Kripton KX-5PX


もうオーディオは打ち止めと思いながら、新居(中古一戸建てを4月末に購入)でオーディオ環境が劇的に良くなると、人生最後のスピーカーが欲しくなり、フロア型も検討しましたが、結局クリプトンのKX-5PXにしました。
このスピーカーを設計したのは渡邉勝さんで、渡邉さんはビクターで銘器SX-3を設計された方です。それ以来、密閉型+クルトミュラーのコーン+アルニコマグネットの2ウェイに生涯をかけてこだわり続けた方です。釣りで鮒に始り鮒に終ると言いますが、私にとっても密閉型ブックシェルフに始り、密閉型ブックシェルフに帰って来ています。アンプはスペックのD級アンプで、パワーアンプ2台でバイアンプにして聞いています。音は言うことないです。これまでで一番いい音です。至福の時。

スピーカーLS3/5Aの価格の今昔

私は1987年頃RogersのLS3/5Aというスピーカーを買いました。その時の資料が引っ越し(相模原に中古一戸建てを購入し、8月にそちらに移ります)による整理で出てきました。それによると定価でペアで14万円です。右は現在Joshinで売られている同じ型番のスピーカー(LS3/5AはBBCが設計・開発したもので、ライセンスを受ければどこでも製造出来ます、故にメーカーは違います)ですが(このファルコンのはオリジナルの3/5Aを忠実に再現したと言っています)、価格は税込みでペアで何と572,000円です。私が買った時に比べると実に4倍です。私はこのスピーカーを20年近く使いました。なので断言出来ますが、確かに名機ではありますが、50万円以上の価格で売られるようなスピーカーではありません。このスピーカーは非常にコンパクトで日本の住宅事情には良く合い、また見た目に比べると良く鳴りますが、決して万能型のスピーカーでも何でもなく、いわばサブ用に近いと思います。にも関わらず、過剰評価された結果として今はこのよう馬鹿高い価格で売られています。

50シングルアンプのキット、製作中。

50シングルアンプのキット、少しずつ配線しています。配線だけなら2/3は終ったと思います。後はコンデンサーと抵抗の取り付けです。ともかく重くてでかいので動かすのが大変です。また配線材について、これまで私が使っている配線材は太すぎるかな、と思っていたのですが、このキットに付いていた配線材は私の手持ちのものより太めでした。細い線材の方がまとめやすくて、見た目は綺麗になりますが、音質的には太い配線材の方がいいと思います。なお、私はシールド線は使わない方針だったのですが、このアンプは縦のサイズが長く結構線を引き回さなければならないのと、シャーシアースじゃないんで線をシャーシに這わせてもノイズ削減効果が期待出来ないので、大人しく付いていたシールド線を今回は使いました。

50シングルアンプのキット

真空管アンプ道楽の打ち止めのつもりのSUN AUDIOの50チョーク結合シングルアンプのキットが到着。キットといっても、トランスもソケットも各種端子類も全部取り付け済みで本当に配線するだけなので、2回徹夜くらいで完成しそうです。(元々自作を検討しましたが、電源トランスの仕様が特殊で高いなどで、ちょっと面倒でした。)ロッカースイッチが付いていたのは分っていたので、私の会社の製品を買って取替えてやろうと待機していたら、最初からNKKのJW-M11RKKがついていました。(ただマニュアルの部品表は「ニッカイ」)このスイッチの定格は125VACで10Aですが、このクラスのスイッチを最初から付けている真空管アンプは(残念ながら)珍しいです。なのでこのまま使おうかと思ったのですが、やっぱり片切りではなく両切りにしたいのでJW-M21RKKに交換します。幸いにパネルカットのサイズは同じです。また、スパークキラーの取付位置がスイッチの両方の接点に平行で、これだとスイッチを切っていても微小電流が流れますのであまり好ましいとは言えません。それからトランスとチョークはタムラ製です。一番品質的にはいいものです。というのもこのSUN AUDIOという会社は元々タムラのトランスの代理店だからです。他のパーツも良質のものを使っています。

2A3ロフチンホワイトシングルアンプ-左右独立ボリュームに

2A3ロフチンホワイトシングルアンプのハムの問題は解決しましたが、最後に残ったのが左右の音量のアンバランス。各部の電圧は測定しましたが左右に差はないので何で音量差が出るのかが不明です。まあ、真空管アンプでは良くあることではありますが。仕方がないので、ボリュームももう一つ付けて左右独立にしました。今までプリアンプのバランスで調整していましたが、こちらの方が気のせいかもしれませんが音質がいいように思います。

