Oxford Latin Dictionaryを買いました。5万1千7百円もしましたが、先日のヴェーバーの論文に出て来る”conternatio”(3つで1組のもの、という意味)がなかなか出ている辞書を発見出来ず、ようやく見つけたのがこのOxford Latin Dictionaryでした。で、その項目を見ると、その用例として上がっているのがまさにヴェーバーの論文に出て来るローマの測量人であったハイジナスの書籍の該当の部分!ちなみに元々この辞書のポケット版は持っていましたが、大きさ比べてみてください。上下2巻です。
投稿者「kanrisha」のアーカイブ
「ローマ土地制度史」の日本語訳の8回目を公開
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳の8回目を公開しました。
ここは、ローマの植民市における入植者への土地の配分についての特殊なケースについて述べており、最初意味を掴むのに苦労し、自分なりに図を書いてみたりしていました。何のことはない、ヴェーバー自身が添付図を付けてくれており、それを見たら一目瞭然でした。しかし何だか長方形の区画と正方形の区画の組み合わせで、昔懐かしのテトリスをやっている気分でした。
ジョー90の”The Unorthodox Shepherd”
ジョー90の”The Unorthodox Shepherd”を観ました。最初の放送日が1968年12月22日だったので、クリスマスものになっています。WINはある村の「呪われた教会」を調べにジョーとマクリーン教授を派遣します。実はそこの神父が使った紙幣が偽札でした。ジョーが世界銀行の頭取の知識をビッグラットで得て、偽札を鑑定した結果は、それは本物の紙幣用の金属版で刷られたものでしたが、その版は7年前にニューヨークで破棄された筈のものでした。実は偽札を作る一味が7年前にあるギャングが死んだのに死体を棺に入れて故郷のイギリスに送るのに、その中に金属版を隠して輸送していました。偽札の印刷は教会のある墓の下の地下室で行われており、村人が近付かないように誰もいないのに鐘やオルガンが鳴る仕掛けがしてありました。WINのサムの調べに神父は偽札の一行を匿っていることを告白しますが、教会の下働きの男を人質に取られているためそうするしか無かったと言います。今度はマクリーン教授やジョー達が教会に仕掛けを作って、亡くなったギャングの霊を装って逆に偽札の印刷団の一人を脅します。そして最後はジョーが天使の格好をし、パーソナルジェットを使って空を飛び、もう一人の偽札の印刷団を脅かして捕まえます。パーソナルジェットの操作方法は例によってビッグラットで知識を得たものでした。という訳で今一つのエピソードでしたが、ただ一つ面白かったのは、尋問を誤魔化すため耳が遠い振りをしていた神父が、WINのサムが銃で彼を脅そうとしたのを、安全装置を解除する音だけで銃の種類を当て、なおかつそのタイプの銃を持っているのはMI6かインターポールかWINだけだが、お前はその内のどこに所属するのか、と逆尋問するシーンです。
NHK杯戦囲碁 福岡航太朗3段 対 張栩9段(2022年6月12日放送)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が福岡航太朗3段、白番が張栩9段の対戦です。福岡3段は初出場です。韓国で修行し、院生時代は197連勝という記録を作った若手強豪です。4隅星打ちのじっくりした布石で始まりました。右上隅で白が上辺からかかったままだったのを黒が低く二間に挟み、白が三々に入り懐かしい感じの定石形が出来ました。その後上辺の黒に白が肩に打って利かそうとしたのに黒が反発し、勢い白は上辺の黒を二分し戦いになりました。結局白の左上隅の石も眼がなくなり、黒白弱石2つずつのもつれた戦いになりました。戦いは左辺に及び、黒は左辺で活きて白地を削減しましたが、白は上下がつながって厚くなり、ここで白のリードとなりました。しかし黒も右辺の白模様を捨て石を使って上手く削減し、形勢は接近しました。その後ヨセで白にミスがあり、かなり細かくなりましたが、結局白の1目半勝ちに終わりました。
トワイライト・ゾーンの”I Shot an Arrow into the Air”
