の真空管アンプ→メインシステムに採用
結局、今回作った真空管アンプはメインシステムの一部に採用しました。そういうつもりで作製したのではないのですが、予想外に音が良かったためです。特に良い所は、
(1) S/N比
真空管アンプなのにボリュームを最大にしてもまったくノイスがありません。これは、ショットキーバリアダイオードによる整流ノイズの減少、定電流回路で三端子レギュレーターを使わず全て定電流ダイオードを使ったこと、およびツイストペア配線を使うべき所に使ったこと、などの複合の効果だと思います。アナログ録音を聴いた時に、テープのヒスノイズまでがはっきり確認出来る位に静寂なバックです。
(2) 定位の良さ
全段差動プッシュプルアンプは原理的に他Chからの同相信号が抑制されてクロストークが0になり、定位が非常に優れています。なんですが、今回のアンプは手持ちのKT88の全段差動プッシュプルアンプと比べても更に定位が良く、かつ音像が引き締まっています。
の2点です。いやー、真空管アンプもまだまだ色々な可能性を秘めていますね。
NHK杯戦囲碁 鶴山淳志8段 対 広瀬優一6段(2022年5月15日放送)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鶴山淳志8段、白番が広瀬優一6段の対戦です。広瀬6段は対局前のコメントで、鶴山8段は戦いの碁が得意なので穏やかな碁にしたいと言っていましたが、実際の碁は最初から最後まで激しい戦いとなりました。タスキの布石でしたが、白が左下隅に高くかかってツケ引き定石となった時、白は定石通りに左辺に開かず、左上隅の星から上辺に向かって小ゲイマに締まったりしたので、むしろ広瀬6段が戦いを誘ったような打ち方でした。左辺と右辺でお互いに眼の無い石がもつれ合い、黒が下辺の白に中央の石からケイマにかけた時、白が出切っていったので更に局面は複雑化し、闇試合の様相を呈して来ました。こうなると戦いの得意な鶴山8段に一日の長があり、中央でかけて上手く白の種石を取って局面は黒のリードとなりました。しかし白も左辺の棒石の黒を攻めようとしましたが、ここでも逆に黒が中央の白を攻め、右辺に取り残された白を大きく飲み込んで勝勢になりました。白はその後色々やって右辺の一団を連れ戻しましたが、その代償にまた中央の種石を取られてしまいました。最後に白は右上隅で取られていた石を動き出し、劫形で渡って成功したかと思いましたが、黒は渡らせた全体を攻め結局全滅させて右上隅に50目強の黒地を確定させ、ここで白の投了となりました。
キャプテン・スカーレットのProsとCons
キャプテン・スカーレット・アンド・ザ・ミステロンズの全32話を全て観終わっての感想。
Pros:
・特撮の素晴らしさ。特にクラウドベースはどうやって浮かんでいるのかが不明ですが、アイデアとしては秀逸です。
・ミステロンズという見えない敵が、再生能力を持っていて色々な作戦を仕掛けてくるのを解明するミステリー的な面白さ。
・シルビア・アンダーソンの衣装などのデザインの素晴らしさ。特にエンジェルスという女性だけの戦闘チームというのはアイデアがいいだけでなく、戦闘チームでありながらファッショナブルでした。
Cons:
・スーパーマリオネーションの進化版として、ほぼ実際の人間のプロポーションになり、顔もリアルでしたが、そうなるとむしろ実写の方がいいんじゃない、ということで中途半端でした。
・ミステロンズの「復讐」が中途半端で、なんで「神経戦」をわざわざ予告までして単なるテロみたいなものをやらなければならないのかが理解出来なかったです。ラス前のエピソードのように総攻撃をかければスペクトラム側が防御出来ない可能性は高かったと思います。
・ミステロンズの予告の画面など、使い回し画面が多すぎました。
・キャプテン・スカーレットの設定が混乱しており、オープニングではマシンガンで撃たれてもまったく平気でしたが、本篇の中では撃たれて傷つくが回復力が非常に強く死なない、ということだと思います。構想段階で(1)1度死んで蘇る(2)ミステロンズに捕まって改造される、とか色々な案が二転三転したのを反映しています。またエンディングのアニメーションが、如何にしてキャプテン・スカーレットをいじめるかというSFならぬSMドラマみたいでドラマのシリアスさを損ねていました。
全体では、まあまあ面白かったですが、設定の曖昧さが話を分かりにくくしており、日本でサンダーバードを観ていた層が離れてしまったのはある程度やむを得ないかなと思います。
今回の真空管アンプの回路図(正式版)
真空管アンプ-左Chの音量がフルになるまで30分かかる問題の解決
今回作成した真空管アンプの左Chの音量が電源ONしてから30分ぐらい経たないとフル音量にならない問題ですが、偶然発見した解決策ですが、NF(負帰還)の回路の電圧をテスターで測定すると、プローブを当てて3秒くらいでフル音量になるということを発見しています。しかしこの方法は一旦底板をネジ止めしてしまうと使えないため、まずはリード線を外に出して、底板が付いた状態でも出来るようにしました。しかし、毎回起動時にテスターを取り出してプローブを当てるのも面倒です。要はわずかな電流を該当の箇所に流してやればいいのだと考え、単三乾電池二本に抵抗をつないで簡単な回路を作りました。それで抵抗はどのくらが適当かかを試行錯誤で1,000Ωから段々強くしていったのですが、結局300KΩぐらいが適当でした。この場合の電流はわずか0.01mAに過ぎません。この程度の電流で何故回路の目が覚めるのかは、まだ突き止められていません。しかしながら、これで使い勝手は非常に良くなりました。電源ONして30秒くらいで真空管が温まったら、この装置のスイッチをONにして3秒ぐらいしてOFFに戻すだけです。
この回路は電源を内部から取るようにして、タイマー付きリレーで起動時に3秒だけ動かすということは可能でしょうが、根本的な解決はNFの量を変えてみるとか、初段の定電流ダイオードのピンチオフ電流値を変えてみるとかそういうことではないかと思いますので、場当たり的対策を永続化させるようなことはしません。
カムカムエヴリバディの和菓子屋のモデル?
松本市の日本ラジオ博物館(3回目)
連休中の5月2日にまた松本市の日本ラジオ博物館に行って、訪問客は私一人だったので、館長の岡部さん(「ラジオの技術・産業の百年史」の作者、アキュフェーズ社員)に一時間半たっぷりお話を伺いました。
(1)テレビの初期の組立てキット。テレビの中は例えばブラウン管を駆動するフライバックトランスの電圧は3,000V以上になりますので、私はキットに手を出したいとは思いません…どちらかというと、NHKが中心になって標準的な受像機の仕様をまとめ、それを各メーカーのエンジニアが理解するためのキットだったようです。
(2)第2次世界大戦中のアメリカ軍の無線機2つ。歩兵用と、B-29などの爆撃機に積んであったもの。どこでこんなもの手に入れたのですかと聞いたら、何とヤフオクだそうです。特に爆撃機用は、1940年代に既にこのレベルのものを作っていたということで、日本との技術力の差は歴然としています。また爆撃機用は航空兵が操縦の片手間にいじるということで、操作も可能な限り簡素化していてUIのデザインもシンプルで機能的です。
また歩兵用の無線機の方はトグルのON-OFFスイッチが何と横方向の操作です。会社でトグルスイッチが使われた製品についてはかなり調べていますが、パネル用のON-OFFスイッチを横方向の操作にしたのは初めて見ました。この理由はこの無線機はリュックサックに入れて担ぐもののようで、リュックサックに入れる時に縦操作だと間違ってスイッチがONになったりするためかなと想像します。