2A3ロフチンホワイトシングルアンプのハム問題が完全解決

2A3のロフチンホワイトシングルアンプで最後まで残っていたハム音がようやく解決しました。一番最初に出ていた盛大なハムは2A3のソケットの接触不良でこれはソケット交換で直ったのですが、それでもなお、音楽をかけていない時にボリュームを上げるとはっきりハム音が聞こえていました。これの解決のため、試しに2A3を1本ずつでテストしてみたのですが、右のがきちんとハムバランサーでハムが0に出来るのに、左のがハムバランサーを回してもハムに変化が無いどころか、一番左に回すと軽いポップ音がしました。これは多分左のハムバランサーに使っている東京コスモス電機製の可変抵抗器がおかしい、と思ってこれを新品に交換したらピタリとハム音が止まりました。以前東京コスモス電機のボリュームは耐熱性が弱いとどこかに書いてあったのを記憶しており、おそらく半田ごてを当てすぎたんだと思います。

手持ちの出力管棚卸し


手持ちの出力管の棚卸しをしました。17種類になっています。同じタイプは1ペアだけにしています。ポイントは単にコレクションしているのでなく、この内これからアンプを作るRCA50とEL84(これは300Bシングルの前段として使われていたものですが、出力管としても使えるので入れました)以外は、全部ちゃんと音を聴いていることです。整流管や電圧増幅管も入れると総数では200本を超していると思います。

レコードクリーナーの修理

レコードクリーナーを久しぶりに点検したら、2つあるトグルスイッチの右側ののレバーが折れていました。開けて確かめたら私が勤めている会社のM-2203(ON-OFF-ONタイプ)でした。操作中に折れたのではなく、このクリーナーを床に置いている時に上から本が落ちたことがあり、その時折れたんだと思います。
まあ真空管アンプの組み立てで鍛えているので、このくらいの修理は何でもありませんが、スイッチを交換ついでに、穴を12.5φにし、スイッチをS-333-Jという何と20A 125VACのスイッチ(やはりON-OFF-ON)にしました。このスイッチで駆動しているはモーター2つと真空ポンプ1つで、典型的なモーター負荷ですので、この位のスイッチの方が安心であり、またレバーも丈夫さがまるで違うので、今度本が落ちても多分平気だと思います。

RCA50を入手

古典直熱三極管、2A3、45と来れば後は50です。でもこの50はヴィンテージ管があまり出回ってなくて、eBayだとペアで12万円以上する上に写真を観てもかなり使い古されたものしかありませんでした。それがヤフオクで何故か本家のRCAのが一本ずつ3万3千円で出ていました!2本買って今日届いてetracerという測定器で測定したら、2本ともプレート電流、Gmともほとんど新品同様でした!最初あまりに状態がいいんで、中国製をベースにした偽物かとも疑いましたが、それなら一本10万円以上とかで売らないと採算取れないんで、違うと思います。アンプはある会社のキットを使う予定です。自分でシャーシ加工するの大変ですし、また全部自作しようと思っても、電源トランスが500VのB電圧、7.5Vのヒーター電圧とかなり特殊で高いんで、決して安くなりません。これが本当の真空管アンプ道楽の最後にしたいですね。

DC高圧用ヒューズ

今回のロフチンホワイトシングルアンプには、初めての試みとして2次側にもヒューズを入れました。それで色々調べて電流定格は1Aにしました。電圧はB電源の電圧が大体405Vですから、500Vのを探しました。そして最初AC用しか出て来なかったので買ったのが、右のEATON/BUSSMANNのものです。しかし増幅回路は言うまでもなくDCであり、そこでAC用のヒューズでいいのか悩みました。調べてみたら、溶断特性はDC用でもAC用でも同じで、過大電流が流れればヒューズ自体は切れます。ではAC用とDC用で何が違うのかというと、ACならば切れる時にアークが発生しても、ご承知の通り電流の流れる方向が1秒間に50回ないし60回変わる訳ですから、アークは短時間で切れ、結果的に問題なく回路がしゃ断されます。しかしDCの場合は、ヒューズの導体が切れたとしても、その後その切れた間をしばらくアークが流れ続けます。(同じ電圧ならDCの方が厳しいのはスイッチの接点も同じです。)これではヒューズの意味が無くなりますし、また最悪ヒューズ管自体が破断する、とかになる可能性があるようです。そこでDC用のヒューズということになりますが、この中には珪砂が詰まっています。アークが発生するとこの珪砂が一部蒸発して熱を奪い、アークを消し、なおかつ溶けた珪砂が再度固まって完全にアークを消去します。ということでDC500V/AC600V定格の左のヒューズ(Littelfuse製)に変えました。それはいいんですが、問題は価格で右のAC500V定格のは一本200円程度です。しかし左のDC500V定格のはRSコンポーネンツで一本3,000円以上します。真空管アンプを自作する人で2次側にも保護回路を入れているのはあまり見ませんが、こういう理由もあるようです。なお、エレキットや音の工房のアンプでは、ヒューズ以外の方法で2次側に保護回路を入れており、良心的です。