トワイライト・ゾーンの”I Shot an Arrow into the Air”を観ました。アメリカから人類初の8人が乗った有人宇宙ロケットが打ち上げられました。打ち上げは成功でしたが、その後太陽光のフレアか何かで通信に障害が起き、それが回復していた時にはロケットは行く先不明になっていました。その8人はある小惑星らしきものの上に不時着しており、8人の内4人は死に、残る4人の内の一人も死にかけていました。無事な3人の内、コーリーは死にかけた者に水を与えるのは無駄だと言って、上官に逆らいます。その星はひどい暑さですが、一行に残された水は数ガロンだけでした。奇妙なことに太陽は地球から見るのと同じ大きさで、ということは小惑星は地球と同じ軌道中にあることになります。重傷の一人は結局息を引き取り、上官のダンリンはピアソンとコーリーにその星の調査に向かわせます。しかし数時間してコーリーだけが帰って来ました。コーリーはピアソンと別の道を行ったと言い張りましたが、ダンリンはコーリーがピアソンを殺したのでは無いかと疑い、コーリーがピアソンと別れたという場所まで案内させます。そこには怪我をしたピアソンがいました。ピアソンは死ぬときにメッセージを残そうとしましたが、それが何を意味するか分かりませんでした。しかしダンリンがピアソンを介抱していた間にコーリーはダンリンの銃を奪い、ダンリンを殺してしまいます。その後、コーリーは必死に山を登り、水や食物を探しましたが、ようやくたどり着いた頂上で彼が見たのは何と電信柱でした。看板にはネバダ砂漠の中のリーノまで何マイルという看板がありました。ピアソンのメッセージはこの電信柱でした。何の事は無い、一行の乗ったロケットは地球を脱出すらしておらず、元のアメリカのネバダ砂漠の中に不時着しただけでした…
有名な陰謀説で、アポロによる月面着陸は嘘で、あの月面のシーンはアリゾナかネバダの砂漠で撮影されたというのがありますが、それを思い出しました。
ジョー90の”Big Fish”
ジョー90の”Big Fish”を観ました。おそらくイギリスの原子力潜水艦が敵の商船らしきものを2発の魚雷で沈没させます。しかし海中に潜って次の魚雷を装填しようとした時に、魚雷のハッチが十分に閉まっていなかったため潜水艦は浸水し、二人の乗り組み員は脱出ポッドに入って逃れ、ヘリに無事救助されます。しかし潜水艦が座礁したのはキューバのような中南米の敵国であり、潜水艦が見つかると非常にまずい事態になるため、ジョー90に命令が下されます。ジョーはビッグラットでスキューバダイビングの名人の脳波パターンを与えられ、潜水の名人になります。その国に父親であるマクリーン教授と向かい、釣りであると称して船を借ります。昼間の潜水で潜水艦の位置を確かめたジョーは、夜中にもう一度船を出し、潜水艦の中に潜りこんで潜水艦を動かそうとします。エアーは20分しか保ちませんが、後3分と言うところでジョーはシャコ貝の殻に足をはさまれてしまいます。船にいた教授と現地人の船頭は、やってきたパトロール船に捕まります。しかしジョーはなんとかシャコ貝から逃れ、壊れていた魚雷の発射口から潜水艦の中に入り、潜水艦を無事その国の外の海に動かします。
まあ大したお話ではありませんが、今回使用した脳波パターンはあらかじめライブラリに記録してあったということで、この先おそらくどんなパターンが来ても大丈夫、ということかと思います。なおビッグラットとの通信は今回は眼鏡ではなく、潜水用マスクに仕込んであったという説明です。
オーランド・ファイジスの「クリミア」
オーランド・ファイジスの「クリミア」を読書中。19世紀のクリミア戦争に関する本です。最初日本語訳を買おうとしたら、上下分冊で2冊で14,000円以上するので、英語版を買ったもの。こちらは1,800円です。なんでクリミア戦争の本を読んでいるかというと、どこかで今回のロシアのウクライナ侵攻とクリミア戦争について結構共通点が多いとあったからです。
まだ二割くらいしか読めていませんが、確かに色々と共通点があります。
(1)今回はロシアのウクライナ侵攻ですが、クリミア戦争の直接のきっかけはロシアのポーランド侵攻です。それで欧州での反ロシア機運が盛り上がりました。
(2)今回のプーチンのウクライナ侵攻をロシア国内のギリシア正教会が支持していますが、クリミア戦争の性格は、ギリシア正教会(ロシア)とイスラム教(オスマン帝国他)とカトリック(フランス)とプロテスタント(イギリス国教会)の戦いです。(一種の変形した十字軍。オスマン帝国の首都イスタンブールは元の名前はコンスタンチノープルでギリシア正教における聖地でした。またエルサレムも当時オスマン帝国が支配していました。)
(3)クリミア戦争では、産業革命を経験したイギリスとフランスと経験していないロシアの兵器の差が如実に出ました。今回ロシアの旧態依然の兵器がNATOの最新兵器で撃破されているのはご承知の通りです。
(4)クリミア戦争では、多くのrussophobia(ロシア恐怖、ロシア嫌い)の人がかなりのフェイクな本でロシアへの恐怖感と嫌悪感を煽りました。今はSNS上でフェイクニュースが飛び交っています。
(5)それまでは「光栄ある孤立」を貫いていたイギリスがクリミア戦争には参加しています。今回のウクライナ侵攻にもイギリスはかなりウクライナへ積極的に関与しています。
(6)ロシアの拡張主義。これはクリミア戦争も今回のウクライナ侵攻も同じです。
(7)クリミア戦争当時のニコライ1世とプーチンの強権的政治という共通性。
クリミア戦争は結局勝者無き戦争だったようですが、果たして今回のウクライナ侵攻はどう結着するか。クリミア戦争は結局20世紀の2つの大戦につながりました。そういう意味でプレ世界大戦でした。
トワイライト・ゾーンの”Third From The Sun”
トワイライト・ゾーンの”Third From The Sun”を観ました。1950年代のどこかのアメリカの軍の研究所のようで、水爆を研究していたり、生物兵器を研究したり、物騒なものばかりが基地の中から外に出てきます。その中の二人は「後48時間で」といった不穏な会話をしています。どうやらソ連(?)との最終戦争が今にも始まりそうな感じです。研究者の一人のスタルカは家に戻りますが、何か心配事を抱えているような様子なのを娘と妻に見とがめられます。スタルカは二人に、後一日やそこらでこの惑星は爆発して無くなってしまうため、今晩宇宙船で脱出すると告げます。夜になって同僚のライデンと、宇宙船が置いてある基地に向かいます。そこで合図をして出てきたのは二人の行動を疑っていたスターリングでした。しかし一行はスターリングを殴って気絶させ、ゲートを突破してUFOのような宇宙船に向かい、首尾良くその星を脱出することが出来ました。そして宇宙船の中でスタルカとライデンは移住先の星について話していますが、その星は恒星である太陽から3番目の星で「地球」と呼ばれている星だと言います!つまり、最終戦争寸前だったのはまったく別のエイリアンの星で、人間そっくりな彼らが移住先として選んだのが地球だ、というオチです。30分ドラマとしては見事な構成とひねりでした。
ジョー90の”International Concerto”
ジョー90の”International Concerto”を観ました。イーゴル・スラディックという世界的なピアニストがジョーの家に来てピアノを演奏しています。ジョーの父親はスラディックの脳波パターンを秘かにビッグラットに記録していました。本人に了解無く勝手にそういうことをやっていいのかと思います。スラディックは世界ツアーの真っ最中で様々な国でコンサートを行いましたが、ソ連でのコンサートでは終了後のパーティーでソ連の高官が彼らの秘密基地の移転について話しているのを万年筆型レコーダーに記録してWINに送っています。実はスラディックはWINのエージェントで、世界平和のために協力していました。しかし、スラディックのスパイ行為はソ連にばれ、彼は拘束されます。しかし元々予定されていたライブ放送だけは行われることになります。そこにビッグラットでスラディックのピアノの実力を身につけたジョーが録音現場に忍び込みます。演奏の途中で地下からやってきたWINのサムによりスラディックは連れ出され、マックレーン教授(ジョーの父親)が車で国境線に向かいます。ジョーはスラディックに変わって演奏を続けますが、それはスラディックそのままなので誰もジョーが演奏しているとは気付きませんでした。(スタジオはカーテンで中が見えないようにされていました。)国境線の検問で兵士がスラディックではないかと尋問しますが、マックレーンはラジオを付けて演奏を聴かせ、スラディックは現在ライブで演奏中だということでごまかして国境を突破します。
まあ毎回のことですが、知識や経験がビッグラットで他人に移せるというのはまあいいと思いますが、ピアノの演奏のような肉体的な訓練を必要とするものが簡単に移せてしまうというのは違和感が大きいです。9歳の少年だったら手の大きさも小さく、大人と同じように演奏するのは困難だと思います。